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【レポ④】21世紀における罹患率と死亡率【ノーベルプライズダイアログ東京2019】

4部構成のノーベル・プライズ・ダイアログ。
第1部と第2部の間には、なんと尺八の生演奏が…(国際的なシンポジウムだからこそ 日本的文化をふんだんに取り入れたかったのだろうね)

今回からは『第2部:長寿化と科学』のレポです!

前回までのレポはこちら
『第1部:長寿化と社会』
人口高齢化を重視すべき理由
長寿社会における生き方
人に寄り添う革新的サイバニクス技術
21世紀における罹患率と死亡率

  

なぜ私たちは歳を取るのか

このテーマの講演内容をまとめると、

・科学的に「歳を取る」とは
→加齢による特性が出てくること。加齢の特性は、ダメージが積み重なって起こるもの。例えば身体的な機能低下。平たく言うならば 死のリスクが上がること を示す。加齢の原因となるのは「炎症」によるダメージの蓄積。加齢を定量する指標(マーカー)として、染色体末端のテロメアが挙げられる。

・加齢は死へのプログラムなのか?
→以前はそう言われていたが、これは間違いだとわかってきた。私たちは自分の体を修復したり再生したりするメカニズムを持っている。つまり、死へ向かうのではなく、生存するためにプログラミングされていると言える。

・進化と実際のギャップ
→私たちの体は、100歳まで生きることを想定して進化していない。例えば、本来子どもは若いうちに産んで育てるというものであった。つまり、種の存続に関わる生殖の役割は、若い次世代へと渡していくものであった。寿命が延びたことにより様々な役割も変化している。しかし進化には莫大な時間がかかるため、我々の体はそれに適応できていない状態。

・なぜ長寿化したのか
→個体にとって良いことと種の存続にとって良いこととのトレードオフの結果。このトレードオフが行われた結果として、今のような寿命を与えられている。

・健康寿命の重要性
→ここ100年ほどで、予期せざる形で寿命が延びてきた。なぜなら、加齢やダメージの原因である「炎症」が、医療の発達や栄養状態、環境の改善などにより減ってきているから。そこで、健康寿命をあとどれくらい延長できるのかが課題となってくる。

・動物モデル対ヒト
→マウスを延命させる研究が行われているが、その結果はいきなりヒトに当てはめられるものではないかもしれない。しかし、加齢の基本的プロセスについては参考にできるかもしれない。モデルシステムを使うことでも、炎症修復システムについてのより深い洞察をすることができると考えられる。

 

最後、人間の寿命はどこまで延びていくのか?という問いかけに対して、オリンピックの世界記録と同じように、記録を塗り替える人がいるだろうというユニークな返答。もしかしたら150歳まで長生きする人も出てくるかもしれないというお話で、時間切れとなってしまった。

科学的に「歳を取る」ことについてを、炎症や修復、染色体レベル、進化など様々な観点から聞くことができ、大学で学んだことの復習になったなという印象。

目新しい情報はとくになかったけれど、「歳を取る」ということが具体的にどういうことなのかを、科学ではない視点からも改めて考えてみるきっかけになったかな。

私自身も、歳を重ねることによる変化を感じてるよ。わかりやすく身体面だと、ちゃんと寝てないと次の日に堪えるし、お酒には弱くなったし、あーーーこれがお肌の曲がり角かと思うことも多々ある。でも、ネガティブなことばっかりじゃないなーと。社会的な立ち位置とかだと、学生から社会人へと変化したおかげで、自分の道を自分で自由に決められるようになった。(まぁそのぶん、責任も自分で負わなきゃいけないんだけどね)

正直、誕生日が近づくと「また歳取るのか…」って思うこともあるけど。私の周りにいる先ゆく人々(仕事の先輩とか人生の先輩とか)が、ありがたいことに尊敬できる素敵な方々ばかりなので。自分もあんな風になりたいなってロールモデルがいるから、歳を重ねるのは楽しみでもあるなぁと思えるようになりました。感謝。




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