【饂飩美味紀行】#35 だるまうどん（福岡県筑後市）
筑 後 饂 飩 の 神 髄、 麺 と ご ぼ 天 の 妙 技
■ 福岡県筑後市の位置
筑後市は、九州の筑後国に属し、国の南部中央に位置する要地にござる。南に肥後国（現在の熊本県）、西に有明海、北東には豊前国（現在の大分県）へと繋がる、交易の拠点として古より栄え申した。
特に市域を流れるは、筑後川（山の神とも称される九州最大の大河）。この流域の恵みにより肥沃な平野が広がり、稲作をはじめとする農業が盛んな地として名を馳せる。また西方の有明海は、干潟の幸に恵まれ、海の恵みも豊かに供された。
交通の面においても、南北を繋ぐ主要街道である長崎街道の分岐点が近くにあり、諸藩の物資輸送や参勤交代の往来の中継地としても栄え候。この地を通る旅人の休息所や宿場町も点在し、活気あふるる情景が想像されるでござる。
さらには、地元にて酒造りも栄え、その豊潤な味わいは江戸まで響き渡る評判を得たり。肥沃な土と豊かな水脈が織りなす筑後の地は、まさに天の恵みの賜物であるといえよう。
筑後市はこうした地理的・文化的な恩恵により、江戸の世においても重要な存在感を放つ地であったことは間違いないでござる。
■ 店舗外観
■ 饂飩絵図
■ 饂飩膳の記録
湯けむりの余韻と饂飩への誘い
温泉の余韻に浸りながら腹の虫が騒ぎ出す。求めるは温かき饂飩。地図絵巻（Googleマップ）を手に近隣を探れば、評判の饂飩屋が二軒。名物「ちくわ天饂飩」で知られる「だるまうどん」を選び、馳せ参じる。広々とした馬留め場（駐車場）に馬（車）を止め、湯気漂う店内へ。選んだのは福岡の王道「肉ごぼう天饂飩」と「かしわおにぎり」。
名物をあえて外す、その日限りの饂飩侍の心意気。
一杯の出汁に宿る職人の魂
膳が目の前に運ばれ、まずは汁をひと啜り。その瞬間、羅臼昆布、鯖節、鰺子、ウルメ節の芳醇な調和が舌の上で踊る。しっかりとした旨味ながら、後味は驚くほどすっきり。単なる「出汁」ではない。まるで職人の魂が注がれた一杯だ。紅一点の一味唐辛子をふりかければ、味わいに新たな風が吹き込む。この一碗を味わうたび、饂飩が持つ深さに感嘆を禁じ得ない。
饂飩の神髄、麺とごぼ天の妙技
饂飩を箸で手繰り寄せれば、その見事な艶に目を奪われる。福岡県産小麦「チクゴイズミ」と豪州産小麦を練り、三日間熟成させたその麺は、ふわっと柔らかく、それでいて噛むほどに心地よい弾力。これが筑後饂飩の真髄かと深く頷く。
さらに、「ごぼ天」は特筆すべき逸品。大ぶりに切られたごぼうは衣のサクサク感をまとい、噛めば香ばしさとほのかな甘みが口中に広がる。「だるまうどん」が誇る技の極み、これこそ饂飩屋としての奥義と見た。
愛情と心遣いが詰まった膳
「かしわおにぎり」にもまた感動を覚える。朝から一つ一つ丁寧に作られたその味は、柔らかさの中にしっかりとした鶏の旨味が滲む。米粒一つ一つにまで愛情が行き届いているのがわかる。さらに、物価高の折、店内で食事する客には無料で手作り惣菜を振る舞うという粋な計らい。これがあるだけで、食事の喜びは何倍にも増す。
再訪の楽しみ、未来の一杯
心も体も満たされ、次回への期待が高まる。「ちくわ天饂飩」をはじめ、冬季限定の「カキフライ」にも思いを馳せる。広い駐車場、温かな雰囲気の店内、そして一杯一杯に込められた職人の心意気。この「だるま饂飩」の暖簾を再びくぐる日が楽しみでならない。
■ 店の評判帳
絵図帳(Instagram)にて情報あり
■ 食通評判帳
■ 詳細な絵図
■ 推奨取り寄せ(宣伝)
この日清の饂飩は、西国（西日本）好みの風味を追求せし一椀なり。昆布と鰹節をふんだんに用い、出汁は上品にして深い余韻を残す仕上がり。饂飩そのものは、もっちりとした食感とつるりとした喉越しにて、食す者を魅了いたし候。
また、肝心の具たる「揚げ豆腐」は、ふっくらとして汁を吸い、噛めば口中に旨味が広がる「ジューシィお揚げ」にて、まさに絶品。この饂飩を極めるのは、別添えの「彩り七味」なり。山椒の香りが華やかに立ち、出汁と饂飩の美味をさらに高みに引き上げる妙薬といえよう。
その味わい、まるで江戸と西国の味覚が手を取り合い、饂飩一杯に和すがごとし。この「どん兵衛」、手軽な膳（インスタント）ながらその奥深さ、侮るべからず。
南蛮商アマゾンの黒き市、師走六日まで賑々しく催され候！
◇ 過去の巻物
美味を求む饂飩侍、風の如く歩みし味巡礼の記録なり
◇ 饂飩美味紀行全集
饂飩道の記録（マガジン）、これにて全てが揃い申す
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麺の道、細く険しく、果てしなく
彼方へと続く 白き饂飩の旅路なり
趣深き 御椀に注ぐ 一椀の 饂飩に込められし 匠の技
その奥深き 絢爛たる世界
未だ知れざる 境へと誘わん
饂 飩 美 味 紀 行――それは、”終わりなき味の冒険”