16勝7敗1分巨人の強さを分析してみた
こんにちは。今日は月曜日でプロ野球は休養/移動日になっています。
昨晩も劇的な勝利で連勝を6に伸ばした原巨人。
今日はチーム成績、個人成績を他球団と比較し強さを分析していきます。
チーム成績
※赤字はチーム平均値より良い数字。計の塗り潰しはリーグ1位
強さの理由①「得失点」
129得点はセリーグトップの数字。しかし打率は広島(.289)、DeNA(.277)に続くリーグ3位。つまり塁に出た走者を効率良く得点できている事になる。
攻撃面ではリーグ2位のヤクルトが巨人と近い数値になっている。
得点、盗塁、打率などの指標はかなり近い数値になっているが、攻撃面だと「本塁打」、そして失点と防御率はかなりの数字の差がある。
ヤクルトの本塁打数はリーグ5位。失点、防御率もリーグ5位の成績。
つまり、安打は出ているし、盗塁もするが本塁打での加点はあまりしていない。そして平均的に点を多く取られすぎていることになる。
巨人のヤクルトの対戦成績を見ても、他の球団に比べ多く打っているが多く打たれている(防御率5.11は対戦カード別では最悪)。
各球団の得失点差と順位を見てみる。
巨人(129-76)53点
ヤクルト(122-124)-2点
阪神(90-104)-14
DeNA(103-95)8点
広島(115-116)-1点
中日(93-137)-44点
得失点差が少ないと言うことは平均すると点差の少ないゲームが多いと言うこと。その中で順位が悪い=勝率が悪いと言うのは少ない点差のゲームを落としていることになる。
例えば3位の阪神は得失点差で-14なのに+8点のDeNAより順位がいい。
つまり、阪神は勝つときは少ない点差、負ける時は点差多く負けていることになる。逆にDeNAは得失点差の割りに順位が悪い(=順位の割には得失点差が良い)と言うのは、勝つ時は点差付けて、負ける時は少ない点差で負けていることになる。
顕著なのが広島。リーグ3位の得点数、リーグ4位の失点数、リーグ1位の打率、リーグ4位の防御率。実は2位のヤクルトより打率も防御率も良い。それでもヤクルトと3.5ゲーム差も出ている。
巨人にあまり触れなかったが得失点のバランスが良く、得点力というより、決定力という言い方の方が近いかもしれないが、点を確実に入れる能力に優れている。また防御率はリーグトップ。スタッツを見るだけで首位の理由が分かる結果だった。
強さの理由②「決定力」
では、①で説明した「決定力」をクローズアップして見ていこうと思う。
全チームはちょっと時間がかかるので、巨人、DeNA、ヤクルトの打点と得点上位10選手をまとめてみた。
巨人
DeNA
ヤクルト
この各チームの数字を球団別にまとめてみる。ここでは投手を除くとして上位8選手をピックアップしてみる。
巨人はDeNAやヤクルトに比べ打点を上げている選手上位8人の構成率は80%ほど。これは他の2チームに比べ10%近く低い。つまり、この10%が上位8選手以下、つまりベンチスタートの選手や日によってオーダーに入る選手で構成されている。得点も近い傾向になる。この数値は上位x選手の数を絞るとより顕著になる。
例えば上位6選手の場合。
8選手の時よりも数字に開きが生まれた。DeNAとヤクルトは上位6-8選手で9-8割の打点を上げているのに対して、巨人は8-5割と低い。つまり、一部の選手に偏って打点を上げているわけではないことが分かる。
もちろん出場機会による差はあるが、言い方を変えると出場機会が平均値に近く与らえていて、その中で多くの選手が打点や得点を上げていることが分かる。
打点に絞ると、現在打点トップはヤクルト村上の28打点。2位が巨人の岡本で25打点。両選手もちろんチームトップの打点数なのだが、同じチームトップでも村上をすぐに追い抜きそうなほど打点を上げている選手はヤクルトには少ないが、巨人ではその他の選手が岡本に追いつく可能性は、ヤクルトよりは高いと言えそうだ。
中軸以外でも打点が稼げる、メンバーを変えても打点が期待できる。これが巨人の決定力の高さと言える。
誤解を恐れずに言うと、数字の上では巨人は岡本、丸、坂本を欠場させても一定の打点/得点は期待できるが、他球団は上位数選手が欠場すると一気に得点力が下がるのである。
強さの理由③防御力
リーグ最小の防御率3.14を記録している巨人。今年は12球団どこも防御率が悪い傾向にあります。先発とリリーフに分けて分析していきます。
まず巨人の先発投手の個人成績
桜井とメルセデス以外はチーム防御率を大きく上回る数値です。
そして何よりすごいなと思うのがQSと平均投球回。
中継ぎの登板過多と言われていますが、その中でも田口以外は5イニング以上投げていて、QS率も高いです。桜井とメルセデスもQS率は50%と6イニング以上3失点以下を達成しています。
ではヤクルトと比較してみましょう。
同じくQSと平均投球回を見てみると、試合を作ると言う観点で計算できるのは小川、高梨、スアレス、次点で高橋奎でしょうか。
少し指標を変えてみます。
WHIPと言うのは1イニングあたりに許すランナーの数です。被安打、与四死球などで計算されます。ヤクルトはスアレスが四死球多いですが、平均でみると巨人とあまり変わりません。それでもWHIPに0.64も差が生じるのは被安打の部分でしょうか。
巨人の投手は平均して5回2/3以上投げていて(ヤクルトは平均4回2/3)、1イニングあたりのランナーも0.64人多く出している。9イニングで換算すると5.76人もの差になります。
ではリリーフを見てみましょう。これも6球団やるとちょっと大変なので、1位の巨人と2位のヤクルトのみまとめてみます。
リリーフはHやSで見られることが多いのですが、選手起用の影響が大きすぎるので今回は別の角度で分析します。HやSが見たい人はスポナビの個人成績を見てください。
ではまず巨人から。
24試合で高木は15登板、澤村、鍵谷、中川あたりも10登板以上となっています。ただここで注目して欲しいのが平均投球回。1イニング以下の投手と、ロングリリーフの投手とがしっかり分かれていますね。
右だと鍵谷、左は高木と中川が安定感があります。WHIPも1.1以下です。
澤村の四死球の多さが明らかですね。今はファームに降格しましたが鍬原、昇格したビエイラあたりも与四死球は多いです。
巨人と比べると、平均投球回は変わらないですが、先発が1イニング早く降板しているため登板数と投球回数にしわ寄せが見られます。
一番大きいのは被打率とWHIPでしょうか。リリーフの被打率.324は結構苦しいですね。特に登板数の多いマクガフ、石山、長谷川、寺島、近藤あたりが.280以上です。
登板数の少ない投手も含めた平均なので参考程度に考えて欲しいのですが、.324ってだいたい首位打者くらいの打率なんですよね。
17年DeNA宮崎が.323、17年西武秋山が.322、19年西武森が.329くらい。
今だと岡本が.330ですね。リリーフはずっと岡本と勝負してる見たいな被打率です。
梅野と清水にちょっと負担が偏ってるかなーと言う印象。
巨人も上位4人が登板数多いんですが、藤岡と宮国あたりが支えていますよね。シンプルに、2人で回してるのと、4人で回すのだと全然違いますし、何度も言っているように、先発が平均して1イニング多く投げているのでその分負担も減らせます。
まとめ
今日は少しマニアックな野球の見方を紹介してみました。
まとめると、巨人は野手も投手も平均的に強いんですよね。
数人入れ替えても同じように戦える。チーム力と言ってしまえば一言なんですが、この辺が負けないチーム作りに繋がっているんだろうなと思います。