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【マーケティング×ChatGPT】抽象概念から具体施策へ落とし込むまでのフレームワーク活用法

※有料設定ですが、無料で最後まで読めます。

マーケティング実務において「抽象的なことを言われてもわからない。具体的に言え」とお叱りを受けたので、長年かけて、再現性の高い方法を考えてきた。

ここで言う「抽象的なこと」とは「MVV」「コーポレートアイデンティティ」「パーパス」といった、トップダウンでマーケティング施策を行う上でフレームワークよりも上位に位置する概念・理念的なものだと捉えてもらえば、わかりやすいと思う。

この抽象概念が定まっていないと、フレームワークは「ただ埋めるだけ」になるだろうし、仮にそれで上手くいったとしても継続性の高いマーケティング施策とはなりにくいという予感がある。

また、本来的な意味での「ブランディング」を遂行するにあたっても、市場へのメッセージから事業内容・提供サービスに一貫性を生み出すことが不可欠である。

そのためにも、マーケターのみならず事業関係者全体が抽象概念と向き合い、それぞれの役割を活かして形にしていくことが、真のマーケティングの実現に必要だと思う。

マーケターであれば言葉にして伝え、デザイナーであれば意匠に落とし込み視覚的に伝え、プログラマーであれば実装機能として動くものを作る…といった風にだ。

しかしながら、大半の実務では、代表的なマーケティングフレームワークを埋めた資料であったり、代表的な理論に準じたマーケティング施策でなければ「こいつは何を言ってるんだ?」と疎まれ、受け入れられないであろう。

もしかしたら、私が理解しているマーケティングが間違っているのかもしれないし、単に相手側が「自分が経験したことがある業務だけがマーケティング」だと思い込んでいるかもしれないが、それは定かではない。

したがって、これは「私が知っているマーケティングと、君たちが知っているマーケティング、どっちが正しいか死ぬまで競い合おう」という市場実験…わかりやすく言うなら「ゲーム」としての側面も持つ。

読者の君たちの勝利条件はシンプルだ。

  1. 私を権威や正論で言論弾圧し「物言わぬ民」または「周りと同じことしか言わない平凡な人間」へと落ちぶれさせる

  2. 私を物理的に殺すか、心を叩き折り、発信できない状態まで追い込む

  3. 私を上回る発信力や影響力を身につけ、私よりも優れたことや正しいことを言って支持を集める

1から3に上がるにつれ、君たちの行動コストは高くなる。一番行動コストが低い1は、今や誰でもスマホに罵詈雑言を載せて発信するだけで実行可能なので、実に多くの人が好むやり方だ。

たとえば、私の言ってることが間違いだと思うなら…あるいは、自らの立場や利得を守るために都合が悪いのであれば、私の心を叩き折る誹謗中傷をぶつけてくるプレイヤーもいるだろうし、社内政治で狡猾に発言権を奪い取ろうとするプレイヤーも出てくるだろう。

逆に「こいつよりも正しいことや優れたことを実践してやろう」というプレイヤーが生まれるのであれば、それこそが本望である。

何度も言うがこんなものはただのゲームだ。

諸君らの無知と無理解と無配慮が私を殺すのが先か?
私が世界を敵に回そうが最後までやり抜くか?

それを試すだけの、ただの市場実験に過ぎない。

…おっと、そろそろ「早く結論を言え!」と余裕のないビジネスパーソン様のお叱りを受けそうだ。本題に入るとしよう。

MVVを5W1Hで分解してイシューを発見する

まずは、私が作成したnote用のMVVから「イシュー」を発見する工程を行っていく。

あらかじめ断っておくが「イシューって何?」と思うような輩は間引き対象なので、ブラウザバック願いたい。

たかだか2000円程度の本を読んで理解しようとしない方々におかれては、Google検索やYouTubeで「誰でも再現できる成功事例!」などでも延々と漁って無駄な時間を過ごし続けてほしい。

ただ、話を進めていく上で「イシュー」をざっくりと定義しておいた方が、不要な誤解や混同は防げるとは思う。

よって、ここではイシューを「課題を特定するために必要な前準備」ぐらいの粒度だと思って、読んでいただきたい。(この過程こそ、まさにイシューからはじめよと言えるだろう)

必要な前置きは済んだので、まずChatGPTにて、私が実際にどんなプロンプトを打ち込んだか見ていただきたい。

下記のMVVを5w1hで分解して埋めてみてください。
ターゲット、集客チャネルなどにヌケモレがない状態を目指します。

Mission
日々の発信を”ちょっとだけ彩る”マーケティング思考
Vision
誰もが発信を通して”表現できる”マーケターに
Value
あなたの思考と想いが”未来を創る”マーケットへ変わる

ChatGPTプロンプト

マーケティング工程においては「ターゲットはどうするか?」「集客チャネルは何がいいか?」という意思決定が生じると思う。

その際に、今回紹介するような「抽象概念に対する理解」「イシューからはじめる」といった要素が多いほど、最適な選択が行えるようになる…ということを、多くの方に実感してもらいたい。

そのためにも、まずは「5W1H」という粒度は粗いが、比較的多くの人が知っているであろうフレームワークを起点とすることにした。

※「5W1Hはフレームワークじゃねーだろ」というツッコミも出そうだが「思考の枠組み」という意味で、今回はフレームワークに含めて考えている。

こうした背景を踏まえ、以下のChatGPTの応答結果を見ていこう。(長いので読み飛ばしてもらっても構わない)

Mission:日々の発信を”ちょっとだけ彩る”マーケティング思考
Who(誰に)
日々発信を行うが、マーケティングに不慣れな一般ユーザーや新米マーケター
SNSを活用する中小企業の広報担当者
情報発信を行う個人ブロガーやインフルエンサー
What(何を)
「日常の発信にマーケティングの視点を追加する方法」「発信内容を魅力的にするための具体的なノウハウ」
When(いつ)
SNSでの投稿やブログ執筆の前に参考にできるタイミング
記事やSNS投稿のアイデア出しや戦略策定の段階
Where(どこで)
自身のブログやSNS、メールマガジン
業界系フォーラムやイベントでの配布資料
動画やPodcastなどのコンテンツプラットフォーム
Why(なぜ)
一貫したブランディングや訴求力を向上させることで、発信力と信頼性を高めるため
日常の発信に少しの工夫で多くの人に届く発信に変えるため
How(どうやって)
マーケティング視点の紹介記事、チェックリストやテンプレートの提供
成功事例や具体的な「こうすればいい」を含むハウツーガイドの作成
ウェビナーや動画チュートリアルによる実践方法の解説

Vision:誰もが発信を通して”表現できる”マーケターに
Who(誰に)
発信スキルを強化したいと考える個人ブロガーやマーケター
発信力に課題を持つ中小企業やスタートアップ企業のマーケティング担当者
What(何を)
「自分の考えや価値観を発信して自分を表現できるスキル」
「成果に繋がる表現力」としてのマーケティングスキル
When(いつ)
新しいキャンペーンや企画を立ち上げる時
SNSでの個人ブランドを構築するための長期的な取り組みの際
Where(どこで)
マーケティングブログやSNSでの発信をメインに
業界のミートアップやセミナーなどのリアルイベントでも
Why(なぜ)
誰もが表現力を持ち、自分のメッセージを発信できることで、より多様な価値観が生まれ、マーケティングの未来に貢献するため
How(どうやって)
発信するための具体的なスキルセットやツールの使い方を提供
自分の考えを簡潔かつ効果的に伝えるコツの共有
発信の過程を支援するワークショップやメンタリング

Value:あなたの思考と想いが”未来を創る”マーケットへ変わる
Who(誰に)
自らの発信に思い入れを持ち、未来のマーケティングを創りたいマーケターや企業
個人でも企業でも「未来志向」で発信を行うクリエイター
What(何を)
「個々の表現が市場を形成していく」という信念の伝達
発信を通じて未来のマーケティングトレンドに寄与できる価値観
When(いつ)
定期的な発信を通じてリーチ拡大や長期的なブランド価値向上を目指す際
新しい製品やサービスを市場に打ち出すタイミング
Where(どこで)
SNS、企業ブログ、オウンドメディア
コラボレーションや他社媒体でのクロスメディア発信
Why(なぜ)
発信が「ただの情報伝達」ではなく、未来を創るための「価値あるメッセージ」として広がっていくため
How(どうやって)
個人と企業の発信が未来のマーケットにどう影響するかの事例を紹介
継続的な発信が市場に与える影響や成長のプロセスを解説
未来志向の考え方を共有する記事、講座、コミュニティ活動

ChatGPT応答結果

このChatGPTの応答結果だけでも、マーケティング施策実行時に必要な情報を手早く洗い出せると、わかる人にはわかるだろう。

しかし、実体験上、これだけの情報で腑に落ちない方々も多いように思えるので、もう一歩踏み込んで具体化していきたい。

たとえば「何から発信すればいいかわからない…」「発信方法として自媒体に適したアプローチがわからない…」という課題は、企業・個人問わず生じやすいと思う。

そういった際に、今回の手法は役に立つ。

たとえば「MVVのValue」を最優先したメッセージを発信したいなら「What(何を)」「How(どうやって)」を組み合わせるという考え方ができる。

Value:あなたの思考と想いが”未来を創る”マーケットへ変わる
What(何を):

「個々の表現が市場を形成していく」という信念の伝達
発信を通じて未来のマーケティングトレンドに寄与できる価値観

How(どうやって):
個人と企業の発信が未来のマーケットにどう影響するかの事例を紹介
継続的な発信が市場に与える影響や成長のプロセスを解説
未来志向の考え方を共有する記事、講座、コミュニティ活動

この「What(何を)」「How(どうやって)」に沿って、Valueを伝えていきたいなら「これからの市場がどうなるか?」「我々のサービスを利用するとどうなるか?」といったメッセージを発信していくべきだろう。

そうすることによって顧客(読者)は「MVVを掲げる者がどういった未来をもたらすか?」「そのMVVに共感したり、行動すればどういう未来になるか?」が想像しやすくなる。

察しの良い方はお気づきだろうが、この時点で既にマーケティング用語で言うところの「ベネフィット」「ゲイン」や「ストーリーテラー」「ナラティブ」といった要素が含まれることとなる。

Valueによって事業が創り出す市場やライフスタイルを示すなら、未来の市場を語らないとならないし、これは単に不特定多数向けでなく、投資家や社員といった全ステークホルダーが対象となることもあるだろう。

冒頭でお伝えした通り、MVVがトップダウンでマーケティング施策を行う上でフレームワークよりも上位に位置する概念・理念的なものと言ったのも、それぐらい、洗練されたレベルでMVVを決めてしまえば、他のマーケティング戦略も盤石な基準によって決めることができるとの確信があるからだ。

同様に、組織規模が大きいと「パーパス」「コーポレートアイデンティティ」といった抽象概念も、哲学的、あるいは観念的問いの積み重ねによって磨かれ、盤石なマーケティング基盤を創り出せるものだと考えている。

ChatGPTによるSTP分析で顧客像を掘り下げる

STP分析とは、マーケティング戦略を立てる上で非常に重要なフレームワークである。

S:Segmentation(セグメンテーション)、T:Targeting(ターゲティング)、**P:Positioning(ポジショニング)**の頭文字を取って、STP分析と呼ばれる。

▼STP分析を行うメリット
顧客理解の深化: 顧客のニーズや行動パターンを深く理解することで、より効果的なマーケティング施策を立案できます。
競合との差別化: 競合との違いを明確にすることで、自社の強みを活かしたマーケティング戦略を展開できます。
リソースの効率的な活用: ターゲットを絞り込むことで、マーケティングリソースを無駄なく活用できます。
新規顧客開拓: 新しい顧客層へのアプローチが可能になり、市場拡大に繋がります。

Gemini

ChatGPTで「Who(誰に)」をSTP分析していく。

Whoをさらに詰めて解像度高めていこう。
STP分析できる?

プロンプト

MissionにおけるWho:日々の発信を”ちょっとだけ彩る”マーケティング思考
1. Segmentation(セグメンテーション)
行動的セグメンテーション
:日常的にSNSやブログを利用し、自身の発信力向上に関心のある層
ライフステージセグメンテーション:キャリア初期の新米マーケター、中小企業の広報・PR担当者
技術的セグメンテーション:基礎的なデジタルスキルを持つが、マーケティング思考や発信の改善方法には詳しくない層

2. Targeting(ターゲティング)ターゲット層
新米マーケター:マーケティングの基本的な思考や発信方法を身につけたい
個人発信者(個人ブログやインフルエンサー):フォロワーを増やしたいが、効果的な発信法を学びたい
中小企業の広報・PR担当者:企業や自社ブランドの認知度を向上させたい

3. Positioning(ポジショニング)ポジション:手軽で実践的なマーケティング思考の提供者。学びやすく、具体的な改善法が得られる「日常発信の伴走者」としてポジション付け

VisionにおけるWho:誰もが発信を通して”表現できる”マーケターに
1. Segmentation(セグメンテーション)
心理的セグメンテーション
:発信力に自信がなく、表現方法に改善したいと感じている人
行動的セグメンテーション:頻繁にSNSやブログで情報発信を行い、フォロワーや顧客とのエンゲージメントを高めたい人
用途・利用目的セグメンテーション:マーケティング知識を活用し、自己表現やブランディングを強化したい層

2. Targeting(ターゲティング)ターゲット層
インフルエンサー志望者や個人ブランディングを目指す層:自己表現の手段としてマーケティングを取り入れたい人
SNSやメディアでの発信力を強化したい中小企業や起業家:企業や自社のブランディングを確立したいと考える広報担当者
ブロガーや動画クリエイター:ファンやフォロワーを増やすために、より効果的な発信法を探している

3. Positioning(ポジショニング)ポジション:「発信力の自己成長を促進するパートナー」。個々の思いをマーケティング的に発信に乗せ、視聴者・フォロワーとつながる力を強化するサポーター

ValueにおけるWho:あなたの思考と想いが”未来を創る”マーケットへ変わる
1. Segmentation(セグメンテーション)
心理的セグメンテーション
:自らの思考や価値観を発信することで、社会や市場に影響を与えたいと考えている人
行動的セグメンテーション:発信が自分の未来や市場への影響力を持つことを信じ、積極的にメディア発信する人
エスノグラフィックセグメンテーション:価値観や自己表現を尊重するクリエイターや起業家、SNSで新しいマーケットを切り拓きたい意欲のある個人

2. Targeting(ターゲティング)ターゲット層
未来のマーケットを志向するクリエイティブ層:個々の発信が市場を変えうると考えるブロガー、インフルエンサー、起業家
社会的な影響力を持ちたいと考える若手マーケター:マーケティングを用いて自らの発信力で変革を起こしたいと考える層
自己表現を通して影響力を持ちたい起業家や企業担当者:新たな市場やトレンドを創り出す意欲のある個人

3. Positioning(ポジショニング)ポジション:「未来志向のマーケティング支援者」。発信が単なる情報発信を超えて、市場や人々の価値観を形作るための未来志向のパートナー

このSTP分析により、各ターゲット層に合わせた集客チャネルやメッセージングを展開しやすくなり、さらに具体的なターゲット像が見えてきます。

ChatGPT-4o

ここでは、ざっとChatGPTが出力したSTP分析結果を見て、自分の体感や想定とズレがないか、また自分が見落としていたヌケモレがないかを確認する。

なお、今回は「noteの個人運用」が想定なので、STP分析をさらに具体化したり、「市場に本当に存在するターゲットなのか?」のリサーチは行っていない。

が、プロジェクト規模やクライアント意向によっては、ChatGPTの応答をさらに掘り下げて、より定性データといった客観的に根拠に基づくSTP分析にしたり、セグメンテーションの行動や心理を仔細にしていく必要もあるだろう。

よって「ChatGPTで出力したSTP分析がそのまま使えるわけではない」という点には、くれぐれも留意してほしい。

noteのユーザー層もSTP分析しておく

今回のケースの場合、集客プラットフォームを「note」と限定することになる。よって、note利用者の行動性質や価値観も知っておき、それに沿ったコンテンツ制作を行う必要が出てくる。

noteユーザーにおけるSTP分析

1. Segmentation(セグメンテーション)
心理的セグメンテーション

 表現重視層:自分の考えや価値観を発信することに価値を見出し、創作活動や自己表現を好むユーザー
 学習・スキル習得志向層:専門的な知識を深めたい、スキルを磨きたいと考える学習志向のユーザー
 収益化志向層:noteの執筆活動を通じて、副収入や自身のブランドを確立しようとする意欲のあるユーザー
行動的セグメンテーション
 発信頻度:頻繁に投稿するアクティブユーザーと、不定期で投稿するライトユーザー
 購読頻度:他のユーザーの記事を日常的に読んで情報収集をしている層と、特定のテーマの時だけ購読する層
用途・利用目的セグメンテーション
 自己表現:日記やエッセイ、クリエイティブ作品などを通して、自身の世界観や価値観を発信したいユーザー
 教育・学習:他者から学びやインスピレーションを得たい、あるいは他者に知識を提供したい層
 ビジネス・収益:ビジネスノウハウの共有やブランディング、商品の宣伝・販売を目的とするユーザー

2. Targeting(ターゲティング)ターゲット層
自己表現・創作層
主にエッセイストやクリエイティブライター、イラストレーター、フォトグラファー
自分の作品や考えを見てもらいたいと考える人が中心で、特に表現力や独自の世界観を重視
学習・知識吸収層
専門的なテーマに関する深い学びを得たい層。例えば、ビジネス、マーケティング、自己啓発、テクノロジー、クリエイティブ領域などに興味があり、noteを学びの場とする層
初心者から中級者までの広い層が存在し、知識を増やして自己成長を図りたい層
ビジネス・収益化層
noteを収益化プラットフォームと考え、副業や本業に関わる知識の提供、商品・サービスの販促、オンラインサロンなどの集客に活用する層
個人ビジネスのブランディング、メディア活用、収益化を目的とする層

3. Positioning(ポジショニング)ポジション
表現の自由と収益化の場としてのプラットフォーム
noteは、創作からビジネス、学習まで幅広く対応し、自由に表現しながらファンを増やしたり収益化できる場としての価値を提供。個人が手軽に自分のブランドを築き、広められる場所としてポジショニング。
学びとインスピレーションの共有ハブ
noteは、多くの専門知識や知見が集まるハブとして、学びのリソースが豊富。知識やスキル習得を求めるユーザーが効率的に学べるプラットフォームとしての位置付け
ファンとのつながりを重視するSNS的な場
ファンとのコミュニケーションやエンゲージメントが構築しやすく、深いつながりを築きやすいプラットフォーム。ファンと共有できる特別なコンテンツや、クローズドなサロンの場としての役割も意識

このnoteのSTP分析も、自分の体感や想定とズレがないか、また自分が見落としていたヌケモレがないかの確認用途となるため、必ずしも正確である必要はない。

後ほど解説するが、STP分析を用いる最大の目的は、狙うセグメント/ターゲットを定めること、またそこに沿ったポジショニングを決めることにある。

もっとざっくり言うと「顧客像(ユーザー像)を掴むこと」が、最大の目的だ。

私の場合、note自体は5年以上運用しているし、何度かのバズやその反響でユーザーニーズを生で体感しているため、体感で掴めている部分はある。一方でセグメント(群)単位では捉えきれていないことや、感覚的に捉えていても言語化ができない場合も、多い。また、コンテンツ性質から集まるユーザー属性に偏りがあり、見落としているセグメントもあるだろう。

こうした「体感ではわかってるものを言語化して再確認」「見落としているセグメント/ターゲットの発見」という用途でも、ChatGPTでSTP分析を行うのは、有効なアプローチだと言える。

2つのSTP分析を照合する

上記2つのSTP分析を照らし合わせて、STPを絞っていく。

これは雑に「MVVから抽出した自noteアカウントのSTPと、note全体のSTPとで、重複範囲があれば、優先して訴求すべき対象になるだろう」と判断したからである。

逆説的に言えば「自noteアカウントのSTP分析の中でnote内にあまりいなそうなセグメント/ターゲット」「note全体ではボリューム層ではあるが、自noteが狙う必要のないセグメント/ターゲット」を弾くための作業とも言える。

結局のところ、我々がSTP分析を通して欲しい情報は「どのセグメント/ターゲットに、どういうポジショニングで訴求すればいいのか?」でしかない。追うべきでないセグメントやターゲットが絞れるなら、早い段階に済ませておくに越したことはない。

ChatGPTで、素早く終わらせてしまおう。

ありがとうございます。MVVを規定したnote媒体と、note全体とで、STP分析を照らし合わせてて、重複してると判断できるセグメント/ターゲット/ポジショニングを洗い出してみてください。

プロンプト

note媒体に対して規定したMVVと、note全体に対するSTP分析の内容を比較し、重複が見られるセグメント、ターゲット、ポジショニングを以下に洗い出しました。

▼重複しているセグメント
自己表現・創作重視層(心理的セグメンテーション)
共通点:自分の考えや世界観を他者に伝えたい、表現を重視するユーザー。
具体的な対象:エッセイや日記、クリエイティブ作品を通じて日常の発信に「ちょっとした彩り」を加えることを望む層(note全体にも広く見られる)。
学習・スキル習得志向層(用途・利用目的セグメンテーション)
共通点:マーケティング思考や発信技術のスキルを磨きたいと考える学習志向のユーザー。
具体的な対象:新米マーケターや自己表現のためのスキル強化に興味を持つユーザー層が、note媒体とnote全体で重複。
収益化やブランディングを目的とする層(行動的セグメンテーション)
共通点:発信を通じた収益化や個人ブランディングを目指しているユーザー。
具体的な対象:特にマーケティングやPR担当者、小規模ビジネスのオーナー、個人クリエイター。noteを収益の一環と見なす層は、両方に存在する。

重複しているターゲット
新米マーケターおよび発信スキル強化に関心のあるビジネス層
共通点:マーケティングの基礎や発信のノウハウを実践的に学びたいと考える層。
具体的な対象:発信を効果的に行いたいと考えているnoteユーザーの中に、日々の発信や学びを活かして自らの表現力を高めたいユーザーが含まれる。

自己表現やファン構築を重視する個人クリエイター
共通点:自分の創作活動や発信力を多くの人に届けたいと考えるクリエイター。
具体的な対象:エッセイ、イラスト、フォトグラフィーなどの分野で、自己表現の一環としてnoteを活用しつつ、ファンを獲得したいと考えるクリエイター。

ビジネスやブランディングを通じて収益化を図る個人および企業
共通点:ブランディングを通じて自分を表現し、収益化やファンの獲得を意識している層。
具体的な対象:個人ブランディングや企業広報としての利用を考える層で、note上でマーケティングや発信力向上に取り組む層が一致。

▼重複しているポジショニング
発信や表現を支援する伴走者
共通点:ユーザーが自らの発信を効果的に行い、自分の価値観や考えを表現するためのパートナー的な立ち位置。
具体的な対象:note媒体とnote全体の両方で、発信力向上をサポートするポジションが重複。表現力を高めたいユーザーがnoteで情報やインスピレーションを得られるようにする。

創作・発信を通じて学びの機会を提供する場
共通点:発信がその人自身の学びや自己成長につながるような環境を提供する。
具体的な対象:noteは、ユーザーが自己表現やマーケティングの視点を学び、より魅力的な発信ができるようにサポート。note媒体とnote全体で、学びの場としての役割が共通する。

収益化を目指すための情報やノウハウ提供
共通点:収益化やブランディングの一環としてnoteを利用する人向けに、具体的な発信方法やマーケティングの知識を提供。
具体的な対象:収益化やブランディングを目指す個人や企業が、noteでその手段を学べる。マーケティングやビジネス戦略の具体的なノウハウや事例がnoteのポジショニングとして重複。

以上のChatGPT工程により「note内にいるメインユーザーから、自noteアカウントがどのセグメント/ターゲットを狙い、どうポジショニングするか?」がだいぶ絞れ、顧客像もイメージしやすくなったと思う。

ここから差別化して強固なポジショニングをしようと思ったり、個人の強みを活かしたいなら、さらに詰めて考えていく必要がある。

私はそれを”洗練”と表現するが、ビジネス文脈なら「ブラッシュアップ」「解像度を上げる」、マーケティング文脈なら「差別化戦略」「ブランディング」とでも表現するのだろう。ただ、やることや指す概念は似たようなものであると思う。

加えて、マーケティング業務の性質上、どれだけSTP分析に時間をかけても「分析結果と実態が異なった」だとか「予期せぬセグメントやターゲットが見つかった」ということも、往々にしてある。

分析結果と実態が大きく異なるなら、初期仮説からの軌道修正が必要になるし、そのための解析ツールなどを駆使した分析・評価フェイズが必要となる。

予期せぬセグメントやターゲットの発見は…いわゆる「セレデンピティ」として、思わぬ「インサイト」の発見につながるかもしれない。

たとえば「収益化を目指すセグメント」が、実は「収益化そのものは目的ではなく、有名になって自己承認欲求を満たしたかった」だとか「ビジネスに興味はあるが、法人化する気もなく、即物的なすぐ試せるノウハウが欲しかった」といった形だ。

話が脱線してしまった、何にしてもChatGPTで「MVV→5W1H→STP分析」とマーケティング的な視点で分析工程を行っていくことで、多くのイシューが発見でき、高速での業務遂行が可能となるのである。

最後に:この記事を通して伝えたかったこと

今回紹介したような思考は、ChatGPTへのプロンプト入力時に刹那で考えているが、後から論理的に言語化しようとなると、どうしても伝達情報に限界がある。
(というよりも、言語化している情報外にも、実際には無数に考えていることの方が多い)

おそらく、この記事だけ読んで即実践できるような人は、かなり稀だと思う。

加えて言えば、今回紹介したような「MVV」といった抽象概念、「STP分析」のような代表的なフレームワークを、有効活用できてる人も少ないように思える。

というのも「MVV→5W1H→STP分析」という手順で分析していくやり方自体が一般的には定着していないし、こうしたクリエイティブで独自なアプローチは実務において嫌われるだろう。なぜなら「前例がない」「Google検索の上に書いてない」からだ。

(私が認知してないだけで、SNSでぶいぶい言わせてるマーケターは裏ではガンガンに高度な分析とリサーチで精度の高いマーケティング施策で成果出しまくりなのかもしれないが…)

最後に、雑にこの記事で伝えたかった、私の真のメッセージをまとめておきたい。

  1. 工夫して生成AIを使いこなそうぜ!

  2. マーケティング抽象概念から逃げるな、向き合え!

  3. 理論や知識をちゃんと実践に活かせ!

また、冒頭にもお伝えしたが「こんなものはただのゲーム」である。

私が間違っていたのか、世間が間違っていたのか、数年後に答え合わせをするための、賭けでしかないのだ。

もし読者のあなたが、既存のマーケティング手法であったり、巷の企業がばら撒いてるノウハウが、どうにも信用ならなかったり、イマイチ成果に結びつかないと感じているなら、私の考え方に賭けてみるのもいいだろう。

せいぜい、フォローしたり、記事をSNSで紹介するだけの大してリスクを背負わない、気軽な賭けなのだから。

続きの記事。

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