【謎解き攻略レビュー】鉄道探偵2024年「鉄道探偵と氷点下2℃の幻影」
京王線・井の頭線と都営地下鉄を舞台にした推理要素を取り入れた謎解き。第9弾となる今回は、参加冊子が無料とは思えないクオリティの高さはそのままに、よりドラマチックになった鮮烈なストーリーも印象に残りました。
鉄道沿線で巻き起こる事件を解決するうちに「鉄道探偵」と呼ばれるようになった男「K」と、その助手「J」の活躍を描く人気の謎解きシリーズ。
今回は「病気で亡くなった写真家」が残したものを巡るドラマチックなストーリーと共に、過去シリーズと同様、「京王編」「都営編」、2つのコースをクリアした人が挑戦できる「エクストラ編」をプレイする構成でした。
京王編:鉄道探偵Kの視点、京王・井の頭線沿線が舞台
都営編:助手Jの視点、都営地下鉄沿線が舞台
エクストラ編:上記2編が結びつくストーリー、現地探索なし
京王編、都営編とも謎を解くと向かうべき駅名がわかり、訪れた駅周辺の探索で得た情報(イベント用掲示物)から次の問題を解く電車・鉄道系謎解きのオーソドックスな展開。各駅の探索スポットは、駅構内や、改札から徒歩数分の範囲内で、街歩きをする機会はありませんでした。移動を含めプレイ中はほぼ屋内、又は屋根のある状況で、雨の日もプレイしやすい内容です。
2編はどちらから始めても支障ありませんが、問題傾向に若干違いがあり、「論理的に考える思考力や洞察力」が必要になる京王編と、「直感やひらめき寄りの問題が多め」の「都営編」と変化に富んだ内容になっていました。
エクストラ編は、京王編、都営編のストーリーが結びつく、最終問題的な位置づけ。プレイ時間は30分前後と短めで、現地探索の必要無く、問題冊子を折ったり重ねたりしながら仕掛けられたギミック(トリック)を解き明かす作業系の内容でした。
謎解きは、推理要素を含んでいますが、完全な推理問題ではないのが鉄道探偵の特徴。あくまでベースは謎解きであるため、冊子に仕掛けられたギミックに驚いたり、ひらめき問題を解き明かす楽しさもあるハイブリットな内容でした。
また、今回、特に印象に残ったのはドラマチックなストーリーでした。病気で亡くなった写真家が「残した物」を巡るミステリアス展開や、足を使って調査する泥臭さが感じられる鉄道探偵の描写は、硬派な探偵モノ小説の世界に入り込んだ気分に。
特にエクストラ編は、写真をモチーフにした今回の物語らしい、情景が目に浮かぶ鮮烈な印象のあるストーリーに仕立てられていました。京王編と都営編の2つの物語を結びつけ、さらにその先の未来を垣間見ることが出来る構成で、高い余韻が残りました。今回の「氷点下2℃の幻影」というサブタイトルの意味がエクストラ編をプレイすることでわかる仕掛けです。
問題冊子が無料にも関わらず、今回も期待を裏切らないクオリティの高さでした。鉄道ファンに限らず、謎解き好き、探偵ものが好きな人にもオススメできる内容でした。
それでは、最後まで記事をご覧頂き、ありがとうございました!
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