見出し画像

種の毒性と酵素阻害剤…種は不老不死

はじめに

どうやらわたしは11月の中旬ごろ「星を追う子ども」を観ていたらしい。

食べ物を探していて芋を見つけるシーンがあってその会話が私にとっては驚きだった。

先生の「芋類なら毒があるかもしれない。念のため…」その言葉が終わらぬうちにアスナが「水で毒抜きします。」
そう当たり前のようにアスナは言った。

芋と毒、水での毒抜きそれらが当たり前の感覚かのように出てきていたので驚いてしまった。
なぜなら自分は知らなかったから。


芋と毒

じゃがいもの芽には毒があるとは知っていた。
けれど、緑色のじゃがいもの皮にも毒性があるとは知らなかった。
そんな芋も軽くピーラーでむいて使っていたのだけれど、たまにじゃがいもがエグ味というか苦味というか独特の風味がするときがあった。
あれはソラニンの味だったのだろう。

じゃがいもを水に晒すのはデンプンを流すためだと思い込んでいたけれど、安全に食べるための予防行為だったようだ。

ソラニン類は水に溶けやすい
熱によって分解はされない

この世の生物には生まれながらにして毒素を持っている種がいます。昆虫類や爬虫類、きのこ類や草木に花など、敵から身を守るために天然毒素を構築するのです。

じゃがいもに関しても例外ではなく、せっかく立派に育った実を天敵食べられてしまわないように、有毒な成分を自ら作りだしています。

ソラニン・チャコニンという毒

じゃがいもは、栽培中や収穫後、光にさらしたり傷をつけたりすることでストレスを受けます。そのストレスをきっかけに、天然毒素であるソラニン・チャコニン(ステロイドアルカロイド)を生成するのです。

その毒の大半は、じゃがいもの皮や芽の根もとから発生し、およそ8割の毒は、じゃがいもの表面上に形成されます。

小さいじゃがいもは実の中まで毒がある

小さくて未熟なじゃがいもは、皮から実までの距離がさほどないため、毒の影響を実の部分まで受けやすいと言われています。半分にカットしたさい、中が青い色をしていたら、ソラニンやチャコニンの毒が奥深くまで浸透している状態です。

皮や芽の根もとを剥いだのに、辛い、苦い、など味の変化を感じるのはこのためです。

そういえば、出先でフライドポテトを食べたときも独特のエグ味を感じたときがある。
過剰に心配する必要はないけれど、「あれ?いつもと違うな?」と違和感を感じたときには食べる量を控えるくらいでもいいのかも。


カリンの実

嫁いできたとき母家の横には立派なカリンの木があって、せっかくあるのだから…と初めてはちみつカリンを作ってみることにした。
そのときカリンの種には毒性があると知った。

昔の人の毒抜きの技

このアミグダリン自体には毒性は無いのですが、これらバラ科の未熟な果実(特に種子)を生食すると、体内で腸内細菌の働きによって分解され、最終的にはシアン化合物である青酸(シアン化水素)を生じます。

このシアン化合物が人間にとって有毒で、致死性の毒物であることから青梅や杏仁豆腐、カリン漬けなどを食べる際に毒性について耳にすることがあります。

冒頭でも少し触れましたが、カリンの生の果実は硬いうえに渋くてとても口に入れられるようなものではありませんし、カリン酒やカリンシロップなどを作る過程でアルコールや砂糖(ハチミツ)等によって毒性は分解されます

カリン漬けなどに種も一緒に入れている場合は、噛み砕かないように取り除いて使えば中毒を起こすような毒性は残らないので心配する必要はありません。


玄米と圧力鍋

昨日は官足法の2回目の施術の日で、施術中(あまりの痛みに悶えていても気にせず会話はつづいてる不思議な場で)食事の話になって「主食は何食べてるの?」と聞かれた。

「ここ数ヶ月は夕食のときに玄米を食べてます」と答えると、「玄米は毒があるから、体調悪くなってくるし、食べてると身体も冷えるよ」と言われた。そのときに「浸水させた水はちゃんと捨ててる?」とも聞かれた。

確かに胃腸が悪い人には玄米は良くないと知ってはいたけれど、わたしの中には「毒だし=玄米」みたいな感覚があってたくさん咀嚼でききることもあり、好印象の存在だった。

その方いわく、健康な人でも6年くらいで体調悪くなり顔色も悪くなってくるとのこと。

会話からは細かなことまでわからなかったので自分でも調べてみることにした。

玄米を上手に炊くには、かなり沢山の注意点があります。

玄米は、種のひとつです。

問題点① 酵素阻害剤の存在

種は、どのような種でも、必ず酵素阻害剤が種の周りをグルリと取り巻いています。 酵素阻害剤が種にある理由は、腐敗を防ぎ中の実を守るためです。酵素阻害剤があるため中の実は、いつまで経っても生きていられるのです。

この酵素阻害剤が種にあるため、種はいつまで経っても酸化しません。種は半永久的に腐敗しません。それ故、種を乾燥した引き出しにしまっておくといつまで経っても腐らず生き続けます。種は不老不死なのです。 缶詰に似ていますが、その超強力版といえます。

その酵素阻害剤の存在する種をそのまま飲んだり食べたりすると、膵臓がん【その他のがん】になる可能性があります。 そこで、酵素阻害剤を解除する必要が出て来ます。

玄米や、小豆や、大豆なら長時間の浸水が必要です。種が大きいからです。長時間の浸水によって、種は代謝され無害なものになります。小豆と大豆の浸水時間は12時間。玄米は17時間で解除されることが判明しています。玄米は、17時間の浸水が必要なのです。17時間浸水で玄米は発芽して酵素阻害剤が消えます。発芽により無害なものに代謝されるからです。
玄米は、それ故酵素阻害剤を消す作業が必要なのです。

浸水以外の方法は圧力鍋を使うと酵素阻害剤は消えます。しかし、今度はアクリルアミドの害が出て来ます。圧力鍋は、アクリルアミドと言う大変な毒物を出すのです。アクリルアミドが出るため圧力鍋は使いたくない。そこで、玄米は17時間浸水が理想的な酵素阻害剤を消す方法となります 。

アーモンドやナッツやピーナッツはローストでも消えます。イチゴ、キウイフルーツ、胡瓜、ナス、トマト、おくらの種は食べても無害。極めて小さいからです。


ちょうど良い例として我が家での実体験があります。
うちでは玄米の毒性を知らないまま軽く洗った状態から浸水させ時には水を入れ替え、時には水を入れ替えることなく、そのまま圧力鍋で炊いていました。

最初は私だけが玄米を食べていて、特に不調は感じていませんでした。
途中から夫も玄米を食べ出したのでそこから夕食は玄米と白米を炊くようになり、夫は一杯目(一膳目)は玄米、2杯目は白米となり、こどもたちは赤ちゃんの手に乗るくらいの量の玄米を食べあとは白米を食べていました。
そのときは特に誰も不調を訴えていませんでした。

ところがある日の夕食後、夫が軽く嘔吐したようで、何か当たったかもと言い出して、けれど同じ食事内容だったはずなのに他の家族はなんともなくて、「何が原因だろう?」とその日は首をかしげて終わりました。

そのあとで玄米の毒性の話を知り、夫の嘔吐は玄米の毒だったと気付きました。
なぜならその日は時間がなかったため五分づきの玄米を炊飯器で炊いていたからです。

夫は油の質が悪くてもお腹をこわしたりするのでうちの家族の中では一番胃腸が悪くデリケートなセンサーの持ち主でもあります。

今回はそのデリケートさのおかげで毒性を実感することができました。
(夫に言ったら怒られそうですが)

施術してくれている方が言うには「玄米は冬には良くないよね。癌の治療で玄米食べる場合もあるけど、ずっと食べ続けは良くないよね。」とのことで、身体の声をききながら調整していくのがいいとう考えのようでした。

改めて本質を知るまたは理解する難しさを感じます。
小豆や大豆、玄米は柔らかくするための工程として浸水が必要なのだと思っていたし、
アーモンドをローストするのは香ばしくするためだと思っていました。

基本的にわたしは自分のことがあてにならないなと思っているのですが、自分の思い込みがこんなにも本質的なことからかけ離れ乖離していたことに正直びっくりしてしてしまいました。


おわりに

なんだかいろんな情報があって何が正しいかなんて正直わからない。
万人にいいものなんてあるはずもなく、結局は自分の身体で試して確かめていくしかないように思う。
あとは長年の経験を培ってきた人の話の体験談を聞くこと。
各家族になり伝承し継承していくことが難しくなった時代。
伝承や継承は日々の生活の中にあり、それらは真似ることからはじまるのだから実体験は必要不可欠で、生活を共にしていないなかでの口伝や情報だけでは、本質がどんどん抜け落ちていくように思う。


種には種の保存のためシステムがあって
防御のための毒がある。

人間はどうなんだろう?
人間にとっての種の保存のためのシステムはなんだろう?
人間にとっての防御のための毒とは?

そんなことを考えているのだけれど、まだ何も浮かんでこない。

いくつか疑問は浮かんだので、また何かの拍子に急に繋がるかもしれない。
今はただその疑問を浮遊させておこうと思う。


おまけ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?