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【知の曼荼羅】生活者視座と供給者視座

顧客視点あるいは生活者視点という言葉を近年よく耳にします。これは本当に生活者の身になって考えていることなのでしょうか。企業の中から出て一生活者として考えてみると、実は違うのではなかったかという疑念が湧き上がってきます。企業の目的や願望が頭の中にあった上で、顧客あるいは生活者のニーズを都合よく想定しているのではないか、そしてそれは本当のニーズとはけっこう違うのではないかといったような居心地の悪さです。
これについての考察を深めていきたいと思います。


視点と視座の違い

まずは、「どうして視点ではなく視座なのか」からご説明します。

視点と視座はどちらも物事を観察したり考えたりする際の立ち位置や観点を指しますが、一見同じように見えて実は本質的な違いがあります。

まず、視点は、一般的に特定の視野や角度から物事を見ることを指し、より具体的で一時的な見かたを表すことが多いです。視点は、ある特定の場面や状況における観察や考察のための位置づけとして使われることが多く、例えば「この問題を学生の視点から考える」といった使い方をします。企業の場合ですと「あるモノやサービスを売ろうとする場面や状況を顧客の視点から考える」となります。

一方で、視座は、より包括的で長期的な立場や姿勢に基づく見かたを表すことが多いです。視座は、個人や組織が持つ価値観・倫理観・世界観に基づいた立ち位置と言ってもいいかもしれません。ある個人や組織がどんな時にどんな判断や行動を行うかの源となるとともに、長期的な方向性や目標にも大きく影響します。

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