ワークマンの税込1900円厚底シューズ「アスレシューズハイバウンス」って実際にどうなん?
6月に出会ったこの1足。
今でもワークマンの店舗で品薄状態が続いていると耳にするが、私にとってはもはや体の一部のようなシューズとなっている(ニットアッパーなので靴下のようなものである)。
6月にワークマンの3店舗をジョギングで回った時に、それらの店舗にはこの1900円厚底シューズ「アスレシューズハイバウンス」の在庫がなかったが、次回入荷予定日を店員さんに聞いたので、たまたま購入することができた。
それから3000mTT1回を含む、ジョグやロングランなどでこれまでの数ヶ月で計310kmをこのシューズで走った。
それまでジョグではナイキのボメロ14やペガサスターボを履いていたが、もうすぐボメロを抜いて、私が使用しているシューズの走行距離1位シューズに君臨しそうな勢いである。
ちなみに、Stravaでは自分が使用しているシューズを登録することができるが、なぜかワークマンだけカタカナで表示される。
これは、とても斬新すぎるのだが、そもそもガチ系のアスリートに支持を受けているStravaに、そもそも「ワークマン」というブランドの名前が入る日が来るなんて想像もしていなかった。
もし、東京五輪が無事に開催されていれば、私は自宅にいる時間が少なかっただろうから、そもそも今年にジョギングを初めていなかっただろうし、そう考えるとこの1足とは本来、出会えていなかったのかもしれない。
「アスレシューズハイバウンス」の製品評価
(10点満点中)
反発性:3点(ミッドソール:BounceTECH)
一応“高反発ソール”と謳っている...!
軽量性:4点(265g, 26.5cm)※インソール挿入後の重量
安定性:3点(残念ながら横ブレに弱い)
グリップ:4点(“耐滑底”らしいが、価格相応)
疲労軽減:4点(厚底ならでは)
通気性:3点(アッパー:ニット)
ランニングシューズのジャンルでは通気性はあまり良くないほう
フィット感:4点(シューレースの少なさ、ヒール部分のホールド感に改良の余地あり)
パフォーマンス点(70点満点):25点
汎用性:3点(ゆっくり走るのに最適)
耐久性:7点(安いけど長くもつ)
コスパ:10点(税込1900円!!)
コストパフォーマンス点(30点満点):20点
合計(100点満点):45点
パーフォマンス点を見ると、このシューズが多くの人にとってレース用のシューズでないことがわかる。速く、長く走ろうとしたら、安定感の低いシューズは持久運動の終盤に影響してきそうである。
しかし、これはリカバリー用のシューズとしては重宝できる。ナイキのリアクトのフォームより反発性が高くないが、クッショニングの感じは少し似ている。
コストパフォーマンスは非常に高いが、それについては以下に詳細を記していく。
1. 低コスト低価格
ワークマンの開発担当者によれば、このシューズがこれだけ低価格で販売できるのは「生産コストを極力抑えることができているから」だという。
具体的には、
①:2色のみのカラー展開(ブラックorホワイト/イエロー)による大量発注でのコストカット(とはいえ需要に対して供給が追いついてないけど)
②:アッパーの製造コストダウン
の2点が挙げられる。
特にランニングシューズのアッパーは、技術改良によって製造コストだけでなく、製造時間の短縮も顕著であるという。テクノロジーの進歩は製品のクオリティ向上だけでなく、リーズナブルな製品の生産にも一役買っている。
(ワークマン他、ランニングシューズのアッパーについてはこちらの記事からどうぞ)
2. クッション性アップのためにインソールを入れよう
ワークマンのランニングシューズといえば、前作のアスレシューズライト(税込980円)をご存知だろうか?
私はこのシューズを2019年1月に購入し、2ヶ月履いた結果、足底筋膜炎を発症した。笑
クッション性がなさすぎたのだ。
ワークマンのランニングシューズは安価ゆえに、きちんとしたインソールが入っていない。そして、アスレシューズハイバウンスもインソールらしき「ペラッペラッ」のインソールもどきが入っているが、この上に100-300円程度で販売されている、もしくはもう履か亡くなったランニングシューズのインソールを挿入すると良い。
そうすると、クッション性が20-30%ぐらい増すような感じではある。これはワークマンシューズを愛用するなら覚えておきたい「技」の一つである。
ちなみに、アディスダスの新製品、アディオスプロや、アディゼロプロの走りごこちが柔らかく感じるのは、ミッドソールの弾性も関係しているが、少々分厚い固定式インソールの影響でもある。
インソールが入っているか否か、インソールがふんわりしているかどうかで、そのシューズで走った時の感触に差が出ることもあるのではないかと私は感じている。
3. ジョグとロングランに最適
いろんな練習でこのシューズを履いてみた。
・ジョグ
・ロングラン
・ファルトレク
・3000mTT
3000mTTの時はさすがに楽に出力を出せる感じではなかったため(レスポンスが遅いシューズのため)、いろいろ体のコアの部分を動員してやや強引に疾走した記憶がある。
私の感想では、インターバル走にはもちろん向いていないと思うが、体の使い方いかんではインターバルではパワーでねじ伏せることができるかもしれないと感じる。
一方、このシューズはペース走のようなある程度のペースである程度の距離を走るような練習が一番向いていないと思う。
「あぁなんか疲れてきたな」ぐらいの時に、プッシュしても全然ペースが上がらない、あの感じがやってくるのが早いからだ。
とはいえ、ジョグやロングランの練習には最適であると感じる。マラソンペースよりも+20-30秒ぐらいのペースぐらいまでは40-60分ジョグでは難なく履くことができ、インソールを挿入するとクッション性もある。
また、ロングランでは「ハイバウンス 」という名前からか、長い距離を走っているとシューズに足が馴染んでくる感触がある。反発はそこまでないけど、程よい反動を得るのでリズムを作りやすい。
4. 靴下みたいなシューズもホールド感には課題が残る
ニットアッパーは靴下のようなアッパーであるが、このシューズはヒール部分のホールド感が甘いので、サイズを1サイズ小さいものに落としたほうがいい、というレビューが多い。
私も確かにヒール部分のホールド感、そして少ないシューレースであることからフィット感には太鼓判を押せないが、それでもジョグやロングランにしか使わないということならそこまでこだわることでもないかな、と思っている。
確かに、3000mTTをした時は、そのホールド感の弱さが気になったので、パワーでねじ伏せた。笑
例えば、ゆっくりジョグの後に流しで95%ぐらいのスピードで走ると、そのホールド感の甘さと、接地のレンポンスの遅さがネックになるだろう。フワフワする感じで、安定性が高くない。
5. グリップ力は"価格相応"
(WorkManのWとMらしい)
このシューズは、ミッドソールが「高反発!」と謳っていたり、「耐滑底」のグリップということらしいが、比較対象が10000円以上もするシューズであれば話は別である。
あくまで税込1900円のシューズの中では「高反発」であり「耐滑底」であるのだ。つまりは、値段相応ということであり、この安価な商品にそこまで多くの機能を求めてはいけない。
そして、このシューズは恐らくトラックで履くことを想定して作られていない。比較的スピードを出して走るトラックよりかは、まだ雨の日に滑りにくいアスファルトの上で走る人たちに向けて作られている。
だから、コンチネンタルラバーのようなグリップ力を期待してはいけない。撥水性の高いアスファルトでは、路面が濡れていてもそもそもそこまで滑らないから、最低限のグリップ性能さえあればよい。
6. オススメの人
この1足が
【オススメの人】
・わりと中/上級者であまりジョグシューズにお金をかけたくない人
・好奇心が強い人 / YouTuberの人
・ワークマン女子
・シューズの着脱に時間をかけたくない人
・非カーボンシューズというジャンルのシューズで真の自分の実力を知りたい人
距離が何mであれ、このシューズでTTを行っている人は少ないと思う。猫ひろしさんが1000mTTをやっていたと思うが、上にも書いた通り、閾値ゾーンを刺激するような距離のTT(10kmやハーフとか)が一番キツい(前に進みにくい)と思う。
【オススメでない人】
・ランニング初心者
・体重がそこそこある人
接地時の横方向の安定感に欠けるので、初心者や体重のある人は安定感の高いシューズを買った方がいい。
7. 今も品薄?メルカリで定価越え
で取引されている。とはいえ、2500-3500円で、それでも安いのであるが...
販売から半年たった今でも定価越えで取引されているのは流石にすごい。定価1900円なので利益が出ないことから、転売ヤーも手をつけようとしない聖域の価格帯にある1足だ!
私がこのシューズを購入した時は、ワークマンのお店までジョギングで行って購入。その場でシューズを履き替えて、元のシューズを手に持ったまま家に帰った。
「今日はワークマンに入荷してるかなー」
という気持ちで、ワークマンにジョギングに行ってみよう。
そして、
今日もワークマンでランニングをして最高の1日にしよう 👍
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