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Photo by
mayumingo17
寝られて風呂入れて、当たり前やない
すっかり春めいて
もうすぐ桜も咲く
桜並木で有名な川沿いの道を歩く
汗ばむほど
木陰に茶髪の若者が二人
通りすがりに話し声が聞こえる
「寝られて、風呂入れて…当たり前やないんや」
年長の短髪の若者が、向かいに座って長髪にフードを被った猫背の若者に話し掛けている
そう
普通は当たり前じゃない
普通に暮らせるのは
ありがたい
巷に溢れる
知ったようなそんな台詞
でも
目の前で
本当の言葉で語られて
耳の奥で何度も繰り返されて
ずっと消えなかった