すしログ江戸料理帖【浦里(うらさと)】
「すしログ江戸料理帖」は今や絶滅危惧の「江戸料理」の魅力を伝えるレシピ紹介マガジンです。僕に「江戸料理」の魅力を伝えてくれたのは「江戸前芝浜」の海原親方です。この方は凄い料理人で、江戸時代の文献を読んで江戸料理を現代に復活させているんですよね。そんな人、めったにいません。
僕は海原親方には到底及ばぬ単なる素人ですが、江戸料理の人気向上のため微力ながら貢献したいと思い、本マガジンを始めました。江戸料理の魅力を簡単に挙げると以下のとおりです。
シンプルで手軽
季節や旬を感じられる
ヘルシー
それでいて日本酒との相性が抜群
江戸料理の魅力が伝わると幸いです!
さて、前回は江戸料理【スズキの酒塩焼き】を紹介しました。
今回紹介するレシピは【浦里(うらさと)】です。
【浦里(うらさと)】
今回紹介する「浦里(うらさと)」は、江戸の時代劇小説や古典落語、浄瑠璃などを好む方にはよく知られている江戸料理です。吉原の花魁が気に入った客の朝ごはんに作ったと言う、艶めかしいエピソードのある名物料理。料理名の由来は、十代将軍・徳川家治の治世の頃(1760年~1786年)、流行していた浄瑠璃『明鴉夢泡雪』に登場する遊女「浦里」にちなむとされます。サッと作れて美味しくて、ご飯のおかずにもお酒のアテにもなるすぐれものです。大根、梅干し、大葉、鰹節があれば、すぐに作れます。
使用する材料・調味料
大人2〜3人分の材料です。
大根:1/4本
梅干し:大2個
鰹節:5g
大葉:10枚
海苔:1枚(帖)
黒胡麻:好みの量
おかず版の場合・醤油:小さじ1
つまみ版の場合・塩:大根の2%以上
伝統的なレシピは大根、梅干し、鰹節、大葉のみですが、風味を加えるためアレンジしています。また、【おかず版】と【つまみ版】を用意しましたので、ニーズに合わせて使い分けてください(笑)
レシピ(作り方) おかず版
大根をおろす:大根の皮をむいて、鬼おろしでおろす。軽く水気を切る。
和える:種を取ってから包丁で叩いた梅干し、手でちぎってから叩いた大葉、鰹節、細かくちぎった海苔、大根おろし、醤油を混ぜる。
胡麻を散らして完成!
おかず版では大根の水気を抜ききらず、ジューシィに仕上げると良いです。
レシピ(作り方) つまみ版
大根をおろす:大根の皮をむいて、鬼おろしでおろす。
大根の水気を抜く:大根おろしを手で絞って水気を切る
和える:種を取ってから包丁で叩いた梅干し、手でちぎってから叩いた大葉、鰹節、細かくちぎった海苔、大根おろしを混ぜる。
胡麻を散らして完成
つまみ版については、じっくりと楽しめるよう水気を絞るところがポイントです。水気が出ると味がぼやけるので、
最後にひとこと&日本酒とのペアリング
この料理の魅力は、涼を呼ぶ味と複雑な香りにあると思います。誰でも簡単に手に入る食材で喜びを与えてくれるとは見事!シンプルだからこそ、予想を裏切られる味わいだと喜びひとしおですよね。
日本酒とのペアリングについては、以下のようなお酒が合うと思います。
高知の「酔鯨」や「船中八策」のようなキレがあるお酒
お米の旨味が強いお酒だと、清涼感を軽減しちゃうと思うので、スッキリ系のお酒と合わせるのが爽快です。
また次回を楽しみにして頂ければ幸いです。
励ましの「スキ」を頂けると、次のレシピを書く原動力になります!