スタグハントゲームから学ぶ、あなたが評価されないシンプルな理由

「なぜ、これだけ頑張っているのに評価されないのか？」

そんな疑問を抱いたことがある人も多いだろう。その理由は、周囲と違う行動を選んでいるからかもしれない。スタグハントゲーム――このゲーム理論を通して、組織の評価や協調性について見えてくるものがある。今回は、ルールを「鹿＝みんなと同じことをして協調性を遵守する」「うさぎ＝自らが評価され給料が上がる」と置き換え、協調と個人の利益追求のバランスについて考えてみよう。

スタグハントゲームのルールを組織評価に置き換える

「鹿」＝みんなと同じことをして協調性を遵守する

鹿を狙う行動は、組織内での「協調性」を重んじ、周囲と足並みを揃えていくことを指す。これは大きな成果を期待できるものの、誰かが裏切って「うさぎ」を選ぶと成果を得られないリスクがある。組織では、協調的な行動が評価基準に合致しているため、安心して評価を得られるが、インパクトが乏しいとも言える。

「うさぎ」＝自らが評価され、給料が上がる

一方でうさぎを選ぶ行動は、みんなと違うことを行い、自分自身の評価や給料アップを目指す行動だ。協調性を犠牲にしてでも成果を上げたいと考える選択であり、個人的な評価は得られるかもしれないが、組織全体の評価基準からは外れてしまうため、周囲の信頼を損なうリスクが伴う。

評価されない理由1：周囲との「協調性」を重視しない

組織では、チームの目標に向かって全員が協力して働くことが重視される。「鹿」を選び、他のメンバーと同じ行動を取ることでチーム全体の評価が上がり、自分もその一員として評価されることが期待できる。しかし、自らの評価や成果を重視して「うさぎ」を狙うと、「協調性に欠ける」と見なされ評価されない場合がある。

評価されない理由2：協調性よりも自らの評価や昇給を優先している

スタグハントゲームにおいて、他のメンバーが「鹿」を選んでいるにもかかわらず、一人だけ「うさぎ」を選ぶとチームの成果は得られない。評価や給料の向上ばかりを優先すると、チーム全体の目標達成から離れてしまうため、リスクを取っても組織内での評価は上がりにくい。挑戦よりも「鹿」を追う協調性の方が、組織内での評価基準に合致する場合が多いのだ。

評価されない理由3：周囲との協調意識を軽視し不信感を招く

組織では、周囲と同じ行動を取らないことで、不信感が生じやすい。「うさぎ」を選び、個人の評価を狙う人がいると、周りは「協力しない人」として認識する。チームの目標よりも個人の成果を重視する態度は、協力して鹿を追いかけているメンバーからの信頼を損なう。結果として、長期的な評価にも影響が出る可能性がある。

まとめ

スタグハントゲームが示すように、組織内での評価は「協調する意識」や「みんなと同じことをしているか」という点にも大きく依存している。協調を選ぶことで、全体の成果に貢献し、信頼を築くことが可能だが、あえて「うさぎ」を選んで自分の評価や給料アップを狙うと、思わぬリスクを招くことがある。組織で評価を得たいなら、まずはチームの目標や周囲との協調性に重きを置き、信頼を積み上げることがシンプルかつ効果的な道だ。