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ココナッツプリズン

フーコック島の南部に、ベトナム戦争時代の収容所があり、公開されています。
もともとは、1946年のインドシナ戦争時にフランス軍により建てられた刑務所で、1954年にベトナム政府に返還されました。
その後、ベトナム戦争中は南ベトナムを支援していたアメリカ軍が北ベトナムの兵士を拘留するために再利用。
最大40000人を収容、4000人が亡くなられたとのこと。
収容所はぐるぐるに巻かれた鉄条網で囲まれ、20棟ほどの収容する棟があり、かつての様子が再現されています。

鉄条網の棘

ざっくり振り返ると、そもそもベトナムはフランスに占領されてしました。
第一次シンドシナ戦争のディエンビエンフーの戦いで、1954年にフランスはベトナムに降伏します。
ディエンビエンフーは、去年の秋に行ったところで、爆撃による巨大な穴が印象的な戦地。
中国とソ連が援助する北ベトナムと、アメリカが援助する南ベトナムに分かれて独立し、1955年から新たにベトナム戦争が始まります。
フーコック島のココナッツプリズンは、南ベトナムが北ベトナム兵を収容するための収容所として使われます。
ソ連とアメリカの代理戦争とはいえ、ベトナム人同士で拷問し合う地獄のような場所だったといえます。

ディエンビエンフーの戦いを描いたもの
逃亡しようとした兵士を拘束しておく檻
具体的な拷問を再現していた
捨てられたタバコが一番きつかった

お隣のカンボジアも、同様にフランスから解放されたものの、中国寄りのシハヌークとアメリカ寄りのロン・ノルで内戦状態。
大量虐殺で有名なポル・ポトはフーコックに侵攻したこともあり、カンボジアとベトナムの国境は、かつては緊張状態でした。

2024.10.8


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