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鶏を極めたらこうなる #三歩一
「ラーメンのことをそばと呼ぶ店は美味しい」。この概念を形成するに至った鶏そばのお店がここ。ラーメン激戦区の高田馬場ではどんなお店を出しても大抵競合他社が存在していて、実際に鶏白湯ラーメンのお店が近くにある。そんな中でも大学時代に食べた味を覚えていたので久しぶりに訪問してみた。
馬場のロータリーから漏れ出る不穏な空気から路地へと逃げ込む。お店はすぐそこ。数年前に来た時よりも年季が入っている気がする。学生時代を過ごした街なので、鼻高々に歴史を語ってしまう。
濃厚鶏そば(800円)。何かと淀んだ雰囲気の否めない高田馬場でもこのスープは純粋。白湯スープはとろりと存在感を放つが、純粋という軽やかさがある。鶏チャーシューは2種類で、片方は炭火の香り高く、もう片方はとろりと蕩けるので箸で掴もうにも崩れる。じっくり抽出した鶏のスープの中で、同じ鶏がアクセントになる不思議。このお店は鶏を巧みに操る。麺は細麺ながらもモチっと噛ませるので、咀嚼と共に鶏を感じるには最適。
こういうお店は主張が激しいほどこだわりを感じて好きになる。おすすめだけでなく、おすすめしない食べ方まで書く。人それぞれの食べ方を容認しつつ、主張はしっかりする。この一言に信頼感を抱く。
じゃあ濃厚鶏そばには何がおすすめなんだと言えば自家製ラー油らしい。食べる前から想像できていたが、これが外れるはずはない。今まで丸かった輪郭をラー油で締め上げ、一杯の起承転結を形作る。味変はストーリーだ。ご馳走様でした。
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学生街の味↓