見出し画像

2023年 サンフレッチェ広島 シーズン振り返り

久しぶりの更新。
転勤で見知らぬ田舎町にほっぽり出された上に、リアルタイムでの観戦が難しくなり更新意欲が喪失。。シーズン終了後に全体の振り返りで纏めておけば良いかとも思った。(なので開幕前にまとめておこう👍)
23シーズンの後半戦(加藤が初出場となった22節以降かな)は広島の戦い方が変化していて、それが2024年のベースにもなると思う。

ありがとう、ナッシム

その前に、既に24シーズンのスカッドがほぼ決まった中で、推しメンの1人であったナッシム・ベン・カリファの完全移籍での退団が決まった。彼のことを少々。
インスタグラマーである彼はいつも旅に誘う。鹿とイッヌと桜並木が似合うスイス人Jリーガーは彼以外思い付かない。(そもそもスイス人のJリーガーって何人いるの。。。)
個人的な統計により、サッカー選手は陽のオーラで構成される。
つまりスポーティでワイルドで筋肉質でコンタクトレンズ。に対して彼は俗に言うナードより。まるでブリットポップのVocalのような丸眼鏡に流行りのオーバサイズな衣類を嫌味なく着こなす姿からは知的さが溢れ、自宅の寝室にある観葉植物に水をやる光景が思い浮かぶ。また彼はとてもフレンドリーな一面もあり、私は直接会って話したわけではないが、SNSを通して彼のファンサービスの対応の良さが伝わってくる。
そんなBADHOPよりも舐達麻な彼について本業での特徴を触れておくと端的に表すと献身的で狡猾的。味方のために走るプレーを継続して行う傍らデータには残らない相手の嫌がるプレーをジワジワと行う。そのせいで1回パンチ貰い、そのお陰でタイトルを、、略。トップの位置でボールをおさめること、ダイレクトプレーで技術の高さの証明だ。まともなシュートチャンスが無いので得点は伸びていないがシュートは勿論も上手い。ホーム浦和戦は痺れた。
彼がスタメンで起用された試合は、いわゆるスキッベ監督の広島っぽい前線からハイプレスを掛けて前のめりな内容となるので見ていて面白かった。福岡ではスタメン勝ち取って広島戦以外でゴール量産を期待する。
トイストーリーのウッディに似ていると密かに思っているので、新しいシリーズが出る度に君のことを思い出すだろう。

現地行けた柏戦の前半キックオフ直前の円陣後。荒木(顔が)ヤバいだろ。

戦績、振り返り

更新が止まった22節以降の戦績は以下の通り。

22節 AWAY vs湘南 0-1● ★加藤初出場  
23節 HOME vs浦和 2-1○ ★満田復帰マルコス初出場
24節 HOME vs川崎 3-2○
25節 AWAY vs柏 0-0△
26節 AWAY vs鳥栖 0-2○
27節 HOME vs神戸 2-0○
28節 AWAY vs京都 0-1●
29節 HOME vs名古屋 3-1○
30節 HOME vsC大阪 0-0△
31節 AWAY vsFC東京 1-2○
32節 AWAY vs札幌 0-0△
33節 HOME vsG大阪 3-0○
34節 AWAY vs福岡 0-1○

エース満田を怪我で欠いた11試合の戦績は2勝7敗2分。(ちなみに満田が出場した試合は15勝3敗5分 あくまでデータだけど)
前半戦に優勝争いをしていたチームが急降下。さらに10番森島の名古屋への電撃移籍でどん底に。しかしその後加入した加藤陸次樹・マルコスジュニオールの活躍とピエロスのようやくの適応もありシーズン終盤は勢いを取り戻した。
最終的には2シーズン連続の3位となり、前半戦で負けた上位チーム(神戸、浦和、名古屋)にしっかりリベンジできたことは評価できる。
また22シーズン終盤失速してなんとか3位を死守した状況とは異なり、今季は満田復帰以降は8勝3分1敗、上昇しながらの3位。シーズン終盤のJ1で1番強いチームは、贔屓目抜きに広島であったと思っている。

広島が23節以降勢いを取り戻した要因としては、満田の復帰はもちろんだが、加藤、マルコスの2人の加入が大きい。2人の加入に伴い攻め方にも変更があったように思う。

守備からリズムを

スキッベ監督の2期目となった23シーズン。広島はやはり前線からの強度の高い守備からリズムを作るチームであった。対面の相手を徹底的に追い掛けるハイプレスで高い位置でボールを奪うと、守から攻への切替が早くシュートまで攻撃を完結させる。もはや十八番となっているこの形については、リスク承知でプレスを最優先するため掻い潜られれば、人数のバランスが悪くなっているDFの隙を突かれ大ピンチに繋がるが、佐々木・荒木・塩谷の鉄板3枚の質で対応する。

満田がIHに入るときは、2度追いができるので、チームとしてプレス強度を維持した状態で、WBの選手が相手WGをマークできる形が生まれやすくなった。ハイプレスにおけるキーマンは満田であった。

満田離脱以降はプレス強度はもちろん落ちる。流れる紫の血が選手を駆り立てるが、夏は暑い。そりゃキツい。少し遅れてDFラインの数的不利を質で支えてきた塩谷も怪我で離脱。前線・後方で広島のスタイルを支えてきた2人の離脱と同時に順位も下降の一途。
さらに相手チームが潔く後方からのビルドアップを放棄し、広島の強みを消すプレーをするようになったことも響く。Away浦和の戦い方とかクレバーだった。

前半戦の攻撃。

前述の通り、守備(守から攻への切替)がこのチームの特徴である。
ではボール保持の局面ではどんなサッカーか。
端的に言えば前半戦は「ムービング」、後半戦は「正攻法、時々ムービング」とでも言っておくか。

まず広島には3人の外国人CFがいる(いた)。
・インスタがトレンディなナッシム・ベンカリファ
・広島のオバマ大統領ことドウグラス・ヴィエイラ
・ピエロスのイケメンキプロス・ソティリウ(わざと)

広島は1トップシステムを基本とするため、上記3人中1人を選んで起用することになるが、前半戦はナッシムが1st選択、後半にヴィエイラと交代する運用が基本。
ナッシムはピッチ中央から左右・前後のスペースを見つけ移動、DFのマークを外してボールを受け、そこから味方とのコンビネーションで攻撃を前進させる。
味方の左右のCBがボールを持ったとき、彼は中央からサイドに向かって斜めに走って相手DFラインの裏や、サイド側でボールを受けるプレーを多用する。
そして彼が空けたスペースに森島、満田、川村と走力に特徴のある選手が動く。ナッシムはレイオフでボールを預ける等、人数を掛けて全体で前進、サイドのポケット狙いにいく。この関係性が前半戦の広島の前進の肝となっていた。

例えば左WBの東が低い位置に構え左CB佐々木からパスを引き出し、開けた前方スペースに森島が入る。さらにその前のスペースにナッシムが流れ起点を作り、そしてDMFの川村が急所を狙う。よく見られた攻撃の形であった。

川村の活躍が目立ったのは、彼自身がスペースへ走りボールを受ければフィニッシュまで持っていく推進力に強みがある選手であるため、ダイアゴナルナッシムで生まれる中央のスペースに走り込めた。
 
しかし上記のナッシム戦術で深刻な得点力不足に陥った。

得点力不足

得点が入らない要因は何点かある。
ナッシムがサイドに流れてコンビネーションで相手の最終ラインを地上戦でブレイクできる形があれば良いのだが、まずそれが無い。
早い攻撃でサイドを取ったがクロスを上げる時にCFのナッシムがゴール前にいない。結局崩しきれず単調なクロスを悉く跳ね返される、そんなシーンがよく見られた。
またIHに入る森島は得点力のある選手ではなく、周りを活かすのが上手い選手。22シーズンのチーム内得点王である満田と組ませることで価値が上がる選手であっただけに、満田の離脱はここでも響いた。

よくデータを引用し、広島は「シュートが圧倒的に多いが、点が取れない」とあたかもシュート精度に問題があると言うミスリードが聞こえるが、単純な話ではなく戦術的な問題もあったと思っている。別に監督が悪い訳ではない。選手がいなかった。

後半戦、衝撃の加藤陸次樹

後半戦は、CFの1st選択がピエロスまたはヴィエイラとなった。2人はナッシムと違い中央にどっしり構えてボールを要求することが多く、収まりも良い。そして同時に2列目IHで起用される加藤・マルコス。 

特に加藤は驚きだった。シャドーでの起用が多かった加藤だが、器用でボール扱いが上手く身体も強いのでボールロストは少ない。自身の1つ前で位置取るCFが1列下がって受けようというプレーに呼応し、自身は最終ラインの裏を狙うこともできる。
そして点が取れる。シュート技術が高いことは、G大阪戦のシュートを見れば分かるし、シュート体制に持ち込む反転技術、ゴール前での落ち着いた切り返しなど、”得点するためのプレー”がとにかく上手い。こんなストライカーを待っていた。

シンプルな5アタック

前述のナッシムシステムは、攻撃の選手がデフォルトの持ち場を離れて味方を追い越すように動くことで、マークのズレやスペースを作る戦い方でスキッペ体制2年目はこの傾向を強めた。がシュートは打てるが得点が少ない。
ヴィエイラやピエロスが中央に入ることで、もっとシンプルに相手4枚に対し5枚で殴る戦い方を採用。背景にはIHとして配置された加藤とマルコスの存在が大きい。
2人に共通しているのは良い位置にポジションが取れ、ドリブルでの打開、決定的なパス、フリック等でアクセントも加えられる。そして点が取れる選手であった。
森島・川村・満田の機動力で縦横ナナメにポジションを動いて強みを発揮する選手とは少し毛色が異なり、2人の特徴が活かされることで、動きは少なくセオリー通りのハーフスペースでのパス要求を可能にした。結果として正攻法の5アタックが成立する。
27節の神戸戦では、前半4バックで構える神戸に何もさせず、後半に相手は対策としてミラーシステムを採用するほど、広島の試合だったと言える。

さいごに

24シーズンについては、取り合えず過去一番期待しているとだけ書いておく。
選手の質UPで可能となった5アタック。それをハイプレス&速攻も健在であり、更に、ここだけの話、後半に点が欲しい場面で、前線にヴィエイラ&エゼキエウ&マルコスを同時起用して、理屈抜きのブラジリアン柔術で仕留める雰囲気も23シーズンで確認できた。(しかもこの3人が揃って控えに回る可能性すらある選手層の厚さ。)
満田・川村の代表経験コンビが中央で構え、最高峰はリーグ屈指の3CB+日本代表のGK大迫。
しかもしかも、5バックで構えたら右WBは元大学№1DFの中野。左WBは新選組風イケメンの志知。堅いよこれ。

唯一の不安は、DMF本職がいない。新ユニフォームが一番よく似合う野津田には期待しているが満田にポジションを取られた状態が続いていたので奮起してほしい。
小原にはDMFで繋ぎ役を期待していたが、キャンプの試合見てるとやはりドリブラー要素が強いのね。⇒IHのレギュラー争い熾烈過ぎる。。

この投稿を最初に書き始めたのが最終節のアビスパ戦の後だったが、面倒になって先週まで放置してしまった間に、ナッシムが移籍するわ、大橋来るわ、状況が目まぐるしく変わる変わる。。(はやく書くべきだったと後悔)
来季も更新していこうと思うが、簡略化して殴り書きスタイルで続けようとは思う。リアルタイムで見れる試合が5試合くらいだと思うが。。
2節FC東京戦は仕事休めるか交渉するしかない。。


 


  


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?