すしログ江戸料理帖【桜飯(タコの鰹出汁茶漬け)】
「すしログ江戸料理帖」は今や絶滅危惧の「江戸料理」の魅力を伝えるレシピ紹介マガジンです。僕に「江戸料理」の魅力を伝えてくれたのは「江戸前芝浜」の海原親方です。この方は凄い料理人で、江戸時代の文献を読んで江戸料理を現代に復活させているんですよね。そんな人、めったにいません。
そして、僕も江戸料理の人気向上のために貢献したいと思い、本マガジンを始めました。江戸料理の魅力を簡単に挙げると以下のとおりです。
シンプルで手軽
季節や旬を感じられる
ヘルシー
日本酒との相性が抜群
江戸料理の魅力が伝わると幸いです!
さて、前回は江戸料理【イワシの焼き味噌和え】を紹介しました。
今回紹介するレシピは【桜飯】です。
これは旬のタコを煮て、ご飯に乗せて、鰹出汁で頂く料理です。夏にピッタリの料理ですが、アレンジとして出汁を冷やしておくと爽快感がアップ!
食欲が無くとも食欲が湧き、タコの強い旨味を実感します。
美しく美味しい!【桜飯】
この料理は1802年に刊行された『名飯部類(めいはんぶるい)』で紹介されているご飯物です。現代のタコを使ったご飯と言えば炊き込みご飯タイプのタコ飯が一般的ですが、今回の【桜飯】は出汁茶漬けなので、全く違う楽しみがあります。
使用する材料・調味料
大人2人分の材料です。
タコ足:好みの量
鰹出汁:茶碗1杯分の量
一味唐辛子:好みの量
僕は一味唐辛子を切らしていたので、糸唐辛子を使いました。ようはピリッとした辛味がアクセントになれば、どんな唐辛子でもOKです。
レシピ(作り方)
タコ足をさっと茹でる。
食べやすい(噛み切りやすい)厚さに切る。
ご飯の上にタコ足を盛り付けて、鰹出汁を掛けて、唐辛子を振って完成!
・美味しそうなタコがあれば、既に煮てあるものでもOKです。
・上記に書いたとおり鰹出汁を冷やしておくと、冷や汁のようにスッキリ爽快に頂けます。
最後にひとこと&日本酒とのペアリング
タコは強めの味付けを付けることが多い食材ですが、シンプルに食べると旨味の強さに驚きます。海域によっては甲殻類がエサなんですよね…だから、タコも甲殻類の強い旨味を持っていて、本当に上質なものは海老の香りすらします。
江戸料理らしくキリッとした鰹出汁が堪りません…
ご飯物で出汁茶漬けなので日本酒と合わせる人は少ないかもしれませんが、樽酒をキリッと冷やして飲んだり、杉の香りが漂う升で冷酒を飲んだりすると、江戸時代の人が味わえなかったペアリングが出来ると思います。
また次回を楽しみにして頂ければ幸いです。
励ましの「スキ」を頂けると、次のレシピを書く原動力になります!