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IoTわな作動通知システムの開発 番外編〜『目指せシカ!心と身体を整える生き方』を読んだ感想〜

友人から依頼があり、イノシシやシカなどの狩猟用わなに取り付けるIoTわな作動通知システム(以下、IoTわなシステム)を開発しています。「IoTわな作動通知システムの開発シリーズ」では、開発過程をまとめています。

今回は番外編です。上記の友人が、なんとシカに関する電子書籍『目指せシカ!心と身体を整える生き方: お山の上からお皿の上まで』を、2025/1/1にkindleで出版しました。早速読みましたが、シカから学ぶ生き方の話が興味深く、一気に読みました。いつもは技術ブログがメインですが、2025年初記事は書籍レビューにチャレンジです。下記から購入できます。kindle Unlimitedでも読めます。


■ この本を読んだ目的、ねらい

この友人は、すでにSORACOM LTE-M Button Plusを活用したIoTわなシステムを自作して運用していましたが、実運用上の複数の課題があり、改良版を作製できないかとの依頼を受けていました。この依頼を受け、猟師がどのような考えで狩猟をしているのかなど、狩猟に興味を持ちました。高知の知人にも狩猟をしている人がいるため、これも含めて興味を持ちました。

また、書籍タイトルの「目指せシカ」ってどういう意味!?というのも気になりました。

■ 読んでよかったこと、感じたこと

シカの狩猟の話から始まるのですが、シカを通して考える生き方に関する内容が特に興味深く感じました。いくつか心に残った言葉をご紹介します。

◎ 獲ったシカの9割は捨てられている

獲った9割のシカは廃棄物で捨てられていることが分かりました。シカは害獣なので、畑の作物を守るために駆除されていますが、ほとんどが食肉として利用されていないのです。

2章

獲った9割のシカが廃棄されていることを知り驚きました。地域差はあると思いますが、スーパーでシカ肉を見かけることは少なく、調理法やレシピが知られていないため市場ニーズも低いのだと感じました。

高知ではシカやイノシシのどの程度が廃棄されているのか、農作物の被害はどの程度か、そして原因は何か?生態系が保たれていた時代と比較すると、どのような変化があったのか。次々と疑問が湧いてきました。

◎ 目指せシカ!

シカはいつもすごく元気です。そのシカを見て、私は常々「目指せシカ」と思っています。「自分はいったい何がしたいのか」と悩んでいるシカなんていないし、「危ない」と思ったらすぐに逃げるし、足を組んだり肘をついたりしていないので骨も歪んでいません。メンタルも身体も整っているから、あんなに美しい肉が手に入るのです。(中略)原点回帰で人間の本能を研ぎ澄ませると、野生的な本能も目覚め、シカに近づいていくのです。

4章

確かに、「自分はいったい何がしたいのか」って悩んでいるシカはいないですよね。人間の動物的な本能を研ぎ澄ませること。現代社会において、大切なことかもしれません。

◎ 「作れる」という心の余裕と自信

「作れない」より「作れる」ほうが選択肢が広がり、自分の生活を支えてくれているモノコトに感謝がうまれ、何かあっても自分で作れる、自分でなんとかできる、という心の余裕や自信にも繋がっていきます。

5章

下手でも自分で作ってみたり、やってみたりすることは、私も大切にしている考え方なのですが、このように言語化できていませんでした。自分で作ってみることでその大変さに気づき、そこから生まれる感謝の気持ち、普段はお金を使って誰かにやってもらっていたとしても、いざというときに自分でも作れるという心の余裕。

引き続き、自分で作ってみる、やってみるを大切にしていきたいと感じました。

◎ 全ての命に対する感謝の気持ち

生きていくことは簡単なことではありません。色んな出来事、経緯を経て、ひとつの流れの中で私たちは生きることができています。想像を膨らませてみると、たくさんの気づきが起こってくるでしょう。ひとつひとつを噛みしめて、味わうこと、感じることが感謝への第一歩だと確信しています。(中略)全ての命に対する感謝の気持ちを持てたら、自分自身に対してもおのずと感謝の気持ちを持てるはず。

5章

この文章を読み、私自身、食事の中で命を頂いているという感覚が薄れてきていると感じました。命と食事は本来つながっているはずなのに。書籍のサブタイトルにある「お山の上からお皿の上まで」を意識すること、命に対する感謝の気持ちを持つこと。意識していきたいと感じました。

■ この本を読んで、自分は今から何をするか

  • 高知の狩猟や農作物への被害について調べる

  • このような背景を知ったうえで、IoTわなシステムを開発する

  • できることを増やす。まずはこのIoTわなシステムを「自分で作る」ことから

  • ぼんやりと思ってまだ具体的に実行できていない、食べ物の自給、エネルギーの自給、住まいの部分的な自給を進めたい。自給技術を高めたい

  • 食事をいただく際、改めて「いただきます」と感謝する

■ まとめ

この書籍は、シカを通して生き方を考えさせられる大変興味深い内容でした。地元の同級生である友人がkindle出版を実現し、シカ肉を軸に活動している姿にも大いに刺激を受けました。

山間部の電波が弱い環境下でも通信が可能となるよう工夫を凝らしたIoTわなシステムの開発を進めるとともに、この本から得た気づきを生かして行動していきたいと思います。内容に興味を持たれた方は、ぜひkindle書籍を手に取ってみてください。

■ 参考
・著者のブログです。


・著者プロフィールです。

・IoTわな作動通信システムの開発シリーズをマガジンにまとめています。


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