「シャリが最高に旨い」と言われたすし職人が、50年かけて作った鮓酢を製品化した話
皆さんはじめまして。「與兵衛の鮓酢(よへえのすしず)」の上田佐和子です。
私は、すし職人だった父が50年かけて作りあげた「鮓酢(すしず)」を、ご家庭に届けたい。そんな思いで3年前に鮓酢を製品化し、今に至ります。
與兵衛とは?
與兵衛とは、すし職人であった父・辻 與兵衛の名前から取りました。実は父自身も、曽祖父から名前を引き継いでいます。鮓酢の製品化を決めた時、「與兵衛」を刻むことで、二人の名前を後世に残したいと考えました。
1965年(昭和40年)、京都・長岡京に「与兵衛寿司」という店を開いた父ですが、大阪の佃で職人になるための修行をしていた頃、
美味しいシャリを作ることが、美味しいすしを握るための第一歩
と学びました。以来「鮓酢作り」に多大なる時間と労力をかけ、研究をはじめました。
その甲斐あって、開店した「与兵衛寿司」は、"シャリが旨い"と評判になりました。
そんな父ですが、2017年病に倒れます。
鮓酢製品化への道
昔気質の職人だった父は、店をやっていた間は、鮓酢の調合や原材料の仕入れ先については、一切誰にも教えていませんでした。店を閉めた時、後継者もいなかったため、与兵衛寿司の鮓酢の味は、一度この世から消えました。
しかし父が亡くなるまでの3年間、一緒に介護をしながら過ごした時間に、父は折りあるごとに、長年研究を重ねてきた鮓酢を使い、すしを握ってくれました。そして私に、鮓酢の作り方を丁寧に教えてくれたのです。
父は私に「鮓酢を商品化してほしい」とは一言も言っていません。しかし、「佐和子の好きなようにしなさい」と言ってくれました。
私に作り方を教えてくれたのは、この鮓酢の味を通じて自分を思い出してほしいという思いがあったのかもしれません。しかし父にとっては、実は長年研究してきた鮓酢を「レジェンドとして誰か託したい」と思っていた部分もあったのだと思います。
「好きにしなさい」と言ってくれた時点で、後継者として私を選んでくれたと私は感じて、この鮓酢を作ることを一生の仕事に選びました。
父は鮓酢を「合わせ酢」として、たくさんの料理の味を作る際に利用していました。それほど
「料理の決め手となる味」として、
鮓酢は存在していたのです。
鮓酢は、毎回料理を作るたびに合わせていくと、時間がかかるというだけでなく、味がブレていきます。父は、鮓酢をある一定のタイミングで大量に作り、それを上手に保存しながら使っていました。実際、酢飯以外にも、店で出す一品料理を作る際にも「合わせ酢」として利用していたほどです。
こんな便利な鮓酢を、もっとたくさんの方たちに知ってほしい。試してもらいたい。そんな思いから鮓酢の製品化を思い立ったのです。
老舗うなぎ屋でも採用されている鮓酢
現在鮓酢の生産は、京都の亀岡にある製造所で、「原材料を持ち込んで」父のレシピ通りに調合し、味を再現しています。
出来上がった鮓酢は、現在ご家庭向けにオンラインで販売すると同時に、「合わせ酢」として事業者様向けにも、販売しています。
日本橋にある老舗のうなぎ屋さんでは、早速「棒ずし」に採用していただきました。料理長は「なんでこんなに美味しいのか」と言ってくださり、この春からは、「うなぎのちらし寿司」にも採用していただきました。
與兵衛の鮓酢のウェブサイトでは、この鮓酢の味に感激してくださったプロの料理人の方々がご提供くださったレシピを掲載しています。ぜひご覧ください。
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ぜひ一度、公式ホームページ「與兵衛の鮓酢」をご覧ください http://sushizu.jp