2020-03-05 チーム・ジャーニー発刊イベント「チームは果たしてジャーニーできるのか? 現場ジャーニー・プレイド編」 #DevLOVE
2020/03/05 に開催された チーム・ジャーニー発刊イベント「チームは果たしてジャーニーできるのか? 現場ジャーニー・プレイド編」 のイベントレポートです。
●イベント概要
チーム・ジャーニー発刊イベント「PLAIDの現場 ☓ チームジャーニー」
書籍「チーム・ジャーニー」の発刊イベントを 「チームは果たしてジャーニーできるのか? 現場ジャーニー・プレイド編」 と題して開催致します。
株式会社PLAID の 門脇恒平 さんには、「チーム・ジャーニー」の レビューア をつとめていただきました。本イベントでは、最初に門脇さんから、PLAIDでの現場、チーム開発についてお話を頂き、その後著者市谷聡啓との対談を企画しています。
チーム・ジャーニーで書かれていることを現場で実践するには?
プロダクト開発の現場の最前線でいま起きていることとは?
書籍と現場を往来しながら、いまプロダクト開発に必要なこととは何かを探っていきます。
■プレイド開発チームにおけるチーム・ジャーニー
門脇 恒平さん [PLAID]
●自己紹介
・2017年 PLAIDにjoin
・KARTEのエンジニア
・開発チーム全体のリズムをつくる環境づくり
●PLAIDの歴史
・2011/10 プレイド創業
エンジニア 1 / デザイナー 0
・2015/03 KARTE リリース
エンジニア 6 / デザイナー 1
・2017/04 門脇さん入社
エンジニア 20 / デザイナー 2
・2018/03 KARTE for App
エンジニア 25 / デザイナー 3
・2018/12 KARTE Datahub
エンジニア 30 / デザイナー 5
・2020/03 KARTE 5周年
エンジニア 50 / デザイナー 10
・入社からの約3年での変化を紹介
●変化していないこと
・前提と制約
正解がない中でプロダクトをつくる
ビジョンと比べて進捗率0.5%
タイムリミットがある中でつくる
崖から飛び降りながら飛行機をつくる
その中で世界に通用するプロダクトを
・必要なこと
個人の創造力・発想を最大限活かす
人を信じたい
トライ&エラーを高速に繰り返す
どれだけ早く回して
どれだけ多くを学べるか
・大事にしていること
ルールはできるだけ決めない
硬直化する要因をつくらない
常にゼロベースで考える
それまでを捨ててでも最適なものを選ぶ
プロダクトアウトを大事にする
出してだめなら作りなおす
●変化したこと
・ポイント
変化していないことを大切にしながら
変化することの面白さと難しさ
・そもそもチームは変化してるんだろうか?
未来を見て動いていると、変化に気づきにくい
一人では詰まった
みんなに助けてもらって良いふりかえりができた
このスライドはみんなのおかげ
・開発チームとして意図的に変えていったことを紹介
・なぜチームを変化させるのか
チームのアウトプットがエンドユーザに届き
フィードバックを得るまでの流れをスムーズにしたい
・変化したこと
開発サイクルと組織構造
リズムの作り方
システムアーキテクチャ
問い合わせ/不具合対応
ストック/スケールの意識
・色んな人が考えて行動した結果の変化
思い立ったヒトがすぐに当たって砕けられる文化
●開発サイクルと組織構造
・ジャーニーのポイント
Whyの方向付け と How/Whatをどうスケールさせるか
全員で認識を合わせることが大切
揃っていないと、爆速でゴミをつくることに
・フォーカス
2,3ヶ月の開発サイクル
プロダクトが 今 注力すべきテーマでチーム
・フォーカスの誕生
個人商店の集まりだった
目標や期間が曖昧
CPOが全て持っている状態でボトルネック
やらないことをきめられない
やらないことを決められるようになった
・延々と続くフォーカス
1年弱続くフォーカスもあった
期間延長で疲弊、何がいつできるのかもわからない
息を止めて続けられる期間として 2,3ヶ月に
切り替えて次に進めるように
・チームがすごく並列化
15チーム以上が横並び
毎回フォーカスの設計で負荷が増えた
CPOが全体を見るのが難しい
チームを複数のグループに分けて
各チームにwhy/how/whatを任せた
●リズムの作り方
・ジャーニーのポイント
共通のwhyが見いだせないものは全体のwhyにしない
・過疎化する朝会
チーム間の相談・共有など目的を決めて、朝会を開催
whyに共感できないメンバーがいた
参加人数が減少
1人朝会もあった
挨拶する場にした
参加人数が増えて
相談・共有も行われるように
・過疎化するいろんな仕組み
日報、週報、進捗・学びの共有会
whyに共感できないメンバーがいた
参加人数が減少
全体の仕組みとしては廃止
必要ならチームで自由に
・Demo Dayのリズム
チームのアウトプットを全体に共有する場がない
アピール、フィードバックが少ない
隔週金曜日で任意参加、自由発表で開催
手を挙げてプロジェクターでデモ
リズムづくりにつながっている
●システムアーキテクチャ
・ジャーニーのポイント
疎結合なチーム/システムに段階的に移行
・マイクロサービス化
モノリス
メンバーの多様化
ジェネラリスト→特化型のメンバーも増えてきた
全員が全体を理解するのは難しい
密結合で効率/スピードも低下
逆コンウェイの法則
キャッチアップ、立ち上がりも早くなった
チームに合わせてシステムを分割
自由なタイミングでデプロイできるように
●問い合わせ/不具合対応
・ジャーニーのポイント
フィードバック強化 と 手厚いサポート強化のバランス
・エンジニアが問い合わせ対応
CSチームが問い合わせ対応
属人的になっても手厚いサポート
プロダクトやサポートサイトへのフィードバックが弱まる
エンジニアが一次受け
できるだけ直してから返答
流れとしてフィードバック反映を半強制
・ジャーニーのポイント
ナレッジシェアと属人化のバランス
・アサインガチャ登場
問い合わせ・不具合発覚時は個人にアサイン
属人化
BotにIssue URLを投稿
エンジニアが順番にアサイン
全員が全体を理解している = 強いチーム と置いた
・アサインガチャ廃止
マイクロサービスが進んだ後もガチャアサインが残っていた
対応に時間がかかって、フォーカスにかけられる時間が減った
よくわからない人が、より良い解決方法に気づけないまま対応
個人にナレッジをストック、クオリティを上げる
チーム内で 解く/解かない、解き方、優先度を決めた
●ストック/スケールの意識
・ジャーニーのポイント
スタートアップにありがちな ノリ、根性からの脱却
・役割、責任の明確化
一部の人に障害対応が集中
ノウハウが属人化、スケールしない
障害が発生したら集まって対応
カオスなフローを可視化
役割、責任、フローを明文化
・組の誕生
ルーズボールを個人が拾う状況
属人化、スケールしない
ルーズボールに責任を持つ"組"をつくった
副業的に組に参加
専門性や興味でアサイン
フォーカスごとにラインナップ変更やローテ
●これから変えたいこと
・今が大きく変化できるチャンス
外的、内的にポジティブなストレスが掛かっている
クライアント増加
求められるクオリティの高まり
非連続な成長の必要性
特定チームの所属しなくなった
独立遊軍
事業やチームを俯瞰して、チャレンジできる
・これから変えたいこと
個人の創造性/開発力をもっと活かす
完了の定義をもっと先へ
開発チームがで開発で終わっていた
顧客により高い価値が届くように
ジャーニーをもっと先まで
プロダクトのビジョンはあって
フォーカスは切っていたが、不連続
段階を考えて、精度の高い学びを
事業・プロダクト に 非連続な成長 を
次々と生み出せるチームに変化していきたい
■対談・QA
門脇 恒平さん [PLAID]
市谷 聡啓さん [エナジャイル]
●対談
・ジャーニーとフォーカスは近い?
問題意識は近い
フォーカスはあいまい
この機能を良い感じにする
KARTEを強くする
チームが解釈してやることを決めていく
・組という活動はおもしろいですね
横断的な組織は必要で、それを運営しているってすごい
どうつくってきたの?
事前に草の根的な活動が起きていた
スケールするために、草の根を集めてみた
興味がある人に入ってもらう、入って欲しい人にお願い で半々くらい
それでも足りなければ自分が入る
・組でやっていることは絶妙!現場感がある
バグ見回り、セキュリティ、リリースノート
・組長っている?
実質いる
が、いない状況が理想
・専門用語を使わないなどの考慮はある?スクラムのような
フォーカスごとに、チームも粒度もやり方も違う
イテレーションという言葉も使わない文化
外の言葉のイメージに引きづられる
・新しい人の立ち上がりは砂漠
サポートはするけど、入ったひとの役割
●QA
・組に幽霊部員はいる?
そうならない人数を意識している
バグ取りMVPを称えたり
セキュリティ月報を出したり
・時間の割合は?
表のフォーカスが大切
時間が逆転してしまうなら
組を作ったり
組をフォーカスに昇格させたり
・どうやって決めてるの?
当事者が困って、声を上げる
周りが気づいて、解決しに行く
・組が成り立つこと自体すごいこと
個人のレベルまで、何をやりなさいはない
自分で何かしなければ、何も起きない会社
会社の活動に共感したメンバーが入ってきているので
何もしないのはつまらない
・メンバーの軸で多そうなところはどんなもの?
プロダクトへの興味・共感
エンジニアでも、ビジネスでも
プロダクトのどういう側面に興味を持ったのか、価値観は別
ぶつかることはあっても、方向は一緒
・PLAID 池上さん
採用にこだわっているから、そんなメンバーが揃っている
時間がかかってしまう問題はあるが
・エナジャイル 新井さん
ヴァル研でも試行錯誤していた
カルチャーマッチするか
リファーラル採用、入社前にモブ
組の取り組みすごい!
大人扱いしている
持って帰りたい
・PLAID 宮原さん
採用の評価項目に「一緒に働きたいか?」がある
スケール時にはボトルネックになってしまうが
中長期でみると採用が大切
・朝会の、まずは挨拶、の次は?
来てくれたから何か話さなきゃでひねり出した
昨日見つけたバグ
登壇するよ
大きな動きをつくる最初のきっかけづくりが大切
・チーム間でwhyを同期することはある?
会話から知ったりするくらい
・demo dayはどんな感じ?
聞いてるヒトが実況をはじめたり
この機能やばい!
使いたい!
ビジネス向けのdemo dayで、こう伝えて!を見せたり
・リモートワークは?
普段からリモートは多い
あなたが一番生産性が出る環境をつくってください
やりづらいなら出社する
リモートだと、リアルでの会話が聞こえてこない
リモートだけな人はいない
・きれいな話をしたけど、課題はたくさん
個人に判断を任せている分、毎日違う課題が出てくる
■感想
KARTE、KARTE datahub のコンセプトに共感する部分が多くて、色々な機会でPLAIDさんのお話を伺っているのですが、毎回大きな気づきをいただけています。ありがとうございます!
組織の形に個が合わせるのではなく、個の強みも弱みもそのまま発揮できて、外から見るといびつさは感じない、個の間をスムーズにつなぐ液体のような組織が理想だなと考えていたのですが、PLAIDさんはその実現例で、この形ならではの課題と向き合い続けている印象でした。これからフォーカスに段階の設計が取り込まれるようになると、どんな展開が起きるのかワクワクしますね!
プロダクトのビジョンと短期的なふりかえりで爆速で成長してきた様子が感じ取れて、門脇さんのすてきな人柄も感じられるセッションでした!
門脇さん、市谷さん、運営の皆さん、ありがとうございました!!
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