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Covid-19×医療・介護×建築 -コロナは医療・介護そして建築をどう変えるか-

コロナが医療・介護に及ぼす影響について考えてみたい。

現在は、病床の逼迫、医療従事者への負担増・リスク増、風評被害・・・など、直接的な影響は沢山ある。

これらが建築やその周辺へ与えている影響も当然ある。コロナ対応という機能が、病院というハード、業務というソフト両面で新たに必要になってきており、特にハードに関しては、建築としてこれらに対応しなければならない部分があるのだろう。コロナ患者専用の病床や、通常患者とは異なる外来動線、より厳しい換気や衛生対応ができる設備やシステムなどがそれらに該当する。そして、それらを運用するための人やオペレーションの仕組みといったソフトなども、合わせて必要になってくるいる。

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しかし、注意しなければならないのは、これらが一時的なものなのか、恒久的なものなのかという事である!

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もしも一時的なものであるならば、対応も一時的にしか必要にならないので、これまでの建築の様に一度作ったら変えられないもので対応してしまうとコロナが過ぎ去った時に(仮に過ぎ去ることがあるなら)、それらは不要なものになってしまう。

その見極めをしなければならないのではあるが、2021年6月現在では、ワクチン等で集団免疫がつくことで、近い将来、元に戻るのではないかと考えている人、つまりコロナ対応は一時的なことであると考えている人が多いのだろう。つまり上記の対策は、建築側での対応までは不要(建物をいじったりまでは不要)であるという考えが一般的なのだろう。今後、コロナが更に広まったりして収束の見通しが立たなくなるなどの状況にならない限り。。。

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では、建築的には特に考えることは無いのだろうか?

そんなことはない!と思っているので、ここではその事について考えていく。

まずは、少し視座を上げて、これまでのトレンドに対して、コロナがどんな影響を及ぼしているかを考察してみる。

コロナ前に、医療・介護領域ではどんなトレンドが起こっていたか、改めて整理してみる。

厚生労働白書では「障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に」というテーマが掲げられ、「入院から通所へ」「一億総活躍社会」「地域での支え合い」「予防医療」などといった言葉が並ぶ。

これは、これまでの様に、病気になったら施設へ入り・・・ではなくて、「病気になってもそれと向き合いながら地域で暮らし続ける。そしてもそもそも病気にならない様にしよう。」ということである。地域包括ケア予防医療などが大きな軸として見えてくる。

ちなみに、これらの背景として、国や自治体の財政がもはやどうしようもなく逼迫している状況であることも忘れてはならない部分である。

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では、これがコロナによってどんな影響を受けているのだろうか?

まず、最後の財政逼迫の話であるが、今回のコロナによって、10万円の給付や、企業への休業支援、ワクチン調達、医療事業者への支援・・・など、莫大な財政支出が行われており、財政逼迫は更に加速してしまっている。

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これは、将来の国民の医療・介護負担が今以上に増大する事を意味しており、より、病院に行けない、施設に入れない、保険に入れない、病気になれない、という人が増えることに繋がる。

つまり、これまでのトレンドを加速していると言える。

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次に、地域包括ケアについてである。

これまでは高齢になっても在宅で過ごしながら、通院・通所して地域で暮らし続けるということが推進されてきた。

けれども、コロナにより、リスクが高い病院・診療所や施設には行きたいくない、もしくは先方の都合で行けないという人たちが増えて、その代わりに、かかりつけの医者や介護事業者に家に来てもらうという状況が発生している。今まで家から外に出てサービスを受けていたのが、外から家にサービスに来てもらう方向に社会システムのトレンドが変わってきているのではないかと思っている。

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また、遠隔医療や医療品・薬などをEC購入することも増えつつあると感じている。今までは直接会わないと診察できないとか、薬を処方できないなどが当たり前の考えであったが、コロナによってそれが当たり前ではないという事が判明した。既存のシステムを守りたいという無意識で根拠のない考えに固執していた事が分かり、逆に自分たちも直接会って罹患するリスクを減らすことができたり、対面の時には当たり前だと思っていた作業が無くなるなど業務が効率化できたり、また通院しなくても良い事で助かる人がいるなど、様々なポジティブな面を見られる様になってきている。

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そして、CocoaやLINEなど裏側ではコロナ患者を特定・追跡できてしまうアプリも、これまでなら絶対に許可されなかったであろうものだが、利便性・社会的養成の方が優先されて導入されることになり、この辺りも法律やルールが柔軟になってきている事を示している。

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まとめると、施設などには頼れなくなり、自分でなんとかしなければならなくなるというこれまでのトレンドはより加速されるのだが、地域の施設に出かけていくのではなくて、自宅に色々な人たちに来てもらったり、遠隔で外部施設に繋がったりする新たな方向にシフトしつつあるというのが今の状況である。

そして。

建築はこれらに対応する必要がある。

今は医療・介護の機能は地域に分散している。けれどもそれが個々の住まいに必要になってくるのである。

では、単に医療機器や介護機器が家にあれば良いのかと言うとそうでもない。これまで一箇所に集中的にあった機能を、あらゆる場所に分散させることはかえってコストアップになるし、それらの費用を各自に負担させられるものでもないからだ。で

は、どうやって個々の住まいで、それら医療・介護活動が出来る様にするのか?ここが課題ではある!

まだ答えはない部分ではあるが、こここそこれから作り上げていく必要がある部分である。

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例えば。※ ここから妄想・・・

基本的には遠隔医療・介護で、常に病院・介護施設と繋がっている状態。

見守りと医療・介護の機能を切り分けて、見守りはオンラインで行う。

必要な情報は個人情報に配慮した形で、24時間モニタリングされて、データ上で異変がないかがチェックされている。異常を捉えて必要な時にだけ、必要なサービスが届けられる。それもオンラインで対応できる場合はオンライン、リアルな処置・検査などが必要な場合のみサービスがやってくる。

そういったモニタリングの機能が家には必須になる。

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ちなみに、オンラインで外部で繋がることの今回のコロナによってその価値がかなり認知されてきている。それは全世代に対して言えることである。自宅で過ごすことになり、孤独や寂しさという事が問題になるが、ここはオンライン化が解決してくれる。離れた子供・孫ともいつでも繋がれるし、自分と趣味・趣向があう人たちはどこかにいるはずで、そういった人たちとの交流も可能になる。これは今回多くの人が感じた価値であり、これが当たり前になるのであれば、きっと楽しい毎日になるはずである。

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そして、リアルなサービスがくる場合に、彼らを家にスムーズに入れることが必要。今は玄関でインターホンを鳴らす、事故の疑いがある場合は警察に連絡して・・・これではスムーズとは言えないので、中の状況によって対応するサービスに対しては家は彼らを自動で招き入れる事が求められる。

色々な介護サービスや宅食やお掃除サービス業者などに対しても同様だ。

そして、家を瞬時に病院化(治療環境を整備)するためのインフラ整備、全てを病院から持ってきて・・・・ではなくて、電源(200v、非常電源・・・)、純水、お湯、消毒、・・・といったインフラ系は家のそば/もしくはコンセント(?)まで来ている状態、あとは病状にあった機器を繋ぐだけ。そして必要な医療器具などは、日用品の様に足りないものは日々届けられてストックヤード(冷蔵庫の様な場所)にあると言う状態になる。

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この様に、医療・介護に関しては、コロナによって影響を受ける部分が多い。

特にこのトレンドへの影響については、かなり強い影響だと思っており、コロナ後も変わらないはずであるので、なるべく早くに検討を進める必要がある。但し、社会システム全体に関わる話でもあるので、1企業、1個人でできることも限られるかもしれない。。。それでも出来る部分から手をつけることで、先行者優位を得られるはずだと思っている!!!


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