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【月一読書】夜は短し歩けよ乙女

年の始めに「今年こそは月一冊は本を読むぞ」と意気込み、春の訪れに押し出されるカタチで毎年どこかに消えていくスポンジの如き弱き意思の持ち主である私。

しかし今年からの私は本気も本気。
スポンジを卒業してコンクリートまではいかずともペットボトルくらいの程々な意思で月一冊の決意を果たしていきたい。

今月の一冊

そんな私が1月の一冊目に選んだのは【夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦】です。
小説にわかの私でも知っている恋愛小説の大傑作ですね。

物語のあらすじは以下の通り。
『後輩の女子に思いを寄せる大学生が、自分の存在をなんとか意識づけるべく、偶然を装って彼女の目にとまるように心がけ始める。その作戦を遂行する中で、彼は夜の京都を歩き回る彼女の好奇心に振り回されるのだった』

※以下ネタバレ※


大まかに4編で構成される当書は黒髪の乙女と先輩の2人で語られます。
どこか非現実的で不思議な出来事が京都を舞台に巻き起こり、2人の近いようで遠い関係が季節を追うごとに近づいていく、そんな物語でした。

独特な比喩や形容が多くキャラクターの癖が見て取れる語りで前半は読むのが大変で、人を選ぶ本でもあると感じました。
(note最初の語り口調は完全に影響されています笑)

慣れてくるとそれぞれの編ごとに起承転結の承辺りから良いリズムで読めると思います。


個性豊かな登場人物も魅力的でしたね、文化祭編が私はお気に入りです。ご都合主義バンザイ!


そして最後にはデートの喫茶店でそれぞれが体験した出来事を知りたいと互いが語ることで、読み手が読んできた2人の語りは2人が喫茶店でお喋りをしているような、はたまた幸せになった2人が当時を思い出して話しているような結びになっていて、傑作と言われる由縁が分かったような気がします。


デートで出てきた進々堂(実際の店舗は違う)
絶品フレンチトースト

おまけに、作品ラストに出てきた進々堂に去年の春に訪れていたので写真載せました。

いつか作品に出てきた京大北門店にデートで行ってみたいですね。

私も夜の先斗町で身包み剥がされ、夏の古本市で火鍋に悶え、文化祭で屋上から転落して、病に伏して空を飛んでみようかしら。

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