見出し画像

すしログ江戸料理帖【冬瓜のもろこし餡かけ】

「すしログ江戸料理帖」は今や絶滅危惧の「江戸料理」の魅力を伝えるレシピ紹介マガジンです。僕に「江戸料理」の魅力を伝えてくれたのは「江戸前芝浜」の海原親方です。この方は凄い料理人で、江戸時代の文献を読んで江戸料理を現代に復活させている偉人です。

そして、僕も江戸料理の人気向上のために貢献したいと思い、本マガジンを始めました。江戸料理の魅力を簡単に挙げると以下のとおりです。

  • シンプルで手軽

  • 季節や旬を感じられる

  • ヘルシー

  • 日本酒との相性が抜群

江戸料理の魅力が伝われば幸いです!
さて、前回は江戸料理【もろこしアサリご飯】を紹介しました。

今回紹介するレシピは【冬瓜のもろこし餡かけ】です。
これは旬の冬瓜ととうもろこしを組み合わせた魅力的な出会いものです。とうもろこしと豆乳を組み合わせると洋食のような味わいになり、江戸時代に生まれた料理として驚くこと間違いありません。


【冬瓜のもろこし餡かけ】

【冬瓜のもろこし餡かけ】は、【もろこしアサリご飯】と同じく、1717年(享保2年)創業の「八百善」で考案された料理です。出汁を含んだ冬瓜ととうもろこしの甘味が絶妙なバランスで、温かくても冷やしても美味しい料理です。食べる温度帯で印象がガラリと変わるところも面白いです。

江戸時代にはすり鉢で餡を作っていたそうですが、現代人なのでミルサー(あるいはフードプロセッサーやブレンダー)を使うと圧倒的に楽で、しかもきめ細かい餡となり、自然と粘りが出るので片栗粉さえ不要となります。

使用する材料・調味料

大人2人分の材料です。

  • 冬瓜:好みの量

  • 鰹出汁:冬瓜が浸る量

  • 醤油:大さじ1

  • 塩:足りない分を好みで

もろこし餡の分量

  • とうもろこし:1/2本

  • 豆乳:80ml〜100ml

  • 塩:小さじ1/2

・冬瓜の下味を強く付けた方が江戸料理らしさが高まり、もろこし餡とのコントラストも強まります。ただ、黒っぽくなりすぎると清涼感に欠けるので、塩味(えんみ)は醤油よりも塩で調整するのが良いです。

・もろこし餡に水溶き片栗粉を用いるのが「八百善」流ですが、上記の通りミルサー(あるいはフードプロセッサーやブレンダー)を使えば不要です。

レシピ(作り方)

  1. 冬瓜は緑の部分が残らないように皮をむき、食べやすいサイズにカットする。

  2. カットした冬瓜を鰹出汁、醤油、塩で煮る。火が入ったら鍋をボウル等に張った冷水に浸して急速に冷やす(とは言え氷水でなく常温でOK)。

  3. もろこし餡を作る:とうもろこしの身を芯から外し、熱湯で茹でで水気を切り、ミルサーでペースト状にする。ミルサーに豆乳と塩を加える。

  4. お皿に冬瓜を盛り付けて、とうもろこし餡をかけて完成!

・豆乳を加える時は一気に加えず、粘度と味を見ながら確認するのが良いです。一気に加えてべシャべシャにしてはもったいないので。

・焼きとうもろこしを使うと香ばしさがアップします。

ちなみに、僕が使っているミルサーは下記のものです。

最後にひとこと&お酒とのペアリング

出汁をしっかりと含ませることで、とうもろこしの甘味と抜群なコントラストになります!そこまで難しい料理ではありませんが、ちょっとした料理屋さんの気の利いたつまみのような美味しさなので、作る満足感が大きい一品です。

この料理は、冬瓜に味を染みさせるのがポイントです。すぐに染み込まない場合、数時間から一晩寝かせるのもアリです。

この料理に合うお酒については…

  • 軽めの味のビールをうすはりグラスで

味が濃すぎない銘柄やタイプのビールを、軽やかにうすはりグラスで飲むのがベストです。鰹出汁の塩梅やとうもろこしの風味に、ビールが夏っぽさを加えてくれて素晴らしいペアリングになります。


また次回を楽しみにして頂ければ幸いです。

励ましの「スキ」を頂けると、次のレシピを書く原動力になります!


ご支援頂いた分は取材や執筆活動に投資します。より良い情報提供を目指します!