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【饂飩美味紀行】#45 ほり野の麺工房(福岡県那珂川市)
" 那 珂 川 の 流 れ の ご と く、滑 ら か な る 饂 飩 "
❖ 福岡県那珂川市の位置
福岡県那珂川の地は、筑前国に属し、南は肥前国と境を接する要衝なり。北は博多の城下町に隣り、東西には山々連なり、背振の嶺は西にそびえ、筑紫の丘陵は東に広がる。市中を那珂川の清流貫き、その恵みを受けし者、古くよりここに集い、営みを続けしなり。
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この地の北端には「博多南駅」なるものあり。これは現世にて新幹線と称する、さながら江戸にて言う早馬や飛脚のごときもの、かの鉄の車駆ければ、わずかばかりの間に博多の町へと至る。かかる利便のゆえに、この地は福岡の城下へ通う者の住まう地ともなり、商いをなす者、政を司る者の往来頻繁なるところなり。
また、南北を貫く街道あり。これ、筑前より肥前へ至る要の道にして、さながら江戸における長崎街道のごとし。旅人、商人、武士、諸々の者行き交う賑わいの地なり。西には深き山々、東には丘陵広がり、豊かなる森と川の恵み、農の民の糧を育み、猟をなす者の狩場ともなれり。殊に、那珂川の流域は「筑紫耶馬渓」と称され、その景勝、四季折々に趣を変え、旅人の目を楽しませるなり。
この地は福岡の城下に近く、利便と閑静を兼ね備えしゆえ、武士、商人、農の民と、さまざまの者が住まいし。都の喧騒を離れし隠れ里のごとき地なれど、往来の要として人の流れ絶えず、今に至るまで人々の暮らしを支え続けしなり。
❖ 店舗外観
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❖ 饂飩絵図
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❖ 饂飩膳の記録
◎ 空腹の侍、馬を駆る
朝餉を抜いたる身には、腹の虫が鳴くも道理。空腹を抱え、城下を発ちし拙者は、地図絵巻(Google Map)を頼りに馬を駆けること三十町余。目指すは、名高き饂飩の店、「ほり野の麺工房」なり。聞けば、老舗『麺や・ほり野』の二号店だとか。されば、試さずばなるまいと、鞍を叩いて馬を急がせた。
日はすでに南中を過ぎ、陽の光はやや傾く。空腹も極まり、腹の底に小さき風が吹くごとき心地となる。されど、ただ飢えに任せるばかりが侍の道にあらず。いかなる時も心を静め、己が舌にふさわしき食を求めることこそ、武士のたしなみ。ようやく辿り着いたる店は、暖簾が揺れ、客の往来も賑やかな様子。広き駐車場には馬を繋ぐも容易く、まずは上々の門構えと見受けたり。
◎ 食の札を巡る試練
暖簾をくぐるや、店の内は程よく賑わい、されど行列をなすほどではなし。さて、食の札を求めんと前へ進むと、そこに待ち受けしは、異形の機械。何やら「券売機」と称するらしきもの。札を求むるには、この鉄の機械に指を走らせ、幾度も押し進めねばならぬ仕組み。まさしく、初めての兵法を試すがごとき心得を要するものなり。
先に並びし老夫婦、難儀の末、ついには手を引き退き申した。侍たるもの、己が決めた道を引くことは許されぬ。さればと覚悟を決め、冷や汗を拭いながら、拙者もまたこの機械と対峙することとなる。思うように進まず、背後にはすでに長蛇の列。焦燥を抑え、心を鎮めながら、ようやく札を手にすること叶った。
無念なり、かつ面目次第もなし。しかし、戦は勝ちを得ればよい。今はただ、椀の到来を待つのみ。
◎ 饂飩一椀、侍の悦楽
座すことしばし、運ばれたるは、肉ごぼう天饂飩若布添えと、かしわむすび。
まずは、椀を手に取り、静かに湯気を眺める。削り節の芳しき薫りが鼻をくすぐり、心を静める。ひと口、出汁を啜れば、湯は熱からず、穏やかに舌を包むものなれど、その味わいは淡くなく、じんわりと身に染み渡る。これは、剛毅なる味ではなく、穏やかに心を整えるものなり。
続いて、箸を手に取り、饂飩を持ち上げる。見た目には柔らかく、今にも千切れんばかりなれど、ひとたび口に含めば、軟らかき中にも、芯にわずかばかりの矜持を残しおる。歯を当てれば、もっちりと舌を受け止め、喉を滑る様もまた、流水のごとし。
ごぼう天は、あとより乗せられたる仕立て。揚げたての衣はサクサクと軽やかに弾け、ごぼうの香ばしき風味が口いっぱいに広がる。これはまことに絶妙な取り合わせなり。かしわむすびもまた、鶏の旨味が米一粒一粒に染み渡り、噛むほどに味わい深し。
この一椀、一むすび。どれもが、侍の心を満たすものなり。
◎ 侍、さらなる饂飩を求める
椀を空にし、箸を置いたるこの刻、拙者は思うた。饂飩とは、ただの糧にあらず。旅人の心を温め、腹の内に静寂をもたらすものなり。
水を汲み、食器を返却所へ運ぶ。これもまた、侍としての礼節なり。店を辞し、馬を引きながら、ひとつの決意を固めた。
「次こそは、本家たる『麺や・ほり野』にて、さらなる味の奥深さを探らん」
かくして、空腹を満たした侍は、次なる戦場へと馬を駆るのであった。
❖ 店の評判帳
残念至極ながら、店の評判帳を見出すことが叶わず
❖ 詳細な絵図
❖ 饂飩道を嗜む者へ(宣伝)
九州の西方、青き海に浮かぶ五島列島。この地は古来より交易の要所として栄え、豊かな自然と独自の文化を育んできた。
その恵みを受けた「五島饂飩(ごとううどん)」は、ただの麺にあらず。
厳選した小麦粉を独自に調合し、五島の海塩と藪椿の純正椿油を加えることで、艶やかで滑らかな喉越しを生み出す。
名物「地獄炊き」では、熱々の饂飩を飛魚(あご)だしにつけて味わうのが醍醐味。夏は冷水で締め、より一層爽やかに楽しめる。
川口春奈を輩出した五島の地より届ける極上の逸品、ぜひご賞味あれ。
❖ 過去の饂飩絵巻
美味を求む饂飩侍、風の如く歩みし味巡礼の記録なり
❖ 諏訪たけしの饂飩美味紀行全集
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