【饂飩美味紀行】#36 資さんうどん 野芥店（福岡県福岡市早良区）
北 九 州 の 誉 れ、福 岡 三 大 饂 飩 を 担 う 名 椀
■ 福岡県福岡市早良区の位置
福岡市早良区――この地は福岡城下の西に広がり、北は町場の賑わい、南は背振山地（せふりさんち）の山深き風景へと続く広大な地域にて候。町と自然が見事に調和した、実に趣深き土地でござる。
北の西新（にしじん）は、商人や町人が行き交う活気ある市街地なり。店々が並び、人々の笑い声が響く様はまるで祭りの如し。その西に進めば、百道浜（ももちはま）という美しき海辺の地が現れる。ここは海風が心地よく、百道櫓（福岡タワー）の如き高き建物が空にそびえる。さながら天守閣を思わせるその姿は、訪れる者の目を奪い申す。
中央を流れる室見川（むろみがわ）は、背振山地を源とする清き流れにて候。この川は地域を潤し、川辺には四季折々の風景が広がる。春の桜、夏の涼風、秋の紅葉、冬の静けさ――その景色はいずれも風雅そのものにござる。
南に向かえば、背振山地の雄々しき姿が目に入る。この山岳地帯は古より修験者の道場として崇められ、また国を守る要としての役割も果たしてきた。険しき山路を進めば、自然の威厳と古の息吹を感じることでござろう。
早良区――それは町の利便と自然の静けさ、歴史の趣きを兼ね備えた特別な地なり。訪れる者には、心を癒す隠れ里のような安らぎを与えるでござる。
■ 店舗外観
■ 饂飩絵図
■ 饂飩膳の記録
うどん巡礼、心変わりもまた一興
旅人の腹を満たすは、一椀の饂飩（うどん）に勝るものなし。今宵は「牧のうどん」に向かいしが、いざ店先にたどり着けば、店主より「本日これにておしまい」と告げられる。暖簾は下ろされ、饂飩の香りは影も形もなし。時を誤るとは、旅人の痛恨事に候。
されど、嘆くこと勿れ。この福岡の地は饂飩文化の花咲くところ。目を巡らせば、すぐ近くに名高き三大饂飩処、「資さんうどん」が控えておるではないか。これもまた運命の導きと感じつつ、今日はこの地にて一椀を味わうことに決め申した。
黄金の出汁、侍の如く凛々たる一杯
席に腰を落ち着け、いざ注文を告げようとふとテーブルに目を移せば、そこには見慣れぬ「板の書物」。注文の道具まで進化したか、と驚きつつ、これを操り膳を所望せねばならぬようだ。
画面を触る指先は、まるで刀の鍔（つば）を探る侍のように慎重。誤れば、思わぬ膳を選び取る恐れあり。不慣れなる手つきながらも、画面を滑らせ、饂飩と丼を選び取る様はまさに一人前の筆遣い。かくして、「わかめ饂飩」と「ミニカツとじ丼」を無事所望し終える。
待つことわずか五分。膳は見事に運ばれたり。まずは饂飩の椀に「とろろ昆布」を載せる。この心遣い、粋にて感心至極。黄金の出汁を一口含めば、鯖や昆布、椎茸の旨味が剣の如く鋭く、後味には甘さが残る。この出汁、侍の心意気を映し出すがごとし。
麺と出汁が織りなす至高の調和
次に、饂飩の麺を手繰る。その柔らかさ、もっちり感、そしてのど越しの滑らかさ。これぞ、資さん専用の粉から生まれた技の賜物である。茹で加減も見事、出汁との相性も完璧なれば、箸を進めるたびに心が満たされていくを感じる。簡素な饂飩と思うことなかれ。これぞ侍の魂が籠もる一椀なり。
小丼がもたらす、至福の余韻
さらに饂飩に添えられた「ミニカツとじ丼」。これもまた侮れぬ一品なり。揚げたてのカツは香ばしく、ふわりと卵に包まれたその姿は、まさに饗宴（きょうえん）の主役。甘辛いつゆがご飯をしっとりと引き立て、箸を進める手が止まらぬ。小ぶりなれど満足感は大いなるもの。侍もこれには頷かずにはいられぬ。
次なる饂飩への想い
腹は満たされ、心は安らぎ、自然と次なる訪問の計画が頭をよぎる。
「次回は牛とじ丼を試してみるべし」
と心の中で呟きながら、福岡の饂飩文化の奥深さを改めて実感する。この地の饂飩は単なる一椀にあらず。粋、心遣い、そして味の三位一体なり。
資さんうどん、そのこだわりの味わいと心遣いは、饂飩国の粋を体現せり。
■ 店の評判帳
絵図帳(Instagram)にて情報あり
■ 食通評判帳
■ 詳細な絵図
■ 推奨取り寄せ(宣伝)
福岡の人気情報番組「ももち浜ストア」の名物企画「うどんMAP」が五周年を迎え、その集大成として編まれしこの書は、福岡市、北九州市、久留米市の名店を網羅した、まさに福岡うどんのバイブルにござる。過去四冊に掲載された名店情報を一堂に集め、福岡うどんの真髄を味わえる一冊となっておる。
されど、ただの総集編にあらず。「岡澤アキラ殿」の「思い出のうどんアワード」や、新たに注目されし店の報せ、名だたるうどん衆「豊前裏打会」の裏話など、特別企画も盛りだくさん。さらに、岡澤殿の秘話や「うどんMAPラボ」など、番組では見られぬ内容も満載なり。
福岡うどんを愛する者、手に取り、その奥深き魅力をぜひ堪能されたし！
◇ 過去の巻物
美味を求む饂飩侍、風の如く歩みし味巡礼の記録なり
◇ 饂飩美味紀行全集
饂飩道の記録（マガジン）、これにて全てが揃い申す
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麺の道は細く険しく
遠く彼方へと続く饂飩の旅路なり。
一椀の饂飩に込められし匠の技
その奥深き世界
未だ人知れぬ境へと誘わん。
”饂飩美味紀行”――それは、終わりなき味の冒険