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【読書ログ】CRMの基本/坂本雅志(10月4冊目)

こちらの本を読んだので、学んだことを記録します。

■前提

CRMとは

  • 「顧客の識別」と「顧客リレーションの構築」を行うことで

  • LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を最大化させ

  • マーケティング経費効率化および収益向上を実現させること

CRM戦略とは

  • 顧客の識別:
    どのような顧客を優良顧客とするか?
    →顧客データの収集・管理・分析・活用を行い、優良顧客の定義を明確にする

  • 顧客リレーションの構築:
    優良顧客の獲得・育成・維持を通して、顧客満足と収益向上を実現する仕組みをどのように構築するか?
    →顧客接点の設計管理を行い、効率的なプロモーションを行う

  • 優れたCRM戦略を構築する組織マネジメント:
    CRM能力・ノウハウの蓄積
    →マネジメントの理解を得て、全社を巻き込んだ組織改革を行う

CRMの必要条件:オウンドメディアの再構築

  1. 全ての顧客接点と連携可能は会員プログラムの構築

  2. 構築した会員プログラムの顧客データベースとしての正確さの追求

  3. オウンドメディア上での顧客ベネフィットの提供
    例:モニター募集、プレゼントキャンペーン、ポイントプログラムなど

  4. IT部門やコンプライアンス部門と連携した、顧客データベースの構築に基づくCRMシステムの実装

  5. オウンドメディアと売り場を繋ぐO2O施策
    →オウンドメディアのプラットフォーム上にある顧客データベースを、DMP(データマネジメントプラットフォーム)に結合。高度な広告配信システムとの連携や、自社CRMのシステム化を通して、店頭・売り場への送客モデルを構築。
    →会員基盤およびプロモーション力に基づく送客力が、消費財メーカーの新しい競争力となる

  6. 会員プログラムから得られる情報の外部連携を含めた徹底活用

  7. CMO型組織によるセールスとマーケティングの一体運営によるシームレスな意思決定力と実行力

CRMの成果(例)

  • (企業が定義する)優良顧客数・率

  • 優良顧客の年間購入金額・割合

  • リピート率

  • 顧客1人あたり年間購入金額

  • 顧客1人あたり年間来店回数

  • (特定期間における)稼働数・率 など

分析と評価の視点

  1. どのような顧客データが収集され、どのように分析され、顧客対応に活かされているか?
    →顧客が識別されていることが重要。いつ・どこで・誰が・何を・いくらで(金額)・どれくらい(数量)といった視点で確認。

  2. どのように顧客を識別しているか?
    →RFM分析などにより、顧客を識別できているかという視点で確認。

  3. 優良顧客の設定は適切か?
    →売上で判定するケースが一般的。

  4. 顧客戦略にあった顧客リレーションか?

  5. 優良顧客の獲得・育成・維持施策はどうか?

  6. CRMを通して獲得された組織能力はどのようなもので、さらなる成長戦略に活かされているか?

■顧客を識別し、優良顧客を明確化する

パレートの法則

  • 売上の80%は20%の顧客が生み出していることが多い(ECにおいては、売上の70%は30%の顧客で生み出していることが多い)

  • イタリアの経済学者 ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則という統計モデル

顧客識別ピラミッド

上から順に

  • 優良顧客

  • 識別顧客

  • 購入顧客

  • 来店顧客

  • 商圏一般顧客

顧客識別とは

  • 顧客を把握する(identify)
    →顧客の宛先を把握し、情報発信が可能な関係になる

  • 顧客を区別する(specify)
    →企業と顧客の関係性の深さを区別し、企業貢献に応じた経済的・非経済的還元を行う

  • 新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持・拡大コストの5倍以上かかると言われている

顧客識別の分析方法

  • デシル分析:
    全顧客を購入金額の高い順に10等分し、その、売上構成比を分析

  • デシル移動分析:
    前年度と今年度で、上位顧客から下位顧客への移動の実態を把握

  • 顧客離反率分析:
    平均顧客寿命=1÷顧客離反率

  • RFM分析:
    売上貢献の高い顧客:累計購入額(Monetary)
    継続して購入する顧客:累計購入回数(Frequency)
    頻繁に購入する顧客:最新購入日(Recency)

  • ヒストグラムの活用:
    1年間の購買履歴を元にヒストグラム(度数分布図)を作成し、中央値、最頻値などをもとに仮設設定

有料顧客の定義

  1. 売上貢献の高い顧客

  2. 継続して購入する顧客

  3. 頻繁に購入する顧客

  4. 上記3つに加え、企業独自の戦略への共感・共鳴といった要素を加味して決める

■顧客接点を持ち、顧客を維持・育成する

顧客接点を構成する要素

  • 営業担当

  • 店舗

  • コールセンター

  • WEBサイト/アプリ

  • ソーシャルメディア

顧客との関係づくり

  • A:情報発信

  • I:顧客からのアクセス

  • S:顧客への対応

  • A:顧客の買い上げ

  • S:顧客コミュニティ

顧客を維持する

  • 顧客満足度を定期的に調査する

  • 苦情を迅速かつ建設的に処理し、改善を図る

顧客満足度を高める

  • 金銭的ベネフィットの付与

  • 社会的ベネフィットの付与

  • 構造的結びつきの付与

■顧客データの収集・管理・分析・活用

データの種類

定量データ

  • 顧客データ

  • 購買データ

  • インターネット行動データ

定性データ

  • テキストデータ(問い合わせや要望、SNSでの口コミ)