[介護福祉事業者のための採用~雇用定着マニュアル⑤】
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「応募がこない」の解決策
☑知らない会社には応募しようがない
突然ですが、1つ課題をださせてください。
Googleで検索をして、あなたの事業所の求人を見つけることはできますか?
もちろん、「事業所の名前 求人」というキーワードで検索するのはNGです。なぜなら、よほどの大企業でもない限り、社名を入れた形で求人を探す求職者はいないからです。
ですので、「訪問介護 求人 札幌」「サービス提供責任者 求人 江別」「福祉事業所 求人 石狩」「介護福祉士 採用 小樽駅」といったような、求職者が検索しそうなキーワードで、探してみてください。
さて、いかがでしたでしょうか?見つかりましたでしょうか?
もし、ここで見つけられないという場合は、求職者は「あなたの事業所が求人をしていることを知りようがない(応募しようがない)」という事になります。
その場合の解決策は、お金を多めに払って求人広告や人材紹介会社にお願いするか、2章で説明したような「自社採用サイト構築システム」を構築して、indeedに掲載する方法となります。
その上で、「indeedの中でいかに見てもらえるか」という工夫をする必要があります。
具体的には、「求人情報の更新作業を行う」「掲載のタイトルを工夫してクリックしてもらいやすくする」「掲載内容にindeed検索を意識したキーワードを自然な形でいれていく」といった施策になります。
☑「検索結果=競合先(採用のライバル)」であると認識すべき
「応募者は必ずうちに来てくれるもの」となぜか勘違いされている方が多いのですが、人手不足の今は違います。
なぜなら、競合がいるため、事業所側が選ばれる立場にあるからです。
だからこそ、自身の事業所を選んできてもらうためには、競合先(採用のライバル)を把握しておく必要があります。
そのための手段が、検索になります。
なぜなら、「介護福祉士 札幌 求人」といった検索をすれば、「何社、求人があるのか」「どういったライバルが募集しているのか」「ライバルの給料はいくらなのか」といった事がわかるからです。
☑漠然と「いい人が欲しい」では集まらない。ペルソナ設定をすべき!
「ペルソナ」という言葉はご存じでしょうか?
ペルソナというのは、マーケティング用語で、企業の商品を買ってくれるもっとも理想的なお客さん像のことをいい、とても重要視されています。
なぜなら、理想の顧客が、「どんなライフスタイルをおくっていて」「どんなことに関心があって」「どんなことにお金を使っているのか」等を明確にすることで、よりお客さんを引き付ける魅力的な商品が作れるからです。
そして、この考え方は、採用においても重要となります。
つまり、「採用ペルソナ(どんな人がほしいか)」を明確にすることで、自社にフィットする人材の応募が集められ、採用後のミスマッチを防ぎ、早期離職を防止する事につなげられるからです。
☑採用ペルソナ(どんな人がほしいか)の設定手順
採用ペルソナを決めるためには、次のようなステップを踏む必要があります。
①今の従業員が辞めずに働く理由を見える化する
②具体的に書き出してみる
①今の従業員が辞めずに働く理由を見える化する
「今の従業員が辞めずに働く理由を見る化する」ことは、理想的な人材を獲得し、定着してもらうために重要です。
なぜなら、「従業員が働く理由」は、事業所の雰囲気や支援のスタンスと密接につながっているからです。
つまり、「やりたい新しい支援を積極的に提案できるのが好きで働いている」「個別に利用者と関われる時間がとれ、利用者の成長を感じられるから勤務している」「残業がなくプライベートと両立しやすいから続けられている」といった、今働いている従業員が辞めない理由を明確にすることで、「こういう考えのスタッフたちと上手くやっていける、〇〇な感じの人が欲しいな」と採用ペルソナを明確にすることができるようになります。
②具体的に書き出してみる
「自社に従業員が辞めない理由」を把握したら、「では、どんな人材に来て欲しいのか?」を書き出してみましょう。
具体的には、「どんな仕事をしてもらいたいのか?」「どんな経験をもっている人がよいのか?」「どんな家族構成の人がよいのか?」といった事を書き出してみましょう。
ちなみに、以下のような項目を意識すると書き出しやすいです。
☑求人票は「求職者との最初の出会い」
事業所名で検索でもしない限り、求職者とあなたの事業所との最初の接点は、求人原稿になります。つまり、「求職者の第一印象は求人原稿で決まる」ということです。
だからこそ、求人原稿の印象を良くしておく必要があります。
それでは、「印象がよい求人原稿」とはどういったものなのでしょうか?
答えは、自社の求人にマッチする人が見たときに、「この求人に応募しないとダメだ!」と感じてもらえるような原稿です。
なぜなら、自社にマッチしない人の応募がたくさんきても、手間がかかるだけですし、なにより「本当に欲しい人の獲得」が最終目的であるため、本当に欲しい人の心を動かし行動させる必要があるからです。
だからこそ、求人原稿には、仕事内容や職場を具体的にイメージできるような事を具体的に記載し、求職者の心が動くような仕掛けをする必要があります。
逆に言うと、ハローワークでよく見かける「給料・勤務地・休日といった事務的な記載が並んでるだけの淡白な求人票」では、ダメなんです。
☑「急募」とか書いてませんか?「求職者目線」が大事な理由
よく「急募」と書かれた求人を見かけませんか?
でもそれって「採用する側」の事情ですよね?
だって、求職者には関係がないことですし、むしろ求職者からしたら「急募って書いてあるから、こき使われそうで嫌だな」って感じるのではないのでしょうか?
このように、「急募」なんて書いてしまうのは、求職者を集めるうえで、1ミリもプラスにならない情報と言えます。
しかも、「求職者目線にたっていない証拠」とも言えます。
この点を改め、求職者目線に立った求人原稿を書かない事には、いくらindeedで露出して、求職者に認知してもらっても、応募してもらう事はできません。
あくまでも求職者目線で、職場や仕事を具体的にイメージできる求人票を作成し、求職者が疑問に思うであること、不安に感じるであろうことを先回りして、つぶしておくような求人票を作成する必要があります。
☑応募が集まる求人原稿テンプレート
「求職者目線で、欲しい人材の心をつかむ求人原稿を書いてください」と言われたところで、いきなりは書けないと思います。
そこで、次回は、求人原稿を書いたことがない方でも書けるテンプレートをご紹介します。
「STARS」©と呼ばれる「求人原稿作成テンプレート」で、私が所属する一般社団法人採用定着支援協会が考案したものです。
⑥へ続く
【介護福祉事業のための採用~雇用定着マニュアルアーカイブ】
https://note.com/susumu_mcl/n/n7fe42f13c77b
https://note.com/susumu_mcl/n/n6e94fbcb03ac
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