2020-06-30 プロセスマイニングコンファレンス 2020 Summer LIVE
2020/06/30 に開催された プロセスマイニングコンファレンス 2020 Summer LIVE のイベントレポートです。
●イベント概要
業務プロセス改革の本命、国内でもいよいよ導入期へ――
今回は「実際どのように導入し活用するのか」にフォーカス!
業務プロセス改革の本質的・抜本的なアプローチとして、欧米企業を中心に活用が広がるプロセスマイニング。2019年9月、IT Leadersはその全貌をいち早く伝えるべく「プロセスマイニングコンファレンス」を初開催しました。大手企業のCIO/ITリーダーをはじめとした多数のご来場は、まさにプロセスマイニングの“衝撃”と国内ユーザーの期待の大きさを裏づけるものとなりました。
そして今、国内の先進ユーザーの間で「プロセスマイニングの検討を始める/PoCを行う/導入・活用する」動きが加速しています。背景には、不確実性の時代に市場での生き残りを賭けた事業競争力の向上という大命題があります。海外企業の日本進出や他業種からの新規市場参入、先端テクノロジーを駆使する新興企業による“デジタルディスラプション”など競争激化に加えて、大手企業の眼前には、老朽化したシステムや業務プロセスを引きずって経営・事業のデジタル化に立ち後れ(2025年の崖)、世界水準において2周3周遅れ――という厳しい現状があります。課題解決に向けた第一手は業務プロセスの抜本的な改革・高度化にほかなりません。
今回、ライブ配信ウェビナーとして開催する「プロセスマイニング コンファレンス 2020 Summer LIVE」では、検討から導入活用へとフェーズが進む国内企業の皆様に向けて、プロセスマイニングを手にして臨む「実際の取り組み」にフォーカスします。既存の各種基幹業務システムからのログデータ取得から、業務プロセスの可視化、そこへの分析で得るプロセスの改善、RPAとの連携による最適化されたプロセスの自動化(Intelligent Process Automation)――。ライフサイクル全般における具体的なアクションを、先行ユーザー事例やエキスパートの解説を通じて詳らかにします。
■プロセスマイニングの意義と最新状況
田口 潤さん [インプレス]
●COVID-19対策
・なんとなくうやむやになってしまっている
政府の要請で大規模イベントの中止
学校の臨時休校
給食のサプリチェーン問題
・感染者数はFAXで保健所に報告
・特別定額給付金のオンライン申請
5月に申請してから1.5ヶ月くらいかかった
助成金や給付金は企業の生死にかかわる
・世界の中で日本の実力 日経
世界ではコロナ対策にIT活用が進む
グーグルが一部の州の給付金を支援
・累積の感染者数は見える
県別、年齢、性別などを見ようとすると
簡単に見れる状況ではない
情報を提供するやり方が違っている
次に同じようなことが起きたときに
同じような状況にならないようにしなければ
・企業はどうか?
テレワーク
社内規定がない
通信環境が整っていない
製造・販売
部材調達や製造、販売などで影響
8割近く
これは世界の平均値なのか?
・新型コロナは突然現れたが
e-Japan戦略が20年前に始まった
2016年にマイナンバー制度
政府CIOはいる
組織体制を取りながら、この対策状況はどうなのか?
・2000年以前にコロナが発生していても
同じような状況だったかも知れない
企業はどうか?
・テレワーク
テレワーク推進フォーラムの設立は2005年
テレワーク月間は2015年に開始
→やってこなかった
・ペーパーレス
1990年代に一人一台のPC
2010年くらいまで紙の需要は増えていた
スマートフォン、タブレットが普及
少しずつは紙が減っているが、ドンとは減っていない
→やってこなかった
●デジタルトランスフォーメーション
・2019年の調査
業務の省力化は6割ができていない
ビジネスモデルの改革も進んでいるとは言えない
・コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査
ITが大事は盛り上がってきた
従業員エンパワーメント
顧客エンゲージメント
オペレーション最適化
製品・サービスの競争力の向上
・従業員エンパワーメントが大きい
が、それ以外がなければ企業は立ち行かない
・海外企業の取り組み
Celonisのカンファレンス
サプライチェーンをどう見直すか
ビジネスモデル全体
コロナであちこち止まる
プロセスマイニングやRPAを使って対処している
ABBの社内システム
取引先が世界のどこにあるのか、どこが止まっているのか
動いているところに変えなければならない
判断を支援する
●アフターコロナの情報システム
・デジタルトランスフォーメーションをどうするか?
・企業の情報システムの水面下にある、足回りをどうするかが問われている
コロナ禍で売上を上げた企業 amazon
3割向上
水面下にある在庫管理、配送などを自動化・効率化していることが強み
・何から始めればよいのか?
業務プロスの見直し
サプリチェーンの柔軟性
デジタル化
アジャイル
など
●Enterprise Architecture
・ピーター・ドラッカー
建築現場で何をしているのかを石工に聞いた
これで食べている
国で一番の協会を建てている
みんなの心の拠り所をつくっている
→何をしようとしているかを可視化して共有されている
・ビジネスのAsIsとToBeを可視化
ビジネス・業務
データ
アプリケーション
テクノロジー
・どの優先順位で進めているのかを全員が把握している
・2000年代は情報システム領域で盛り上がった
現在のEAはビジネス側に変わった
・EAの実践は簡単ではない
ポンチ絵を描くことはできる
現場の人達に納得感を持ってシェアするのは難しい
・事実で伝えていかなければならない
●Process Mining をうまく使って納得感をつくっていく
・デミング博士
定義できないものは、管理できない
管理できないものは、測定できない
測定できないものは、改善できない
・日本のビジネスプロセスとは?
部門に分かれている
購買管理、生産管理など
顧客から見た場合、一連のプロセス
・部門に横串を指す必要がある
注文〜入金
フィールドサービス
プロダクトライフサイクル
・プロセスオーナー、プロセスアナリストなどの職種
縦串のマネージャーももちろんいる
・承認プロセスなど古いプロセスの放置は問題をもたらす
資金の浪費、時間の浪費、品質の低下
これらの蓄積で、モラルの喪失
・プロセスの可視化・定量化は難しい
現場にヒアリングして可視化していく
BPMなどもあったが今は話題に上がらない
・新型コロナの感染を調べるには?
問診→検査
自覚症状はなく納得できないが、入院しろと言われる
・プロセスマイニングは人体に対するX線のようなもの
表面ではわからないことを、内部から分かるようにする
・CRM、SCMなど複数の情報システムで業務が回っている
これらをプロセスマイニングにかけて
何が行われているのか、どんなイレギュラーが起きているのか
→実行されたビジネスプロセスの抽象化、具体化
・プロセスマイニングの可能性
ディスカバリー
コンフォーマンスチェック
エンハンスメント
リアルタイミングモニタリング
→デジタルツインオブオーガニゼーション
・Object Centric に変わっていく途中
・Process Mining in Action
プロセスマイニングの事例集
9月頃に日本語版を販売予定
■RPAのその先へ アフターコロナ時代にこそ実現する真のDXを!
中山 義人さん [NTTデータ イントラマート]
●初回のプロセスマイニングコンファレンスから1年
・プロセスマイニングの問い合わせは増えてきた
・業務プロセスの全体最適に取り組む優先度は高い
●イントラマート
・業務コンポーネントが多数
組み合わせて開発ができる
・ローコード開発の機能も取り揃えられている
●RPAはDXの1丁目1番地に過ぎない
・RPAによる個別最適から全体最適へ
・メリット
導入されている企業は多い
既存システムに手を入れる必要がない
問題を抱えていても、表面上の効率を高められる
・デメリット
システムの個別最適や、ブラックボックス化を進行させる
ロボットのメンテナンスが属人化
・RPAの導入は一部分で効果があるが、全体最適はできない
・ピータードラッカー
やってはいけないことを素晴らしい効率で行うことほど
ムダなことはない
●アフターコロナ時代の全体最適とは
・テレワークを前提としたプロセスの再定義
・従業員がどこにいても業務遂行できるか?
問い合わせが多いのは、電子署名との組み合わせ
プロセスの中に電子署名を組み込む
署名書発行、組み込み、文書の保管
これらを含めてテレワークで実施できるように
・顧客が密にならずに売上を上げていくには?
顧客の体験を見直していく必要がある
・事例:従業員がどこにいても業務遂行できるか?
地盤ネット
申し込み→地盤調査→解析→証明書発行
コロナ禍でも変わらないパフォーマンス
テレワークでも問題なく回るようにしていた
・事例:顧客が密にならずに売上をどう上げるか?
ウォルマート
顧客体験全体を見直し
注文→ピックアップ→保管庫→駐車場まで届ける
マクドナルド
パーク&ゴー
●個別最適から全体最適へ 何から始めればよいのか?
・現場業務からスタート
・ERPベストプラクティスからスタート
●現場業務からスタート
・現場業務を可視化し、理想の業務をつくっていく
・現場業務を可視化
これまで
ストップウォッチ
ヒアリング
→ファクトベースの情報は得られないので正確にはわからない
→プロセスマイニング
システムのイベントログからファクトベースで可視化
・SIGNAVIOのデモ
CSVから取り込み
APIから取り込み
向上の機械から
ICのカードリーダーから
コンフォーマンスチェック
意図したプロセスの流れとの違いを表示
BPMNの生成→イントラマートに取り込み
頻度の多いプロセスの可視化
・理想の業務
→BPMNシミュレーション
タスクごとに頻度を設定してシミュレーション
時刻を指定して、進行状況の可視化
ボトルネックが分かる
ここにRPAを導入
ボトルネックが移動したことが分かる
何度も繰り返し、全体最適を目指す
コスト、時間の最適化
・プロセスデザイン→BPM→プロセスマイニング
これらを組み合わせてPDCAサイクルをまわる
・自社で試した
見積もり→受注→契約
複数のシステムのログからProcessInteligenceで取り込み
非効率な部分、想定と違う流れが確認
53日もかかっていた
リスクを抱えながら進めている案件も見えてきた
・DXアプローチ
経営目線から入る業務プロセス改革
現場の業務改善から入る業務プロセス改革
ファクトベースから入る業務プロセス改革
●ERPベストプラクティスからスタート
・S/4 HANA
始めからBPMNでベストプラクティスが定義されている
BPMNをそのままSIGNAVIOに取り込み
Fit&Gap分析
各社のGAP部分をイントラマートで追加
●トーマスさん
・SIGNAVIO Japan
・SAPは社内でSIGNAVIOを使っている
・ウォルマートでもDXのためにSIGNAVIOを使っている
全社的に利用
プロセス志向が全社に広まってきた
・S/4 HANA migrationのユースケース
従来のシステムから移行
既存のプロセスの標準化、最適化から
ベンチマーキングで社内のベストプラクティスを把握
1つのプロセスに絞って、S/4 HANAを導入
・プロセスマイニングだけでなく、xray
・データ志向とヒューマンセントリックを合わせて支援
●本当のDXは継続的なプロセス
・導入だけでは終わらない
・1つのプロセスでの学びを全社に展開
デジタルはビジネスの変革をサポートする手段であって
それ自体が目的ではない
マイケル・ウェイド
■日本の業務分析は、プロセスマイニングだけでは無理!!タスクマイニングとプロセスマイニングで業務の把握から業務改善を!
神野 純孝さん [ハートコア]
●製品ラインナップ
・CMS
・RPA
・業務可視化
プロセスマイニング
タスクマイニング
●支援領域
・データ活用
myinvenio
controlio
・顧客接点
・オペレーション
→お客様がデジタル勝者になるように支援
●2019年はプロセスマイニング元年
・大手企業がプロセスマイニングのPOC
・よく聞く課題
スクラッチでつくったシステムの業務ログがない
SAPアドオンのログがない
ログの保存期間が1ヶ月のみ
→プロセスがマイニングできない
・ログがなければ、操作から生成しプロセスマイニング
基幹システムのログ + PCの操作ログ → イベントログ
・日本人はエクセルが好き
業務システムでエクセルを使っている
CRMを入れても、エクセルで使っている
・エクセルのデータをタスクマイニングで取得
プロセスマイニングへ
エクセルの操作をどうしているのか
基幹系のシステムのログだけでは分析できない
●デジタルデータ
・原因系、結果系データ
結果系データ
DWH
構造化データ
原因系データ
トランザクション履歴
→プロセスマイニング
業務改善
→AI, BI
経営の意思決定
・デジタルデータ
業務システムログ
業務用PCログ
●プロセス分析手法
・分析力が深い、スピードが遅い
KPI定義 & モニタリング
・分析力が浅い、スピードが遅い
マニュアル調査分析
・分析力が浅い、スピードが早い
プロセスモデル、ガイドライン
・分析力が深い、スピードが早い
Task Mining / Process Mining
●タスクマイニングとは
・PCのログから分析
・一人のログからでは分析できない
グループや部署単位
1,000人、10,000人の操作を分析
●HeartCore基本コンセプト
・プロセスマイニングとタスクマイニングを合わせて
非効率業務、ボトルネック業務を容易に発見
・業務プロセスの標準化を推進
子会社ごとに使っているパッケージがバラバラ
これらをすべて可視化していくのは大変
タスクマイニングでログを生成
サーバのログを混ぜることで業務フローを可視化
・プロセスマイニング vs タスクマイニング
プロセスマイニングはマクロ的アプローチ
タスクマイニングはミクロ的アプローチ
2つがなければ成功しない
ミクロ的なアプローチで、マクロ的アプローチを補完
・システム統合していくのはプロセスマイニング
・部門間で同じことをやっているを見つけるのはタスクマイニング
ログから見るとうまく使われているが
操作から見ると不要な機能を見つける
●実データからの業務プロセス改善の必要性
・step1 部分改善
RPA / BPR / 社内教育
・step2 全体把握
プロセスマイニング / タスクマイニング
・step3 プロセス定義
BPMN
・step4 プロセス管理
BPMS
→ECRS
排除できないか
統合できないか
交換できないか
簡素化できないか
●プロジェクトの進め方
・現状の把握
データ取得
ログがないのであれば、タスクマイニングでログの生成
プロセスマイニングに掛ける
実務者にヒアリング
ログだけですべてわかるわけではない
・対策案検討
シミュレーション分析
対策案を立案
・対策の実施
対策案を現場に適用
効果検証可能なログを収集
・効果の確認
結果レポート
●デジタルデータから現状の把握
・プロセスマイニングで業務プロセスを把握
・業務プロセスの全体像から優先度の高い業務を選択
・タスクマイニングでPC操作分析
エクセルやデスクトップでしか見ていないもの
・業務タスクを把握
・各部門・チームへのECRS分析
●プロジェクトタイムライン
・10ヶ月くらいかけて改善
クォーター単位で業務が流れていく
ログの把握は3ヶ月
●業務可視化までのアプローチ
・フィジビリティ確認
業務を選ぶ
・プロセスマイニング・タスクマイニング適用
ログ取得
クレンジング
可視化
●業務改革推進アプローチ
・部分最適
クイックヒットで短期的効果を創出
RPA
・全体最適
DXロードマップ
プロセスマイニング、タスクマイニング
BPMN
・プロセスバリエーション
対象プロセスのスループットの長さとばらつきの度合い
・問題が起きやすい場所を把握
●効果と改善の見える主なポイント
・各拠点のプロセスがすべて可視化
・業務プロセス分析にかかるコストが、人的コストより安い
・データは嘘をつかない
人の主観が入らない可視化ができてくる
●PoVプロジェクトサービス
・2週間体験PoV
・分析体験PoV
・お任せ型PoV
とりあえずやってみたい、は無償で
クレンジングは必要
●QA
・タスクマイニングが、何をしているのか見えすぎてしまって嫌がられる状況が想定されます。どのように導入する流れに話を進めていくのが良いでしょうか?過去の事例などがあれば教えていただきたいです。
よく頂戴するご質問ですね。
感覚としては資産管理ソフトのリプレイスという表現をされる企業様もいらっしゃいます。管理という観点ではなくコミュニケーションの一環、マネジメント手法の工夫というマインドセットを勧めていただいております。
ユーザー様には導入前に周知されるケースが殆どです。CONTROLIOは取れるログの粒度を自在に設定できるので、ハイレベルな操作ログからスタートしてから、特定の部署のみ詳細なレベルでログを取得するというアプローチを取られるお客様が多いです。
■2025年の崖を越えて ――DXと業務プロセス改革の密なる関係
青山 幹雄さん [南山大学]
●コロナがもたらしたもの
・この2ヶ月で2年間分のDXが進んだ
サティア・ナデラ
・2025年の崖の前にコロナの谷
データ活用が進んでいかない
負の連鎖が続いている
現場の個人の頑張り
現場のブラックボックス化
組織のレガシー化
IT、製品のレガシー化
●DXで2025年の崖を越える
・技術負債
技術が不適切であると
不適切を修正するコストがかかる
これは経営の課題
業務負債と合わせて考える必要がある
・デジタル活用は遅れてしまっている
●DXの段階
・デジタイゼーション
アナログ、物理データをデジタルデータ化
・デジタライゼーション
業務などのプロセスのデジタル化
・デジタルトランスフォーメーション
ビジネスモデルや社会活動の変革
●IT/ICTとデジタル
・従来のIT
過去のデータを管理することが主体
SoR
・デジタル
分析、予測、判断
SoE
●事業変革と顧客起点の価値創出
・SoRが中心にある
・顧客の課題を解消するSoE
顧客を知らなければならない
デジタル化することで見えるようになった
・デジタルプラットフォーム
AI、IoT、5Gなど
●業務変革は企業全体にかかる難しい活動
・経営者、業務部門、IT部門の3位一体の推進が必要
・デジタル活用を推進する企業文化
・技術ベンダに伴走者として様々な技術を提供してほしい
●両利きのDXが必要
・SoR、SoEの両方
・守りと攻めの両方
●DXレポート以降の施策
・DX推進指標
・デジタルガバナンスコード
財務上、経営上の大きな要素
経営から検討が必要
●DX推進指標
・5段階のレベル
CMIと同じ
・9つのキークエスチョンと26の具体的クエスチョン
答えることで企業の状況が把握できる
・272件の分析結果
現在地は1.4、目標値は3
一部での散発的実施、一部での戦略的実施が多い
先行企業は3.4、目標は4.6
・日立製作所大みか事業所
6段階の成熟度を独自に定義
●DXと業務プロセス改革の関係
・顧客起点の業務プロセスへ
組織ごとに別れていた
DXを通して、組織横断のデータ活用へ
●データ駆動業務プロセス改革
・デジタルツインから業務プロセスマイニング、リエンジニアリングへ
・流れ
業務や製品のイベントログ収集
デジタルツイン
プロセスマイニング
現状を把握する
BPM、リエンジニアリング
→デジタルプラットフォーム
・従来は人手でプロセスをモデル化、再設計
・デジタルツインでイベントデータから
factに基づいてプロセスをモデル化、再設計
●企業構造と改革のアプローチ
・構造
ビジョン
ミッション
戦略
ビジネスモデル
顧客満足や収益を増やす
ビジネスの進め方
ビジネスアーキテクチャ
ビジネスモデルを実現する業務の構造
ビジネスオペレーション
・プロセスマイニングの役割
ビジネスアーキテクチャ
ビジネスオペレーション
の辺り
・EAの役割
ビジネスとITの整合性をもたせる
●プロセスマイニング宣言
・ポジショニング
発見
適合性
拡張
支援
・5ステージ
計画と根拠付け
データ抽出
制御フローモデルの生成とイベントログの関係付け
統合プロセスモデルの生成
運用支援
・プロセスマイニングの指針
イベントログが最も重要
データの統合が必要
部門によって違う名前
・イベントログ収集の5段階モデル
現実のプロセスと対応しない
イベントが自動収集されていない
自動収集だが、イベントログとして記録されていない
自動収集で、イベントログとして記録されている
イベントの定義が明確
●BPM House
・ビジネスプロセスの定義から改革/改善、運用まで包括的に定義
・BPMと組み合わせて利用することで強力になる
●BPMと連携した業務プロセス改善フレームワーク例
・プロセスマイニング、プロセス分析
→現行プロセスモデル BPMN
→リエンジニアリング(Plan)
シミュレーション
→新プロセスモデル BPMN
→プロセス実行(Do)
→プロセスモニタリング(Check)
→プロセスマイニング、プロセス分析(Action)
●業務プロセス改革成功事例:B2Cの金融業
・citi group
・競争相手は、他の銀行ではなくシリコンバレーのスタートアップへ
銀行の口座を持たずに決済は考えられなかった
スタートアップの速度とアジリティ
・DXの目標
デジタルバンク
口座管理→資産健全のための支援
モバイルアプリを利用した顧客の支援
・顧客中心組織に再構成
顧客との共創
新しいサービス提供のスピードアップ
1年→4週間
いっしょにコストダウンも見ている
●業務プロセス改革成功事例:B2Bの製造業
・ENGEL AUSTRIA
・DXの目標
10週間以内に、納期を30%以上短縮
・DXプロセス
VSMで分析
管理部門に焦点を当てBPMツールで業務フロー、データフローを分析
オーダー処理プロセスの再構成
ERPでKANBAN構築
●業務プロセス改革成功事例:製造の完全自動化とサービス化
・HILLTOP
・DXのためのイノベーション
製造のソフトウェア化
完全無人化
納期 3-5日
全員がプログラマ
製造はプログラミング
●経営者、業務部門、IT部門の3位一体のDXとプロセスマイニングの推進
・難しいがツールを活用できる育成が必要
・データの標準化が第一歩
●まとめ
・現状を可視化することが必要
・プロセスマイニングが活用できる
・使いこなすには難しい面はある
・2025年の崖を越えてDX実現シナリオへ
●QA
・BPM、ビジネスプロセスリエンジニアリングなど
色々あったが日本は定着しなかった。これは何が問題なのでしょう?
業務プロセスを変えていくのは
経営者と業務部門が一緒に進めなければならない
IT部門に任せても進まない
長い時間をかけて、積み上げて進めてきている
経営環境が難しいので、短期の成果が求められている
・DX推進指標にデジタルツインオブオーガニゼーションなども入れていってほしい
デジタルプラットフォームを入れようとしたが
時期尚早だねとなってしまった
入れていきたい
・海外の企業ではプロセスオーナーやCOEなどの組織が建てられる
専門の人がいるように見えるが、日本にはいない?
要求工学をずっとやっているが、専門家はいない
マネージャーがやったりしている
最近ジョブ型が出てきているのは良い傾向
専門の役職を作らないと、専門家は育たない
技術の進歩は早く、高度化している
少し勉強したくらいでは追いつけない
専門知識を持った人を育てなければ、世界と競争できない
・アカデミアの先生は両手で数えられるくらいしかいない印象
ビジネス、ITに関わる人が少ない?
アカデミックは残念ながらレガシー化している
組織の変革は難しい
論文を見ると、後退している印象
知識をつけるとしても本だけでは不十分、域内海外に行けは難しい
国内で包括的に教えられる人が必要
・データサイエンス学科ができていっている
プロセスマイニング学科はできる?
ソフトウェア工学科の中で教えていきたいと思っている
■「業務可視化×プロセスマイニング」 ~永遠の課題である業務生産性の向上をテクノロジーで実現した業務分析事例~
山田 輝明 さん [MeeCap]
●この施策は正しいのか?
・企業が取り組むべき課題
労働者人口の減少対策
ワークライフバランス
生産性向上
・施策
業務改善/BPR
DX/RPA
社内リソース最適化
・原因の実態を把握しきれていないのではないか
・実は見えていない要因がわかっている
今出現した課題ではなく
企業の歴史の中で何度も取り組まれた課題
実態の把握のために、時間・人的リソースがかかる
外部委託しても膨大なコスト
働き方、業務プロセス自体が流動的
業務にマニュアルがなく、属人化している
実態を可視化し、課題を正確に把握できれば
業務改革、DX、生産性向上プロジェクトは成功する
→これらをテクノロジーで解決する
●日本企業独特の課題
・属人化した業務の多さ
ブラウザ
販売管理システム
エクセル
購買システム
メール、エクセル
財務システム
メール、ブラウザ
・システムと業務の両面からアプローチが必要
●MeeCap
・データ収集
PC、システムの操作過程
・可視化分析
プロセス、パフォーマンス
・操作レベルの分析が可能
1タイピング、1クリックごとのデータを時系列に収集
クリックした際の画面キャプチャ
タイピング内容
・HappyPath機能
国内開発、独自のプロセスマイニング機能
・アプリケーションの操作にラベルを付けられる
経理のエクセル、開発のエクセル
業務単位に分析ができる
●活用例
・業務プロセス可視化
RPA化
ハイパフォーマー分析
高付加価値業務分析
・業務システム分析
ERPシステム公開
システム利用率改善
UI改善
・勤務状況分析
・人材評価
output以外の過程を評価できるように
●事例:高付加価値業務への集中
・システム開発企業
・週次で実態を分析
開発業務とその他で分析
chrome, slackが多かった
・ワークスタイル機能で更に深堀り
slackの前後でのやりとりでマルチタスクが発生
・slackの利用方法を見直し
・年間 570時間を 高付加価値業務に割り当てられるように
●事例:ハイパフォーマー分析
・大手金融業
・お客様とのコミュニケーションに時間を取りたい
ITシステムを効率的に利用したい
・400人の営業担当者の業務を可視化
営業店ごとの比較
・外部の成果データと組み合わせ
営業成績
提案件数
顧客訪問回数
・ハイパフォーマ、非ハイパフォーマーの進め方を分析
→ハイパフォーマーの進め方を標準化
●事例:業務の自動化
・大手製造業
・RPA化
各部署からの要望をもとにRPA化
推進する部署が、現場の業務をすべて把握しきれていない
積極的なヒアリングには人的リソース、時間を要する
・定量的な指標で、効果の高い業務にRPAを導入
→ヒアリング時間の削減、業務の効率化
●MeeCap活用領域
・対象業務選定
・業務ヒアリング
・手順書作成
・(ロボット作成 ※ここはRPA)
・効果測定
●活用イメージ
・属人性が高い業務を発見
・コピー&ペーストを減らす
・時間のかかる業務を優先
●MeeCapロードマップ
・業務改善を自ら行える環境へ
経営層
時間、コスト視点での全社の労働状況の把握
リーダー層
担当する部署の労働環境の把握、最適化
社員
自分の仕事状況の可視化
・業務の付加価値分析
・BIツール連携
・OCR連携
基幹システムに入力されている数字など
・スケジュール連携
作業していない時間とスケジュールをマッピング
・ベンチマーク
匿名化したデータで業種ごとの標準と比較
■2020年はプロセスマイニング本格導入元年になる!
小林 裕亨さん [Celonis]
●Celonis
・本社
ミュンヘン・ニューヨーク
・導入企業
2000+
・業界を問わず利用
BMW、Uberなど
・エコシステム
コンサルティング会社、ベンダーとパートナー
300+の教育機関と連携
・プロセスマイニング業界のNo1ベンダー
マーケットインパクト
革新性と価値を提供できる力
・大量データでも安定したパフォーマンス
・SOC2認証で不安なく利用できる
●日本での活動
・2019年2月 事業開始
・2020年2月 日本リージョン立ち上げ
・2020年9月 事例本出版予定
●プロセスマイニングの導入状況
・ライセンス導入
20+社
・適用業務
複雑な工程で、下流の問題から上流を見れないところ
・ソースシステム
SAPが多い
・パートーナーエコシステム
SIerと16社
●相談が多かった経営テーマ
・生産性の向上
個人タスク目線での効率化から、顧客目線への転換
・グローバルオペレーションの標準化・リーン化
国を越えて商流、物流、リスク対応をコントロール
・ITの再構築
2025年の崖対応の本格化
・業務品質・管理の高度化
KPIを良くしていくための具体的な行動
その行動をとったかどうか
●Celonis導入の考え方
・直近の判断
定量効果
ROIが重要視される
・ディシジョンメーカーと会話すると
質の向上
グローバル標準化、マネジメントレベルの高度化
・導入すると、現場が一気に沸き立つ
どこでどれだけの人が困っているのかが見えてくる
見えると、現場で対応策が思いつく
この活性化が効果に思う
●コロナ対応がDXとプロセスマイニングを加速
・従来では、対面作業が避けられない
・拠点実態の把握は更に難しい
・デジタルアプローチが必要
・改善活動自体をデジタル化
●変革サイクル全体を支援
・Connect
ソースシステムへ接続
イベントログ変換
リアルタイム接続
・Discover
プロセスの可視化
根本原因を理解
・Enhance
アクションを提案
・Monitor
リアルタイムに効果を把握
●demo
・分析までの準備期間を短く
Celonis App Store
イベントログへの変換テンプレートを提供
分析できるように変換するコストが大きい
分析テンプレート
コネクター
一日に一度、一時間に一度などで最新データを取得
・イベントログと属性データを合わせて可視化
・納期遵守の確認
与信確認プロセスで+5日
期限内の支払い率が高い顧客にも与信確認を行っていた
・プロセスマイニングで分析されたデータをもとにMLで改善提案
Process Automation
支払い実績が良い顧客にはCelonisから自動でSAPで承認
支払い実績が悪い顧客の場合、担当者にメール
Action Engine
担当者の承認作業などはCelonisから実施
Transformation Center
モニタリング
既存のシステムを生かして、現状を見えるようにする
そして改善をナビゲートする
●用途と効果
・短期的に狙いたい定量的なもの
・長期的に狙いたい長期的なもの
・経営、現場をチームとして捉えていく
・Celosphereでは日本語翻訳で実例を紹介
●Celonisの特徴
・インダストリーホイール
業界、機能領域、業務プロセス、KPIなどのノウハウ
ゼロからではなく指標を用意して改善を進めていく
・バリューアセスメント
事例、ノウハウに基づいた、期待効果検討のサポート
・Time to Valueのスピードアップ
●Celonis Snap
・ほとんどの機能を利用できる無料版
・イベントログ
CSVからインポートできる
UiPath、ServiceNowとのコネクタも
・無料のSnapで実験に活用
ルフトハンザの On Time Departure
飛行機の離陸までの様子を動画で画像認識
プロセスマイニングへ
●インテリジェントな自動化をサポート
・従来の自動化
・RPAによる自動化
・これまで自動化できなかった領域
例外の頻度が高い、人が必要など
ここもサポート
・コロナ対策ソリューション
キュアッシュ保存、サプライチェーンなど
●企業にとってのプロセスマイニング
・レントゲンでありCTスキャナ
・KKDからデジタルへ
・経営全体へ波及
・良さを知った後の後戻りはない
・自分たちの状況を正確にする手段ができる
日本企業が抱えている閉塞感は透明性がないこと
現場も経営も同じ現実を直視する
社員の創意工夫が促進されて、顧客志向に変わっていく
社員のエンゲージメントが向上し、組織が柔軟で迅速になっていく
■先進・先行ユーザーの実践に学ぶ、プロセスマイニング導入・活用の実際
大村 泰久さん [アビームコンサルティング]
松本 直樹さん [伊藤忠テクノソリューションズ]
百瀬 公朗さん [プロセスマイニング協会]
河原 潤さん [インプレス]
●事例紹介:百瀬さん
・プロセスマイニングは研究が始まってから20年くらい
・再現性と実行可能性を高める
見える化をデジタルの中でやっていける
業務プロセスが多いが、デジタルデータなら何でも見える
プロセス1つではなく、すべての工程で取り組むべき
・見なければならないことを見ていない
ビジネスプロセスの衛生管理
どれだけ汚い状況になっているのかを見ていない
複雑度、作業量などが言い訳になるが見るべきものを見ていない
・Digital Fit Rate
どれだけビジネスがデジタルにフィットしているか
・動画の画像認識でプロセスを分析
飛行機に、燃料補給や荷物の積み込み、掃除、搭乗などのプロセスが並走で動いている
世界中でのプロセスを分析
LCCでは期待の有効活用がすべて
・イベントログはAIカメラ一つですべてのログが取れる
基幹システムからとるだけのものではない
・ペトリネットの見方を勉強してください
これで業務がどうなっているのか分かる
●事例紹介:大村さん
・シェアードセンター
支払い・経費処理業務の最適化
紙を郵送して業務を回していた
却下された後にどうしてきたのか
上長承認は個別に申請内容を見ていない
・システムインスタンス統合可否判断
グローバルの場合、基幹システムが別れて配置
これを統合可能か?
国ごとにバリエーションに差が出た
・デジタルテスト
大規模プロジェクトのテスト工数は33%
プロセスマイニングで生の操作履歴をテストに再利用
影響範囲の分析も自動化し、必要なリグレッションテストを自動実行へ
●事例紹介:大村さん
・製造、卸
経緯
他部署にまたがる業務プロセス改善にプロセスマイニングを検討
対象業務
受注業務の納期遅延、納期調整
結果
受注業務プロセスの可視化
課題の把握
今後
他の業務へ
・通信
経緯
基地局へ設置する機器を管理するためのシステムを構築
対象業務
資産管理業務
本番利用リードタイム、倉庫滞留
結果
作業滞留の解消
業務プロセス標準化
不要なシステム改修の削減
今後
不足データの収集
他の業務へ
・必ず頂く質問:ログがないのですが?
利用しているのは業務データのタイムスタンプ
データがなにもないということはない
PoC
手持ちのデータを利用
PoV
効果算出に必要なデータを追加
本番
継続的に改善するためのデータを追加
・必ず頂く質問:体制はどうすれば?
2名のアサイン
フローの把握:業務の有識者
データの把握:システムの有識者
・日本にプロセスマイニングを広めていく
プロセスマイニングのハンズオントレーニング
●プロセスマイニングの役割は?
・百瀬さん
プロセスサイエンスとデータサイエンスの和集合がプロセスマイニング
と言われているが、重要なのは
データを見ながら、業務を可視化できるか
これまではデータがあっても可視化できなかった
プロセスを人間が認識できるようにしたのがプロセスマイニング
そこからは課題解決
データを集めてモデルとつくって
人間が分かるペトリネットで見えるようにした
が始まり
見えたことによって次の一歩に進める
●どのように自律化という方針に進んでいった?
・大村さん
どのお客様も可視化から始めている
日常的に、人が絡まない形にできたらどうなっていくだろう?
と楽しみながら発想が広がっていく
ここから自律化のプロジェクトへ進んでいっている
●ログがない場合はどう進めていく?
・松本さん
ログと言うとSAPなどのように少ない
100点の答えは求めていない
今あるデータで始めて、足りないものを足していく
●プロセスマイニングといと基幹システムという印象はどうなのでしょう?
・百瀬さん
Celonisの50%はSAPのログ。50%はその他。
つまりその他が増えている
DBの中にあるタイムスタンプでも、取り出せるならイベントログ
トランザクションの中に3つのキーがあるなら、イベントログ
レガシーでもバックアップしているならイベントログにできる
ユニークキー、アクティビティ、タイムスタンプがあればイベントログ
つまりデータベースのデータならイベントログ
始めは、10個のアクティビティがあれば十分
この組み合わせでパターン数は爆発する
10個あれば十分に分析対象
●企業ではどんな体制が必要?
・大村さん
データサイエンティストはいらないし、IT部門でもない
業務部門と一緒にすすめていく
見てみないと何が出てくるかわからない
改善項目は声の大きい人から出来きてしまいがち
実際には、改善効果が高いのは別の業務だったりする
・松本さん
業務部門、システム部門の方に入ってもらう
システム部門だけでは、分析結果が正しいのか判断できない
業務部門、システム部門の方にCelonisを理解してもらう
その上でPoC、PoVを進めている
●プロセスマイングは継続的に進めていくもの?
・百瀬さん
健康診断一回で健康を維持できるか?
業務も常に変化していく
改善したとしてもリバウンドや新しい業務の追加もある
業務改善するというプロジェクトで考えるのではなく
常日頃の業務の中で、スナップショットとして見ていく
●なぜログデータの印象が強いのか?
・百瀬さん
歴史的にSAPのログの分析から始まったから
ベンダーの説明もこれに寄っていそう
■感想
イベントログはデータの形式のこと
システムの操作ログだけではない
なければつくることもできる
イベントログがないなら
DBに今あるデータに絞って始める
タスクマイニングで操作からつくる
画像認識で動画からつくる
ペトリネットで人がプロセスを理解できるようになった
factからペトリネットをつくれるようになった
理解したfactから継続的にプロセスを改善していく
など、説明や、詰まったときに使える発想をたくさんいただけました!
登壇者の皆さん、運営の皆さん、ありがとうございました!
いいなと思ったら応援しよう!
いつも応援していただいている皆さん支えられています。