エニアグラムについて part6〜囚われが生まれた理由〜
エニアグラムについて解説していきたいと思います。
これまでもpart1~5で説明してきました。
エニアグラムは自己探求、自分を客観視するのに最適のツールだと思います。
しかし、自己診断に使うのは難しい。
実際に診断テストの結果が違っていたというケースは多いようです。
自分が自分を診断するときにどうしても先入観が邪魔をします。
自分はタイプ3だから、とか言って自分を固定するより、一旦自分のタイプを3だと仮定して、そのタイプを中心にエニアグラムの世界を理解し、他人を理解する、そういうツールとしたほうが良いかも知れません。
古代から伝わる神秘的な図形、数字、世界観を現代の心理学的にアレンジしたものがエニアグラム。
人間の心を理解する学術体系としては大変深く、為になりますが、自分の性格を理解しようとするのは、また別の問題。
エニアグラムのタイプを知れば知るほど、そちらに意識が引っ張られて、客観性を欠く。
そんな気もします。
9つの性格はきっと誰の心の中にもあるもの。
その反映が他人の中に映っていると考えて、自分と他人を繋ぐためのツールとした方がいいのかなと思い始めました。
それでは今回はタイプ別の囚われがうまれた理由について解説します。
子供は、自らの本質から導き出された特性を活かして、母親や周囲の愛情を得ようとします。
この特性は6歳位までに身につくと考えられています。
元々この本質が遺伝なのか後天的に得たものか、専門家の中でも意見は分かれるようです。
どちらにしろ、本人には意識出来ない領域なので、とりあえず無意識にとる行動のパターン、思考のパターンとして考えましょう。
この過程で自分の得意な方法をしだいに強く意識し、それに執着するようになるのです。
これが「囚われ」を生むのです。
成功パターンに固執するのは大人も一緒ですね。
こうした囚われは本人には誇りと感じられ崇高です。
これでうまく出来たと思っているのですから。
しかし、これが行き過ぎた、良くない傾向となって固着してしまうのです。
結果的に「~せなばならない」という超自我の声を生み出します。
今回は超自我の声という側面から各タイプを見ていきましょう。
これは普段は無意識に沈んでいるので気づきません。
本人にしては当たり前に思っていて「~しなくては」という縛りに繋がります。
感覚としては「こうすれば大丈夫だ」というような意識の方向です。
【エニアグラム9タイプ】
タイプ1:改革する人
一貫性や良識で他の人を導く。一方、完璧主義で憤慨する場面が増えることも。
タイプ2:助ける人
寛容さや癒しの力で輝く。一方、人を喜ばせることに走りすぎる。所有欲に悩む。おせっかい。
タイプ3:達成する人
優秀で真正であることの模範となる。一方、成功や地位を闇雲に求めてしまう。
タイプ4:個性的な人
創造性や直観力を発揮。むらっ気があって、自意識に足をひっぱられることも。
タイプ5:調べる人
未来を見通す知性や独創性がある。一方、エキセントリックになり孤立することも。
タイプ6:忠実な人
サービス精神の見本となる。一方、不安や反抗心に悩まされる。
タイプ7:熱中する人
多くを達成し生き生きしている。一方、衝動や短気に襲われる。飽きっぽい。
タイプ8:挑戦する人
パワフルで寛大なリーダー。一方、他人を威嚇したり支配する。
タイプ9:平和をもたらす人
人をまとめ葛藤を癒す。消極性や頑固さに足を引っ張られる。
タイプ1:改革する人。
一貫性や良識で他の人を導く。一方、完璧主義で憤慨する場面が増えることも。
超自我の声「正しいことをすれば大丈夫だ!」
この囚われが生まれた背景には「間違っては駄目だと」無意識に受けたメッセージがあります。
無意識では、自分が悪く、欠陥があり、邪まで、堕落していることを恐れているのです。
高潔さと堕落。この二極の価値観があるからこそ、そのポジティブ側の高潔さに過度にこだわるのです。
気を付けなければならないのは「批判的な完璧主義に陥ること」
タイプ1の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「あるがままで良い」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。
高潔さと堕落の二極を見つめて、どちらも自分だな、と認める感じです。
タイプ2:助ける人。
寛容さや癒しの力で輝く。一方、人を喜ばせることに走りすぎる。所有欲に悩む。おせっかい。
超自我の声「人から愛され、その人達と親しければ大丈夫だ!」
この囚われが生まれた背景には「自分の欲求があっては、良くない」と無意識に受けたメッセージがあります。
無意識は、自分が愛されるのにふさわしくないことを恐れているのです
必要とされること、必要とされないことこの二極で揺れています。
気を付けなければならないのは「必要とされることだけに価値を置くこと」です。
タイプ2の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「あなたに、いて欲しい。」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。
周りから、必要とされても、されなくても私は私!という感じですね。
タイプ3:達成する人。
優秀で真正であることの模範となる。一方、成功や地位を闇雲に求めてしまう。
超自我の声「成功していて、人から良く思われれば大丈夫だ。」
この囚われが生まれた背景には「自分の気持ちや自分らしさがあってはよくない」と無意識に受けたメッセージがあります。
無意識が本来の自分に価値がないこと、そう見られることを恐れているのです。
成功と失敗、成功するからこそ、自分に価値がある、失敗は恥ずかしいと思っています。
気を付けなければならないのは「ひたすら成功のみを追求すること」
タイプ3の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「あなたは、ありのままで愛されている」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。
成功しようが失敗しようが私は私だ!という感じですね。
タイプ4:個性的な人。
創造性や直観力を発揮。むらっ気があって、自意識に足をひっぱられることも。
超自我の声「自分に正直であれば、大丈夫だ。」
この囚われが生まれた背景には「うまく生きたり、幸せ過ぎるのは、よくない」と無意識に受けたメッセージがあります。
無意識が自分らしさや個人の存在意義を持たないことを恐れているのです。
自分らしいか?らしくないのか?そこが大変重要です。
気を付けなければならないのは「自己放縦になっていないか」
タイプ4の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「ありのままのあなたをわかっています」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。
自分らしさを織の中でもがいていたのかな?そのままで、充分自分らしいと認めてあげるといいですね。
タイプ5:調べる人。
未来を見通す知性や独創性がある。一方、エキセントリックになり孤立することも。
超自我の声「何かに熟達したら、大丈夫だ!」
この囚われが生まれた背景には「世界の中で心地よく居るのは、よくない」と無意識に受けたメッセージがあります。
無意識が役に立たず、無力で無能であることを恐れているのです。
そこを埋めるように、調べたり、専門性を上げようとします。
気を付けなければならないのは「無用な専門家」
タイプ5の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「あなたは安心していていいのです」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。
考えることによって安心を得ようとしますが、考えても及ばないこともあると自分に言い聞かせることも必要です。
タイプ6:忠実な人。
サービス精神の見本となる。一方、不安や反抗心に悩まされる。
超自我の声「期待されることをすれば、大丈夫だ!」
この囚われが生まれた背景には「自分自身を信頼するのは良くない」と無意識に受けたメッセージがあります。
無意識が支えや導きを持たないことを恐れているのです。
外から期待されていることで自分を保とうとします。
気を付けなければならないのは「信念に対する執着」
タイプ6の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「あなたを信じて大丈夫です」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。
タイプ7:熱中する人。
多くを達成し生き生きしている。一方、衝動や短気に襲われる。飽きっぽい。
超自我の声「必要なものを手に入れたら、大丈夫だ。」
この囚われが生まれた背景には「どんなことでも人に頼るのは、良くない」と無意識に受けたメッセージがあります。
無意識が必要なものを奪われ、痛みから逃れられないことを恐れています。
何かを手に入れることで安心し、それを求める力が熱中を生み出します。
気を付けなければならないのは「現実逃避、次々と目先を変えてしまうこと」
タイプ7の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「あなたは、大事にされます」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。
時には人に頼ってもいいし、棚ぼた的なことを期待してもいいのです。
タイプ8:挑戦する人。
パワフルで寛大なリーダー。一方、他人を威嚇したり支配する。
超自我の声「強くて、自分がいる状況をコントロールしていれば、大丈夫だ!」
この囚われが生まれた背景には「弱みがあったり、人を信頼するのは、良くない」と無意識に受けたメッセージがあります。
無意識が他者に傷付けられ、コントロールされることを恐れています。
強いか、弱いかそういったところに信念を持っています。
気を付けなければならないのは「絶えざる闘い、戦わないと勝ち取れない」
タイプ8の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「あなたは裏切られません」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。
勝ち負けを超えたところに、答えがあるという気持ちも大事です。
タイプ9:平和をもたらす人。
人をまとめ葛藤を癒す。消極性や頑固さに足を引っ張られる。
超自我の声「周りの人が大丈夫であれば、大丈夫だ!」
この囚われが生まれた背景には「自己主張するのは、良くない」と無意識に受けたメッセージがあります。
無意識が繋がりの喪失、分裂を恐れているのです。
自分を抑えることで周りの人とのつながりを保とうとします。
気を付けなければならないのは「頑固な怠慢、スルーすることで乗り切ろうとする」
タイプ9の人は無意識の恐れの声を聞いてあげて、本当は「あなたが、存在していることは、大事です」って言われたかったんだなと振り返ってみると良いですね。自分の意見、気持ちを大切にしてあげましょう。
9タイプの傾向を見てきました。
囚われを考える上で必要なのは『無意識』へのアクセスです。
無意識が感じていることなので、普段は感じていないと思います。
むしろ、その逆の意識が強いはず。
強くありたい!という気持ちの裏には弱くては駄目という気持ちがあります。
そして、それは無意識に沈んでいる自分の弱さが元になっています。
無意識から発せられる超自我『~せねばならない』はそのままでいることを拒みます。
『そのままで愛されたい』それはだれもが望むことですが、一度自分の中にある超自我の声を聞いてみると、ふと我に気付くと思います。
『そのままで』の、どういう状態が自分にとってのそのままなのか。
人それぞれが違うはず。
そこが自分でわかるとより具体的に自分を客観視できます。