口腔アセスメントを知っていますか?(歯科医療者以外が簡便に使用できる口腔評価ツール)
1. 口腔ケア、口腔アセスメントの目的
近年、口腔ケアは、口腔機能の改善のみならず感染症の予防や栄養摂取、その他様々な効果が認められ、患者の回復過程やQOL向上において大切なもののひとつとなっています。そのため、歯科医療者のいない病院や施設においても、看護師や介護士などによる口腔ケアが重要となります。
2. 口腔アセスメントツール
口腔アセスメントツールの使用は以下のような利点が挙げられます。
・歯科医療者以外(看護師や介護士等)が簡便に口腔の状態を評価できる
・口腔の状態を数値化・言語化でき、スタッフ間の情報共有に活用できる
・患者個人の口腔状態に合った標準化された口腔ケアが実施できる
・医科歯科連携や歯科医療への橋渡しに活用できる
3. 口腔ケアアセスメントシート
信頼性・妥当性が検証されている口腔ケアのアセスメントシートはいくつかあります。ここでは2つ紹介します。
3-1. 日本語版Oral Health Assessment Tool(OHAT-J)
OHAT-Jは、Chalmersらによって開発された口腔評価ツールを松尾浩一郎先生らが日本語版にしたもので、多くの施設で利用されています。在宅や施設入所者の高齢者の口腔内評価のために開発されたもので、う蝕や義歯状況に関しても評価できます。
3-2. Eilers Oral Assessment Guide(OAG)
Eilersらによって開発された口腔評価ツールです。こちらも多くの施設で利用されており、看護領域では一般的な評価ツールです。OAGは、もともとがん化学療法患者の口腔内評価用紙として開発されたものであるため、口腔粘膜障害などの評価に優れたツールになっています。
4. 資料
安全で効果的な口腔ケアを目指して【口腔アセスメント(OHAT)・口腔ケアプロトコール(ケアプラン作成、ケア方法)】