【マーケティング×ChatGPT】抽象概念から具体施策へ落とし込むまでのフレームワーク活用法
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マーケティング実務において「抽象的なことを言われてもわからない。具体的に言え」とお叱りを受けたので、長年かけて、再現性の高い方法を考えてきた。
ここで言う「抽象的なこと」とは「MVV」「コーポレートアイデンティティ」「パーパス」といった、トップダウンでマーケティング施策を行う上でフレームワークよりも上位に位置する概念・理念的なものだと捉えてもらえば、わかりやすいと思う。
この抽象概念が定まっていないと、フレームワークは「ただ埋めるだけ」になるだろうし、仮にそれで上手くいったとしても継続性の高いマーケティング施策とはなりにくいという予感がある。
また、本来的な意味での「ブランディング」を遂行するにあたっても、市場へのメッセージから事業内容・提供サービスに一貫性を生み出すことが不可欠である。
そのためにも、マーケターのみならず事業関係者全体が抽象概念と向き合い、それぞれの役割を活かして形にしていくことが、真のマーケティングの実現に必要だと思う。
マーケターであれば言葉にして伝え、デザイナーであれば意匠に落とし込み視覚的に伝え、プログラマーであれば実装機能として動くものを作る…といった風にだ。
しかしながら、大半の実務では、代表的なマーケティングフレームワークを埋めた資料であったり、代表的な理論に準じたマーケティング施策でなければ「こいつは何を言ってるんだ?」と疎まれ、受け入れられないであろう。
もしかしたら、私が理解しているマーケティングが間違っているのかもしれないし、単に相手側が「自分が経験したことがある業務だけがマーケティング」だと思い込んでいるかもしれないが、それは定かではない。
したがって、これは「私が知っているマーケティングと、君たちが知っているマーケティング、どっちが正しいか死ぬまで競い合おう」という市場実験…わかりやすく言うなら「ゲーム」としての側面も持つ。
読者の君たちの勝利条件はシンプルだ。
私を権威や正論で言論弾圧し「物言わぬ民」または「周りと同じことしか言わない平凡な人間」へと落ちぶれさせる
私を物理的に殺すか、心を叩き折り、発信できない状態まで追い込む
私を上回る発信力や影響力を身につけ、私よりも優れたことや正しいことを言って支持を集める
1から3に上がるにつれ、君たちの行動コストは高くなる。一番行動コストが低い1は、今や誰でもスマホに罵詈雑言を載せて発信するだけで実行可能なので、実に多くの人が好むやり方だ。
たとえば、私の言ってることが間違いだと思うなら…あるいは、自らの立場や利得を守るために都合が悪いのであれば、私の心を叩き折る誹謗中傷をぶつけてくるプレイヤーもいるだろうし、社内政治で狡猾に発言権を奪い取ろうとするプレイヤーも出てくるだろう。
逆に「こいつよりも正しいことや優れたことを実践してやろう」というプレイヤーが生まれるのであれば、それこそが本望である。
何度も言うがこんなものはただのゲームだ。
諸君らの無知と無理解と無配慮が私を殺すのが先か?
私が世界を敵に回そうが最後までやり抜くか?
それを試すだけの、ただの市場実験に過ぎない。
…おっと、そろそろ「早く結論を言え!」と余裕のないビジネスパーソン様のお叱りを受けそうだ。本題に入るとしよう。
MVVを5W1Hで分解してイシューを発見する
まずは、私が作成したnote用のMVVから「イシュー」を発見する工程を行っていく。
あらかじめ断っておくが「イシューって何?」と思うような輩は間引き対象なので、ブラウザバック願いたい。
たかだか2000円程度の本を読んで理解しようとしない方々におかれては、Google検索やYouTubeで「誰でも再現できる成功事例!」などでも延々と漁って無駄な時間を過ごし続けてほしい。
ただ、話を進めていく上で「イシュー」をざっくりと定義しておいた方が、不要な誤解や混同は防げるとは思う。
よって、ここではイシューを「課題を特定するために必要な前準備」ぐらいの粒度だと思って、読んでいただきたい。(この過程こそ、まさにイシューからはじめよと言えるだろう)
必要な前置きは済んだので、まずChatGPTにて、私が実際にどんなプロンプトを打ち込んだか見ていただきたい。
マーケティング工程においては「ターゲットはどうするか?」「集客チャネルは何がいいか?」という意思決定が生じると思う。
その際に、今回紹介するような「抽象概念に対する理解」「イシューからはじめる」といった要素が多いほど、最適な選択が行えるようになる…ということを、多くの方に実感してもらいたい。
そのためにも、まずは「5W1H」という粒度は粗いが、比較的多くの人が知っているであろうフレームワークを起点とすることにした。
※「5W1Hはフレームワークじゃねーだろ」というツッコミも出そうだが「思考の枠組み」という意味で、今回はフレームワークに含めて考えている。
こうした背景を踏まえ、以下のChatGPTの応答結果を見ていこう。(長いので読み飛ばしてもらっても構わない)
このChatGPTの応答結果だけでも、マーケティング施策実行時に必要な情報を手早く洗い出せると、わかる人にはわかるだろう。
しかし、実体験上、これだけの情報で腑に落ちない方々も多いように思えるので、もう一歩踏み込んで具体化していきたい。
たとえば「何から発信すればいいかわからない…」「発信方法として自媒体に適したアプローチがわからない…」という課題は、企業・個人問わず生じやすいと思う。
そういった際に、今回の手法は役に立つ。
たとえば「MVVのValue」を最優先したメッセージを発信したいなら「What(何を)」「How(どうやって)」を組み合わせるという考え方ができる。
この「What(何を)」「How(どうやって)」に沿って、Valueを伝えていきたいなら「これからの市場がどうなるか?」「我々のサービスを利用するとどうなるか?」といったメッセージを発信していくべきだろう。
そうすることによって顧客(読者)は「MVVを掲げる者がどういった未来をもたらすか?」「そのMVVに共感したり、行動すればどういう未来になるか?」が想像しやすくなる。
察しの良い方はお気づきだろうが、この時点で既にマーケティング用語で言うところの「ベネフィット」「ゲイン」や「ストーリーテラー」「ナラティブ」といった要素が含まれることとなる。
Valueによって事業が創り出す市場やライフスタイルを示すなら、未来の市場を語らないとならないし、これは単に不特定多数向けでなく、投資家や社員といった全ステークホルダーが対象となることもあるだろう。
冒頭でお伝えした通り、MVVがトップダウンでマーケティング施策を行う上でフレームワークよりも上位に位置する概念・理念的なものと言ったのも、それぐらい、洗練されたレベルでMVVを決めてしまえば、他のマーケティング戦略も盤石な基準によって決めることができるとの確信があるからだ。
同様に、組織規模が大きいと「パーパス」「コーポレートアイデンティティ」といった抽象概念も、哲学的、あるいは観念的問いの積み重ねによって磨かれ、盤石なマーケティング基盤を創り出せるものだと考えている。
ChatGPTによるSTP分析で顧客像を掘り下げる
STP分析とは、マーケティング戦略を立てる上で非常に重要なフレームワークである。
S:Segmentation(セグメンテーション)、T:Targeting(ターゲティング)、**P:Positioning(ポジショニング)**の頭文字を取って、STP分析と呼ばれる。
ChatGPTで「Who(誰に)」をSTP分析していく。
ここでは、ざっとChatGPTが出力したSTP分析結果を見て、自分の体感や想定とズレがないか、また自分が見落としていたヌケモレがないかを確認する。
なお、今回は「noteの個人運用」が想定なので、STP分析をさらに具体化したり、「市場に本当に存在するターゲットなのか?」のリサーチは行っていない。
が、プロジェクト規模やクライアント意向によっては、ChatGPTの応答をさらに掘り下げて、より定性データといった客観的に根拠に基づくSTP分析にしたり、セグメンテーションの行動や心理を仔細にしていく必要もあるだろう。
よって「ChatGPTで出力したSTP分析がそのまま使えるわけではない」という点には、くれぐれも留意してほしい。
noteのユーザー層もSTP分析しておく
今回のケースの場合、集客プラットフォームを「note」と限定することになる。よって、note利用者の行動性質や価値観も知っておき、それに沿ったコンテンツ制作を行う必要が出てくる。
このnoteのSTP分析も、自分の体感や想定とズレがないか、また自分が見落としていたヌケモレがないかの確認用途となるため、必ずしも正確である必要はない。
後ほど解説するが、STP分析を用いる最大の目的は、狙うセグメント/ターゲットを定めること、またそこに沿ったポジショニングを決めることにある。
もっとざっくり言うと「顧客像(ユーザー像)を掴むこと」が、最大の目的だ。
私の場合、note自体は5年以上運用しているし、何度かのバズやその反響でユーザーニーズを生で体感しているため、体感で掴めている部分はある。一方でセグメント(群)単位では捉えきれていないことや、感覚的に捉えていても言語化ができない場合も、多い。また、コンテンツ性質から集まるユーザー属性に偏りがあり、見落としているセグメントもあるだろう。
こうした「体感ではわかってるものを言語化して再確認」「見落としているセグメント/ターゲットの発見」という用途でも、ChatGPTでSTP分析を行うのは、有効なアプローチだと言える。
2つのSTP分析を照合する
上記2つのSTP分析を照らし合わせて、STPを絞っていく。
これは雑に「MVVから抽出した自noteアカウントのSTPと、note全体のSTPとで、重複範囲があれば、優先して訴求すべき対象になるだろう」と判断したからである。
逆説的に言えば「自noteアカウントのSTP分析の中でnote内にあまりいなそうなセグメント/ターゲット」「note全体ではボリューム層ではあるが、自noteが狙う必要のないセグメント/ターゲット」を弾くための作業とも言える。
結局のところ、我々がSTP分析を通して欲しい情報は「どのセグメント/ターゲットに、どういうポジショニングで訴求すればいいのか?」でしかない。追うべきでないセグメントやターゲットが絞れるなら、早い段階に済ませておくに越したことはない。
ChatGPTで、素早く終わらせてしまおう。
以上のChatGPT工程により「note内にいるメインユーザーから、自noteアカウントがどのセグメント/ターゲットを狙い、どうポジショニングするか?」がだいぶ絞れ、顧客像もイメージしやすくなったと思う。
ここから差別化して強固なポジショニングをしようと思ったり、個人の強みを活かしたいなら、さらに詰めて考えていく必要がある。
私はそれを”洗練”と表現するが、ビジネス文脈なら「ブラッシュアップ」「解像度を上げる」、マーケティング文脈なら「差別化戦略」「ブランディング」とでも表現するのだろう。ただ、やることや指す概念は似たようなものであると思う。
加えて、マーケティング業務の性質上、どれだけSTP分析に時間をかけても「分析結果と実態が異なった」だとか「予期せぬセグメントやターゲットが見つかった」ということも、往々にしてある。
分析結果と実態が大きく異なるなら、初期仮説からの軌道修正が必要になるし、そのための解析ツールなどを駆使した分析・評価フェイズが必要となる。
予期せぬセグメントやターゲットの発見は…いわゆる「セレデンピティ」として、思わぬ「インサイト」の発見につながるかもしれない。
たとえば「収益化を目指すセグメント」が、実は「収益化そのものは目的ではなく、有名になって自己承認欲求を満たしたかった」だとか「ビジネスに興味はあるが、法人化する気もなく、即物的なすぐ試せるノウハウが欲しかった」といった形だ。
話が脱線してしまった、何にしてもChatGPTで「MVV→5W1H→STP分析」とマーケティング的な視点で分析工程を行っていくことで、多くのイシューが発見でき、高速での業務遂行が可能となるのである。
最後に:この記事を通して伝えたかったこと
今回紹介したような思考は、ChatGPTへのプロンプト入力時に刹那で考えているが、後から論理的に言語化しようとなると、どうしても伝達情報に限界がある。
(というよりも、言語化している情報外にも、実際には無数に考えていることの方が多い)
おそらく、この記事だけ読んで即実践できるような人は、かなり稀だと思う。
加えて言えば、今回紹介したような「MVV」といった抽象概念、「STP分析」のような代表的なフレームワークを、有効活用できてる人も少ないように思える。
というのも「MVV→5W1H→STP分析」という手順で分析していくやり方自体が一般的には定着していないし、こうしたクリエイティブで独自なアプローチは実務において嫌われるだろう。なぜなら「前例がない」「Google検索の上に書いてない」からだ。
(私が認知してないだけで、SNSでぶいぶい言わせてるマーケターは裏ではガンガンに高度な分析とリサーチで精度の高いマーケティング施策で成果出しまくりなのかもしれないが…)
最後に、雑にこの記事で伝えたかった、私の真のメッセージをまとめておきたい。
工夫して生成AIを使いこなそうぜ!
マーケティング抽象概念から逃げるな、向き合え!
理論や知識をちゃんと実践に活かせ!
また、冒頭にもお伝えしたが「こんなものはただのゲーム」である。
私が間違っていたのか、世間が間違っていたのか、数年後に答え合わせをするための、賭けでしかないのだ。
もし読者のあなたが、既存のマーケティング手法であったり、巷の企業がばら撒いてるノウハウが、どうにも信用ならなかったり、イマイチ成果に結びつかないと感じているなら、私の考え方に賭けてみるのもいいだろう。
せいぜい、フォローしたり、記事をSNSで紹介するだけの大してリスクを背負わない、気軽な賭けなのだから。
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