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【日記】マッサージ屋でパンツ紛失した話

記念すべき一回目の日記である。
何度も挑戦しては挫折し続けた文章ですが、なるべく続けていこうと思います。

さて、この寒暖差のお陰で自律神経ヨワヨワ民の私はとてもしんどくて、体中のコリに頭痛吐き気胃痛下痢不眠蕁麻疹にメンタル瀕死の壊滅状態である。

持ち前の無職の才能も発揮されて仕事も休んでいる。

もうどうしようもなくなったら駆け込むドラクエの教会的な存在の駅にあるやさしいマッサージ屋さんがある。

そこでやさしい店員さんにカチコチですねと言われながら全身を撫でてもらい、宇宙みたいな音楽を浴びて、よい香りのアロマオイルを嗅ぎ、全身ヨシヨシなでなでしてもらう。お母さんに撫でられる子供のように。とても心地よい。

今日も謎の首の激痛で嘔吐するほどだったので駆け込んだ。
宇宙のような音楽を浴びて暗がりでうつらうつらしてたら、そういえばこのマッサージ屋でパンツなくしたなぁと思いだしてそうだ、日記でも書こうとなったのだ。

私はかなり気にしいで自分を追い詰める思考の持ち主なのだが謎の度胸と悟りと破滅衝動がある。多動性衝動的なHPS(造語)である。難儀。

パンツを紛失したその日もアロママッサージを受けた。時間になり店員さんが退出したので一人で着替えていた。

ぺろぺろの紙パンツを脱いで自分のパンツを履こうとしたときに【パンツがない】ことに気づいたのである。

もちろん私はパンツを着用して来店した。個室で盗まれるはずもない。

10分ほど冷静に探したが見つからなかった。最後のほうは少し焦りがあったが、ないもんは仕方がない。もうノーパンで帰ろうと決意し個室を出た。

店員さんに温かいお茶をいただいてお会計をした。
身体も心も癒してくれる、親切な店員さんである。
目の前の客がノーパンだなんて夢にも思わないであろう。

そして、片づけた部屋からくたくたの黒いおパンツが出てきたらさぞ恐怖であろう。

私は説明することにした。店員さんを困らせてはいけない。

「驚かずに聞いてほしいのですが、個室でパンツを紛失しました。一生懸命探しましたがどこにも見たたらず私はもう宿命として受け入れノーパンツで帰宅します。大変申し訳ないのですが、片づけた際に出てきたら処分をお願いします。」

私は堂々と簡潔に説明し心から謝罪をした。
店員さんは漫画のようにうろたえていた。

「えっ、はっ、えーっとすしえさんのパン……おパン……下着がなくなったということでしょうか……?」

「はい。私の黒いパンツがなくなりました。もし出てきましたら処分をお願いします。」

こんな会話は語学のとんでも教科書にもないと思った。やさしい店員さんはものすごく焦りながら個室にピットインして、籠や備品やタオルをひっくり返し探してくれた。

私はなぜかそれを観客のようにソファーに座り見ていた。探さなくていいのに申し訳ないなとか思いながら。

そして見たことない白いプラスチックボックスから
するりと影が落ちた。

私のクタクタの黒いパンツである。

店員さんは安堵したような、困ったような笑顔で

「これっ、あの……おパ……これ、ですよね⁉⁉」

「はい、私のものです。履いて帰ります」

荒れ狂った個室でパンツを装着してお礼を伝えて帰宅した。

まだそのマッサージ屋さんに通い続けています。

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