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月報Okishima Life 2025.1 深場が少しずつ冬らしくなってきた&譲ってもらった網は仕立て直す
2025年の始まり
2025年は正月帰省の流れでタイのバンコクへ友人に会いに行ってから、少し遅めに沖島へ戻ってきた。戻ってきてさっそく、今年も安心安全な航行をよろしくお願いしに、弁天さんへ挨拶に伺い、翌日は汀の精にて若手落語家さんとの対談取材。さらに翌日は左義長立て、翌々日は左義長本番と、さっと、年始期間が過ぎ去っていった。
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エリ撤収
年を跨いでさらに壊滅的に獲れが減っていたエリの氷魚特採。それもあり、1月中頃に沖島は完全撤収。
他のエリアのエリは分からないが、沖島に関しては「雪が降り始めたら」「1月に入ったら」氷魚の漁獲はさらに減ると聞いていたのだが、まさにそういうことかと、現場を見て理解が出来た。(元々の獲れがそれなりにあったら、ぼちぼちは獲れてるのだろうが…。)
今回の琵琶湖一円の劇的な不漁において個人的に懸念しているのは、高齢化に『この激的な不漁』が追い打ちとなったこと。とくに年間通じてエリを操業している方々にとっては一番の稼ぎ時となるこの期間に稼げていなければ、相当メンタルがやられていてもおかしくないだろうと思う。後継者がいない高齢化してるエリは、これでもまだ続けていくか解体するかの2択が頭によぎったりしているのではないだろうか。年間通して他に得意となる時期があるのならば、まだ見込みもあるだろうが。
エリは解体してしまったら終わり。エリの棟数が減っていくと特採での注文数を琵琶湖一円で確保するのもより難しくなってくる。
自分自身、沖島のエリは残したい意思はあるので、しっかり不漁になった原因を分かる範囲で理解し、次年度以降に出来る限り尽力していきたい。
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沖曳き再開
エリの撤収が終わり、沖曳きが再び始まった。ここから4月末まで、スジエビ沖曳きは怒涛のように駆け抜ける。
ただ、未だスジエビが獲れ始めたような話を聞くことがなく、燃料代が一気に高騰しているのもあり、ひとまず近場で思い当たるような場所に様子を伺いに行ってみることにした。
久しぶりなのもあり、復習も兼ねて3つ網を曳いた。そしたら全くスジエビの気配がなかったわけでもなかったので、翌日から通うことに。
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深場に少しずつ冬らしさが出てきた
2日目以降、少しずつイサザやホンモロコといった魚に加え、スジエビの気配も濃くなってきた。深場が段々と冬らしさが出てきたと、少し安心した。そう思っていたのも束の間、悪天候続きで1月の沖曳きは5日操業で終了。『1月は10日出漁出来たらいい方』と言われてるだけ、後半から5日操業出来ただけでもよかった。
この調子でさらに真冬らしい琵琶湖になっていってほしいところ。
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譲ってもらった網は仕立て直し、はぎ網は再利用
最近休漁日を利用し、いく年か前にイサザを獲る用として使われていた綱を、一人スジエビ用に仕立て直してる。
背が2倍ほど高くてめちゃくちゃ網が多いので、それを減らす作業が大半。だいぶ古いものの、網自体はかなり綺麗なので、出てきた網ははぎ網として破損した時の補修用に取っておく。
網が買えなくなってきた今、こういった網がとても貴重なので手間と時間は掛かるが、大事に解体して再使用する。新しい網に出来る限り手をつけず、いかに継続させるか。
数年後、手をつけていない新品の網がある程度残っていれば、将来新しい網を作れるし、新規参入者が来てくれれば、譲ることも出来る。
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この網の取り除く予定量の1/3だけでもこんなに沢山。ここから糸抜いて、大きい破れは取り除いて保管する。
こうでもしていかないと、未来の漁業どころこか、自分たちの継続も危うい。
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ちなみにこの網には、今は珍しい旧の材料であるアミランが部分的に使われている。はぎ網としては全然使えるのでこれも保管。
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木ノ本にて
1月も終盤に差し掛かる頃、琵琶湖に関わる人(愛する人?)の集まりに参加した。湖北(特に市街地を抜けてから)は、どことなく心が落ち着くから以前から好き。
いつもながら、同志と思える人たちとご飯やお酒を囲んでいる時間はよかった。
僕自身、魚や熟鮨に詳しいわけでもないが、詳しい人たちの話を聞いて、それを実食させて頂いているだけでも満たされた。
湖北にはなかなか行く機会がないので、これを機に通えるようになったらいいな。ありがとうございましたっ!
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1年2ヵ月と2カ月の魚醤
絶賛発酵中の魚醤が1年2ヵ月モノと2ヵ月モノがある。見比べてみると、進み具合は一目瞭然で、順調に発酵が進んでることを確認出来てひと安心。
まだまだ理想の完成度には遠いかなと思うので、さらに放置しておきます。
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バンコクにて念願のヤムクンテン(川エビの踊り食い)
年始にバンコクに行った目的の一つに、ヤムクンテン(川エビの踊り食い)を食べるがあった。この料理を知った際、『スジエビ漁師として1度は食べなきゃ!』と思ったほどに衝撃を受けたのがきっかけ。
生の川エビを水槽から掬い、容器の中に香辛料とハーブとともに入れ、これでもかというくらいにシェイクして完成という何とも斬新な一品。
一口食べればむせてしまうほどに香辛料が強めだが、その奥に潜んでいるエビの旨味との相性が抜群で、ビールのアテに最高だった。
タイに行った際には是非とも食べてみて下さい!
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今回はここまで
1月時点では決して悪すぎはしない今年の沖曳き状況なので、ここから順調に深場にエビが固まってくれることに期待。
そして、内容がてんこ盛りなひと月だったけど、やっぱりこういうのがいいなーと。
では!