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2020-02-04 業務自動化カンファレンス 2020 / 金融ICTカンファレンス 2020

2020/02/04 に開催された 業務自動化カンファレンス 2020   / 金融ICTカンファレンス 2020 のイベントレポートです。


■調達支払領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進~ AI活用クラウドで請求書処理を65%効率化!電帳法対応も可能!

菊地 聡子 さん [富士ゼロックス]

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※途中から参加

●デジタルトランスフォーメーションはどう進んでいくのか
・step1 作業効率化
  RPAなどで自動化しやすいのは
  標準化を自社で主導できる定形プロセス
・step2 業務改善
  他社とのやり取りが発生するデータやプロセス
  これらの自動化は難しい

●現実的な解 = 業務特化
・請求書に着目してツールを提供
・ワークフローツールが1つにならない理由
  部署ごとに別のルールが必要
  1つのツールでは網羅できない

●現状
・各社バラバラの請求書書類、紙での運用をしている
  入力に業務負荷がかかっている
  バラバラの請求書書類を読み込ませる設定でも工数がかかる
・問題
  二重払、未払い、紙の紛失など
  -> 全体遂行状況が不明瞭、ガバナンスが上がらない

●ソリューション
・請求書の受領から記帳まで
  すべての業務をサポートするのは唯一
・ポイント
  電子化
    受け取った請求書を専用のAIで認識・判別しハンドリング
    一般的には読み込ませる細かな設定が必要
    請求書専用のAIで楽に導入
  ワークフロー化
    IT統制・ガバナンスを強化
  見える化
    状況の可視化で未払いの防止やキャッシュフローのカイゼンへ

●デモ
・取引先側に請求書をupしてもらうこともできる
・スキャンした画像と、OCRを掛けた結果を並べて確認
  結果のフォームは固定のレイアウト
  請求書ごとにレイアウトが違う
    マッピングした場所にフォーカスが移る
  一般的な請求書のフォーマットに対応している
    大体の項目は設定無しで取れる
  マウスOCRで取り込む位置を保存
・ERPや購買管理システムなどに連携
  発注金額と請求金額の突合
    不一致の場合、エラー表示
・画像にコメントを付けて、後続の担当者に連携
・処理状況はリアルタイムに可視化
  月ごとの処理数
    進捗状況の可視化
  取引先ごとの処理件数
    契約の偏りの可視化
  承認者ごとの処理件数
    負荷の可視化

●事例1: European Motor Distributors
・ニュージーランドの輸入自動車販売会社
・PDFで届いても紙で処理するワークフローだった
  高額なものはチェックするが、少額は見落としてしまうことも
・効果
  webなのでミーティングの空き時間でも利用できる
  期日通りの支払いが見えるようになった
  業務効率化 + きっちり処理する企業として認められた
  多店舗での最新情報共有にも効果
・請求書処理業務の効率化
  手作業で処理
  OCR/RPA導入
    データ抽出を自動化しても
    目検が入るから効果は小さい
    2倍くらいはできるが、業務から考えると効果は小さい

●事例2: 富士フイルムビジネスエキスパート社
・シェアードサービスを更に効率化
  自動化、プロセスの一元管理
  ロケーションフリー
    紙を郵送で、数日かかってしまっていた
  特化型の強みをRPA連携でスケール
    会計システムへの投げ込みでRPAを活用
    一気通貫で共通フォーマットになった結果
    関連会社ごとに異なる会計システムへの投げ込み


■<みずほ>のクラウド・アフターストーリー

本岡 真明 さん [みずほ銀行]

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●金融行政方針 by FSA
・金融育成庁
・金融デジタライゼーション戦略の推進
・出てくるキーワード
  fintech
  open architecture
  agile

●みずほのデジタライゼーション
・基本スタンスは、迅速性を重視
  アジャイル
    綿密な計画主義を廃止
  オープン
    使えるものは使っていく
  トライ&エラー
    1勝9敗

●パブリッククラウドも使う
・デジタル技術を早く、簡便に、安く使う
・ただし、安心安全に

●AWSを使う
・使っている人が多い
  事例、実績、ノウハウが多い
・困った時に助け合える
  スキルを持った人も多い

●クラウドジャーニーの始まり
・step1: クラウドの評価
・step2: 初回プロジェクト
・step3: 標準化/高度化

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●パブリッククラウドを安全に使う
・知る
  -> IT部門?
・ルールメイク
  -> ユーザ部門?
・共通機能
  -> 監査部門?
-> CCoEを設立

●Cloud Center of Excellence
・事業部を横断するバーチャルな組織
  個々の案件には属さない
・共通機能、ガバナンス方針、活用方針策定などのリード
・ユーザをリード

●パブリッククラウドを知る
・メリット
  何ができるようになるのか
  IT部門だけでなくユーザ部門も全員で
・リスク
  オンプレミスと比べてリスクは増える
  増えるリスクは、新しくない
    事例はすでに世に出ている
    オンプレのノウハウも活かせる

●ルールメイクする
・わかったリスクに合わせてルールを整備
・評価
  AWSに対してFISCの遵守状況の確認
  みずほ独自のクラウドチェックリスト
・AWS設計ガイドラインを策定
  権限ポリシーの例
    ID管理・アクセス管理の枠組みを構築
    個人単位 x システム管理体制を考慮
    利用できるサービスを限定

●共通機能を整備
・中央集権的なリスク管理
・サービスの組み合わせで実現
  構築コストも削減

●利用を継続するために
・リスク評価を見直し続ける
  日々新しいサービスが公開・更新される
  ユーザーから利用したいと要望
    -> 変化の機会
      利用しているサービスへの影響確認
  サービス認定をプロセス化
    プロファイリング
    操作一覧化
    リスクアセス
    ユースケースシナリオ化
    共通機能・ガイドへ反映

・外部インシデントから学ぶ
  某社で事象発生
  情報収集、原因分析
  対応方法の検討、実施

  他社の事例を自社に置き換えて
    ガバナンス強化
    ナレッジを共有財産に

・クラウド人材の育成
  CCoEポータル
    ガイドラインをフェーズごとに参照しやすく
    最新情報の公開
  勉強会・説明会
    策定の背景も含めて説明
  コクリエ:テック人材開発ERG
    テクノロジーとビジネスの関係性
    グループ会社のつながりを創出
    スキルを底上げして、うねりを生み出す
    活動
      外部からの刺激、ハンズオン
      社内の事例共有
  トップダウンとボトムアップで双方向にアプローチ
    トップダウン: CCoE
    ボトムアップ: コクリエ

●現場は今
・サービス認定でリソース不足
・役割分担問題
・アドバイザリだから決定権がない
・パブリッククラウド以外の CoE部門を設立
・方針決定に向けた動き
  個人情報をパブリッククラウドに上げられないか?

頂きの先を目指して
お客様に寄り添うために、感動を与えるために
サービス業として選ばれ続けるために
パブリッククラウドを利用していく


■企業業務の生産性革命!すべての企業で実現できる、“奉行クラウド”を活用した「業務量を最大半分に減らす」バックオフィスの業務自動化とは?

中川 昌和 さん [オービックビジネスコンサルタント]

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※途中から参加

●自社に合わせた自動化と精度向上
・独自の仕分けパターンを登録
・自社の起票方法に合わせた自動化
・自動運転の自動車を、明日から運転してくださいは怖い
  ->根拠がわからない

●事例: 朝日新聞倉敷販売
・銀行入出金の起票に80%の時間を掛けていた
  自動化で60%削減
・勘定奉行クラウドのデモ
  銀行入出金
  出金
    日付、摘要などの項目で絞り
    一括自動起票
  新しいパターンの学習
    1取引を手動登録
    あとは自動で
  インターネットバンキングにアクセスする必要がなくなる

●事例: 西部ガス
・RPAの賢い使い方
  各部署、基幹システムは変えない
    RDB, Excel, Accessなど
  RPA-A: RPA-B用の仕訳入力票を作成
    Excelで作成
  RPA-B: 入力票から仕訳を自動作成
    CSVで取り込み
・四半期決算の入力、チェック作業
  4h->5min
・RPAは擬人化
  手続きの自動化に向いている

●Excel出力・加工 ※リリース予定
・電子マネー、クレカ、銀行
  -> 自動連携
・企業独自の多数のExcel
  -> 企業独自のExcelを自動マッピング
・受け入れ時に学習

●給与計算業務前後の自動化
・給与計算前後の非定型作業
  必要な情報の回収
  データの手入力
  給与計算
  データの確認
  給与明細書の発行
-> RPAで自動化

●総務業務の情報収集を自動化
・従業員 -> 総務
  給与明細、異動届出書など
-> クラウドでやりとりして自動化

●総務人事奉行クラウド
※対応予定
・非定型業務を定型化
  ヒト、モノ、カネに関わるあらゆる業務
・HR Techサービスと連携
  入力を一箇所に

●商蔵奉行クラウドxチャットボットで問い合わせを自動化
・携帯に話しかける -> チャットボット -> 基幹システム
・デモ
  取引先の住所を調べる
  商品の単価を調べる
  商品別売上を調べる


■チャットボットからAIアシスタントへ ~事例から分かるこれからの業務改善~

山川 雄志 さん [ギブリー]

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●ギブリー
・2009年創業
・HR領域をテクノロジーで解決
・すべての人に成長を
・事業
  働き方改革
    PEP
  デジタルマーケティング
    SYNALIO
  HR Tech事業
    track
    codesprint
・機械学習、ディープラーニングを活用

●バックオフィス業務の方、会社の中で評価されてますか?
・営業 = 売れる
・技術 = モノをつくる
・バックオフィス
  ディフェンス
  うわっ、、、私の評価、低すぎ、、、?
・アンケート
  コストセンタ−
  問い合わせ応対
  たまに連絡くるけど優先度低い
  真っ先に仕事なくなる
  言われたこと言われたとおりにやる
  窓際

●売上 - 費用 = 利益
・「販管費を下げた」は
  もっと評価されるべき
  もっと経営の近くにいるべき

●評価を変え、働き方改革を進めるために
・工数削減した金額を定量算出
・全社的な経営最適に直接アプローチ
・情報管理力や対応力を活かす
-> AIアシスタントではじめてみませんか?

●AIアシスタント
・問い合わせを受ける側
  毎日同じような質問に答えている
  ベテラン社員のナレッジが蓄積されない
・問い合わせをする側
  あの資料どこだっけを繰り返す
  社内ポータルを整理しても検索性が悪い

●AIアシスタントがいる世界
・朝起きて
  今日の予定は?
  -> Googleカレンダーの内容
・乗り換え
  乗換案内、出発駅、目的駅、出発時刻
  -> 検索結果
・情シス対応
  ログインできません
  -> 回答
・x Sansan
  名刺情報の検索
・x Salesforce
  商談の履歴の閲覧

●構成
・チャットツール -> PEP -> 各種サービス
・ビジネスハブ
  人事、総務、情シス、財務・経理、営業
  全ての情報の入口に

●1日の時間の使い方
・資料探し、事務作業、問い合わせ対応
  25%くらい
  これを自動化

●事例: ANA商事
・イントラにAIアシスタント
  バックオフィス8部門への問い合わせを自動対応
  2ヶ月で問い合わせ工数が10%削減
  総務に問い合わせてほしいことが人事に来るなど

●事例: メルカリ
・slackにAIアシスタント
  労務への問い合わせを自動化
  10h -> 0
  保険証をなくした
    労務が調べる
    再質問 再発行した?
    回答が返ってこない
    など
    リードタイムだと 10h くらい

●事例: zoff
・LINE WORKSにAIアシスタント
  各店舗から本社への問い合わせを自動化
  2ヶ月で担当者の工数が、80h/月削減
  どんな問い合わせが来るかのナレッジがある
  空いた時間で、経営企画の領域へ

●事例: アメリカンホーム・ダイレクト
・コールセンター内でのマニュアル探しを自動化
  幅広い知識が必要
    少々お待ち下さい -> マニュアル探し
    事故が起きた側からすると、待たされるのは苦痛
  担当者のパソコン上にAIアシスタント
  応対スピードが上がった
  社員向けなので、遊び要素を含めたりも

●事例: フジテレビ
・視聴率を聞くと返ってきたり
・撮影機材の場所を教えてくれたり

労務、総務が多いが業界を問わない

●表彰される企業が続々
・〇〇円の工数削減
・部門横断で業務改善
・バックオフィスのあり方を示した
など

●なぜPEPが選ばれるのか?
・FAQチャットボットと違い、動的な機能を持っている
  例)領収書をteamsにup
    -> OCR -> タクシーを判定
    -> どこからどこまで? -> 入力
    -> 経費精算システムへ

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・普段利用しているインターフェースと各サービスのHUBになる
  見た目はチャットボットでも裏では色々やっている
  API公開されているものなら何でも連携できる
・直感的に利用できる
  ビジュアルエディタでドラッグ&ドロップ
・チューニング済みの辞書で精度が90%超え

工数削減を可視化するダッシュボードをリリース予定


■デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた課題と今後の方向性

[経済産業省]

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●DXの定義
・ポイント
  第3のプラットフォームを活用
  新しい製品やサービス、ビジネスモデル
  価値を創出
  競争優位性を確立
・DXを実現している企業
  4つのポイントをクリアしている

●レガシーシステムの問題点

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・ブラックボックス化
  技術の老朽化
    導入が早かったので長く使いすぎ
  システムの肥大化
    日本の文化として長く使おうとする
・モダナイズが一部分だから全体最適化されていない
・受託開発構造がレガシー化の原因になっている
  外国は社内にIT人材がいる
  日本はベンダー企業に偏っている
  DXが進んでいる企業にヒアリングすると
    自社でIT人材を採用していた
・老朽化したシステムはほとんどの企業が抱えている
  足かせと感じている割合は70%

●資金・人材面

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・IT関連費
  80%が現行ビジネスの維持
・投資割合の変化
  2013
    守りが多い
  2017
    攻めも増えたが
    まだまだ守りが残っている

●日本での成功事例
・電気通信事業
  攻めのIT投資に振り分けられた
  3〜5年で30%を浮かせた
  コレを攻めに投資
・飲料品・小売業
  経営からトップダウンで全体最適化
  8年300億円の投資で刷新
・特徴
  長い期間
  多額のコスト
  -> 経営判断が必要

●負債を解消するアプローチ

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・4象限で分類
  機能分割、刷新
  機能追加
  機能縮小、廃棄
  現状維持
・日本の文化では廃棄が難しいが
  80%を廃棄しても事業が回った事例もある

●経営者が問題
・やってくれ、で終わってしまう
・現場では、レガシーを抱え、部分最適
  -> 難しい
・中身まで分かって、実現のプロセスを立てる

●DXの必要性は理解されてきた
・DXは新しい企業でも必要
  多くのシステムを取り入れていた企業にヒアリング
  慣習のレガシー化の刷新と同じ
・経営者が着手しない傾向
  失敗のリスクをはらんでいる
  とりあえず動いているなら変えなくて良い
・ユーザーとベンダーの信頼関係ができあがっている
  付き合いの長いベンダーに依頼しがち
  他のベンダーとの差をあまり見ずに進めてしまう
  評価も必要

●事業部門と情シス部門の役割分担
・売上と守りで対立
・どこを連携させて、どこをトップダウンで進めるか

●今後
・高度経済成長を支えてきた方々がいなくなる
  長く使ってきたものは、人にしかノウハウがない
  いかにノウハウを企業に残すか
・丸投げ & 理解できていない の構造
  専門的なノウハウはベンダー
  ユーザー企業側の事情は分からない
・役割分担が大切
  要件の確定まではユーザー企業がやるべき

●2025年の崖
・ブラックボックス化したシステムが残っていると衰退する
・経済損失は12兆円/年
・解消には、あらゆるユーザー企業がデジタル化していることが肝

●コスト・リスク低減の対策
・協調領域の共通プラットフォーム化
  非競争領域を共通化
・集中豪雨の復旧状況に地域差が出た
  特注の部品の復旧に時間がかかった
  共通化で助け合えるように

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●法律改正
・企業のデジタル経営改革
・産業の基盤づくり
・安全性の確保

●企業のデジタル経営改革
・方針
  国で道筋を策定
  優良認定を国が実施
  経営者の決断を後押し
・見える化して企業の外側からDXを促す
・6月ごろに施行予定

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●デジタルガバナンスコード(仮)
・原則から構成を検討している
  対話が大切
  価値共創ガイダンスも用意している

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・現在の構成案
  ビジョン、ビジネスモデル
  戦略
  指標
  ガバナンスの確保

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■感想

・OCRや個別最適化Excelからの、サイバー空間への複写
・入力のフォーマットを揃えてからRPA適用して簡素化、スケールしやすく
・複写されたデータでのワークフロー管理

・他社のインシデントを自社に置き換えてナレッジ共有
・サービス業として選ばれ続けるためにテクノロジーを活用する目的意識

・自動化を急に採用できない理由は、根拠がわからない不安感
  AIの予測的分析と同じ理由
・自動化にも、説明的分析と同じ流れが生まれそう

・サイロ化されたデータをすぐに活用するにはHub
・活用しづらさの原因は、データではなくインターフェース
・企業が儲かる体質になるには、バックオフィスの活躍が必要
・フィジカルとサイバーをチャットでつなぐ

・レガシーシステムを減らせない原因に、日本の文化がある
・慣習のレガシー化の刷新が必要

・DXの定義やデジタルガバナンスコードでも、ヒト / プロセス / テクノロジーの観点が謳われるようになった

など、沢山の気付きと共感をいただけました!
登壇者の皆さん、運営の皆さん、ありがとうございました!!


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