見出し画像

【饂飩美味紀行】#38 牧のうどん 片江店(福岡県福岡市城南区)【名店巡礼】




" 底 な し 饂 飩、そ の 正 体 を 見 極 め ん "




❖ 福岡県福岡市城南区の位置

福岡市城南区とは、かつて筑前の国の一部にて栄えし地なり。かの地は福岡城下の南西に位置し、北は中央区と接し、天神や博多の市中への道も至近。東に南区、南に早良区、西には西区が控え、四方の交通至便にして、住まう民にも利をなす土地ぞ。

この地は、静寂なる住居地として広がり、川筋にては樋井川の流れが心地よき風を運び、緑地と公園にては民が散策や鍛錬に勤しむ姿も見受けられる。市の地下に張り巡らされた七隈線という路もまた、旅人や住人の脚を助け、都心の賑わいへと速やかに誘うものなり。

されど、この地にては自然と都市の調和に加え、歴史の薫りもまた漂う。名高き「友泉亭公園」は、福岡藩六代藩主・黒田継高公の手による大名庭園にて、その池庭の景観は四季折々の風情を映し、かの茶室では雅なる和の心が息づく。この庭は、かつての侍たちが安息を求めたる静謐の地にして、今もまた人々の憩いの場として知られる。

斯くの如く、城南区は都市の利便と自然の潤い、さらに歴史の趣を兼ね備えた、誠に魅力深き地なり。ここに住まうも、訪れるも、一興なるべし。


❖ 店舗外観


❖ 饂飩絵図


⦅🌟🌟🌟🌟☆》ごぼう天わかめうどん  ※撮影 2024年9月


いなり2個


❖ 饂飩膳の記録


◎ 底なし饂飩、その正体を見極めん

世に奇妙なる評判あり。「食べても食べてもなくならぬ饂飩」――妖しき一椀、その真を見届けねば侍の恥辱。このような世評を耳にしては、箸を携え暖簾をくぐらぬわけにはいかぬ。いざ、片江の地、"牧のうどん"へ。
もっとも、胸中では「もしや妖術か」とわずかに警戒しつつも、内心ワクワクしているのは侍の性(さが)かもしれぬ。

◎ 赤鉛筆が導く、アナログの儀式

膳を求め席に着けば、ひょろ長き板が目に入る。その板には伝票が挟まれ、傍らには赤鉛筆がそっと添えられている。「さて、これなるは注文の道具か」と侍は訝しむも、実にそれは己が手で膳を記す手法。食べたい品を選び、「軟めん」「中めん」「硬めん」と麺の硬さを示し、「正」の字で数を記す。この流れはどこか軍議のようで、侍の性に合う。
昨今では"資さんうどん"の如き「板の書物」なる道具もあるが、"牧のうどん"はそれとは異なり、赤鉛筆という手作業の妙。余分な事はすべて捨て、手間さえも楽しむ。これぞ侍心をくすぐるものである。

◎ 入れ放題の誘惑に惑わされず

程なくして届く一椀。ごぼう天は黄金の衣を纏い、わかめは翠の彩りを添えておる。そして目を惹くは天かすとネギの入れ放題。「これぞ贅沢の極み……」と、思わず丼一面を天かすで埋め尽くしたくなる衝動に駆られたが、侍たるもの欲に走るは下策の極み。ここは質素倹約を旨とし、控えめに加えるがよい。「いかにももどかしいことよ…」と嘆きつつも、それだけでも饂飩本来の味が際立ち、香り立つ妙味が楽しめるゆえ、悔いはない。

◎ 食べても減らない謎の麺

一口、中めんの固さの麺を啜れば柔らかき喉越しが心地よい。さながら澄んだ川の流れを思わせるが、箸を進めるごとに奇妙なることに気づく。いくら食しても麺が減らぬ。むしろ増殖してるかの如き錯覚さえ覚える。
「もしや妖術か…」と箸を握る手に力がこもる。しかし、妙に愉快でもある。これが「底なし饂飩」と呼ばれる所以なれば、侍はその妙技に深く感服するのみ。少々戸惑いつつも、胃袋に心地よき充実感が広がるから不思議なものよ。

◎ 小やかんが生む新たな幕

ここで姿を現すは小さなやかん。この中にはスープが湛えられ、麺の吸い尽くした分を継ぎ足すがための道具なり。これを使い継ぎ足せば、麺が再び蘇り、新たなる味の物語が始まる。まるで疲れ果てた旅人が力を取り戻すかの如き趣き。
「まるで尽きぬ旅路よ」と苦笑しつつも、飽きることなく饂飩を楽しませるのだから、侍も粋な計らいと認めざるを得ぬ。この一椀、ただの昼餉にあらず。果てしなき物語が紡がれるような一椀である。

◎ 甘い囁きで締める至福の一椀

締めには、"いなり"が控える。その甘く煮含められた薄揚げは酢飯を包み込み、まるで荒野の行路で見つける清らかな泉のように、癒しを与える。一口ごとに心が解け、疲れた身体に優しさが染み入る。まさに厳しい修行の後に与えられる褒美のようでもあり、思わず頬が緩む。
これを味わい尽くし終える頃、侍の心と胃袋は充足に満たされている。

◎ 最後のひとときにこぼれる思い

この一椀、ただの食事にあらず。侍の心に深く刻まれる一篇の物語。饂飩という枠を越え、その味わいはまるで一刀の如き切れ味をもって、心に響く。店を出るとき、ふと漏れる言葉は

 「次回の訪れには、“軟めん”を食すべし…」

その言葉に、次なる膳への期待と共に、再びこの地を訪れる決意が宿っている。苦楽入り混じった旅を終えたかのような、どこか晴れやかな面持ちで、侍は新たな一椀を胸に秘めて歩み出すのであった。



❖ 店の評判帳


❖ 食通評判帳



❖ 詳細な絵図



❖ 推奨取り寄せ(宣伝)

美濃焼「お好み丼 染うさぎ」は、匠の技が冴え渡る日の本製の磁器の丼でござる。高温にて焼き締められたことで水を弾き、堅牢無比。白磁の気品は膳の料理を一段と映えさせる見事なる逸品。"揚げられし豚肉を玉子と共に煮込み、熱々の白米の上に載せたる丼"や"蕎麦"など、多くの膳に相応しく、侍の甲冑のごとき強さと風格を備えた器なり。大きさは直径16.5分、高さ8.5分、重さ475匁。日の本の誇りを手元に迎え入れるべし。


❖ 過去の巻物

美味を求む饂飩侍、風の如く歩みし味巡礼の記録なり


❖ 饂飩美味紀行全集

饂飩道の記録(マガジン)、これにて全てが揃い申す



#おいしいお店 #うどん #食べ歩き #饂飩美味紀行 #ご当地グルメ
#福岡県 #福岡市 #城南区 #片江 #福岡グルメ #博多うどん
#福岡ランチ #片江ランチ #福岡グルメ #片江グルメ  
#ごぼう天うどん #牧のうどん
#Amazonアソシエイト #PR







麺の道は細く険しく
遠く彼方へと続く饂飩の旅路なり。

一椀の饂飩に込められし匠の技
その奥深き世界
未だ人知れぬ境へと誘わん。

”饂飩美味紀行”――それは、終わりなき味の冒険

諏訪武士(たけし)

いいなと思ったら応援しよう!