2024/01/04の平沢進さんポストの感想
乖離の症状が出ていた人にそれは分岐だという新しい視点を示していたのが印象的でした。
現実と心が分離してしまうのを乖離症状といい、今回の場合は離人症と現実感消失症にあたるのではないかと考えられます。それが進行すると精神疾患につながるのですがそれはまたそれです。
なぜ「それはそれ」と線引きしたのかは後述いたします。
平沢さんも過去に痛みを味わってその苦しみを知っているからそういった視点での見解を示すのは平沢さんなりの優しさなのだろうと思います。人の痛みに添えるのが全て医療的な投薬と認知療法だけではないと私は思うのです。心の糧や人の温かみも必要なのだと思います。ひどい統合失調症の人も主治医がその人の中に残った正常さを信じてくれたから回復したと言う話があり、詩人のゲーテも「人のあるべき姿を見て接すると、その人の人間としての可能性が開花される」と言う言葉を残しており、それは世界の輪郭のうちの一つなのではないでしょうか。
それと同じ統合失調症で回復する人とそうでない人の家庭環境の差異に前者はその患者の事を受け入れて許容し、後者は病気による症状を許さないような厳しさがあるようです。平沢さんは自身の経験と善性の高さから無意識にそのある観点から見たら不適切であり治療が必要といったある種の病的さをそれでもいいと許し、悩める人の人生を正しいものだと肯定してあげているのではないでしょうか。
痛みを知り得るからこそのアーティストとしての過去の昇華を伴う傷の手当ての方法が視点を変えて苦しみを苦しみとしてではなく新しい形でその人の中に灯りとして宿ればそれは欠点や病気などではなくその人の暗澹とした世界を照らす星になり得るのではないでしょうか。
いいポストだったなぁ。
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