モエレ沼公園(札幌市)|都市と自然のあいだにある「余白」
2024年7月。
毎年5月に写真展を開催している仲間たちと北海道へ行きました。
みんな肩からカメラをぶら下げての写真合宿。
札幌を起点に「行きたい場所」をみんなで出し合い、3泊4日の日程を最適化。
ぼくは「モエレ沼公園」をリクエスト。
ずっと行きたいと思っていた場所。
かつては、不燃ゴミの埋め立て地として利用されてきたゴミ処理場。
札幌市のオファーでイサムノグチがこの地を訪れたのが1988年3月。
「人間が傷つけた土地をアートで再生する。それは僕の仕事です。」
とノグチは言ったそうです。
「公園全体がひとつの彫刻作品」という考え方でマスタープランに着手。
8ヶ月後のノグチの誕生パーティでは、ノグチの設計による2000分の1の模型が披露。
とんとん拍子に事業が進む中。
その1ヶ月後、ノグチは急病で他界することとなります。
ノグチのマスタープランを受け継ぎ、札幌市は造成を続行。
ノグチの死から17年後の2005年にグランドオープン。
まさに遺作。
ノグチが言うのは「ひとつの彫刻作品」。
いつか、そんな視点でモエレ沼公園を眺めてみたい。
そんな夢が実現しました。
うれしい...。
「海の噴水」や「モエレビーチ」など、老朽化でメンテナンス中の施設はあったものの、自分なりにノグチの視線を追いかけてみました。
曇り空の下、彫刻作品の視点で眺めたモエレ沼公園です。
モエレ沼公園|読後感
例えば、茨城県の「ひたち海浜公園」のようにネモフィラやコキアで埋め尽くす。
例えば、美瑛町の「四季彩の丘」のように、美しい花壇を整備する。
そうした観光地的な都市公園のアプローチではない、彫刻作品。
オーバーツーリズムとはちょっと無縁、ゆったりと風が吹いている丘。
都市でもなく、自然でもなく、そのあいだにある「大きな余白」。
ただのだだっぴろい芝生。
なだらかな丘の稜線を眺めながら、そんなことを思いました。
余白は必要だなぁ。
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