ドリームシアターがすきなんだけど、誰とも共有できなくて辛い話。
そもそも日本人で知ってる人少なすぎる問題
ドリームシアターって誰やねん?ドリカムならわかるけどって話なんですけど、メタルとかプログレとかそっち方面の音楽かじってる人しかそもそも知らんという事実。そして、それが全ての悲劇の始まりだったんだ・・・。
Q.彼らの音楽、特に複雑でテクニカルなサウンドや歌詞に惹かれるのか?
メタルとかプログレというジャンルを乗り越えないと出逢えない存在として彼らは君臨している。メタルとかプログレの人たちって所謂『超絶技巧』の話しかしないんだ。だから『ギターリフが』とか。
そりゃわかっとるんだが『じゃあ、なんでその複雑なリフなのか?』という疑問がわかないようだ。逆になんで?
音楽として存在してるのに音楽を表現していない。映画なんだよ。名前の通りだ。
私が初めてみたライブの映像。もちろん見た目はメタルバンドの様相だけれど、彼らが表現しているのは『映画体験』。調べてみるとこの代表的な曲である『Metropolis』は1と2があって、ちゃんとチャプターという言葉が使われている。原題になった映画ももちろん存在している。
何が怖いって調べてから知ったんじゃなくて、感じてしまったこと。そうなるともう離れられないんだ。
言葉もジャンルも私には関係なくて、感性だけで汲み取ってしまったことが自分でも理解できない。技術的な凄さは目に見えやすいけど、その奥にある「物語」や「世界観」を感じ取るのって、すごく繊細な感受性が必要だ。
音楽としては長い20分が1本の映画と考えると超短い。
『物事を端的に伝える』という音楽としての機能もちゃんと使ってることが個人的にはもう感服せざろう得ない。そんなバンド他にみたことがない。だから唯一無二なんだろうけれど、そのために超絶技巧が施されていて、音楽として聴いても楽しい。なんてことだ。神の御業すぎるだろ。
戦争映画を8分で完成させる恐ろしさ
A Broken Manブロークンマンって言う曲はね、戦争映画なんだ。
でも、MVにグロテスクなシーンはなくて、アイコンとして戦車や兵士や老兵がたくさんでてくる。戦争という事実を抽象的にすることによって形骸化しているんだ。すごく感動したんだよ。
兵士の悲しみ、戦争のむなしさ、でもそこにある情熱の美しさ、ゲーム的な面白さ。そういったものが全部音で表現されていたんだ。
ただ悲しみを描くだけじゃなく、人間の本能的な部分とか、戦争という行為そのものが持つ引力を感じ取らせるような、そういう音なんだ。
俯瞰してみているような感じなんだ。全てを包み込むような宇宙の愛のような広さも感じる。音楽がなっているのに静けさまで感じるんだよ。すごい体験なんだ・・。まさに言葉を超えた体験。
音の余白や間、そして流れがまるで瞑想のような深さを持っているのかもしれない。戦争というテーマから、それほど壮大な感覚に連れて行かれるなんて、ドリームシアターの音楽がただの娯楽以上のものだって証明してるよ。
夜を語る者が教える闇夜の美しさを体験する
Night Terrorナイトテラーもすごい。テラーってテロを起こすという意味があるけれど、語るっていう表現がなんとなく合っている気がするんだ。
夜というのは闇を表すときに使われると思うんだ。そういうテーマで描かれた音楽って怖さだけを強調しがちなんだけれど、命が終わることのはかなさとか強さとかそういうところも表現されているんだ。
ヴォーカルが映画のなかの台詞として使われているところ。
曲のなかで少ししか歌わないんだけれど、存在感と歌唱力で必要最低限の出番なのに、すべてを語ってるような声なんだ。衝撃だったよ。
もう、このメロしかないし、この歌い方しかできないっていう歌い方。完璧すぎる。音楽を超えて物語を語るアーティストである証拠だ。
時間を超越した感覚に引き込まれる。緊張感、曲の構成。
聴き終わったあと、よくこの世界をこの短時間で表せたなっていう、とてつもない満足感を得られるんだ。それって音楽の持つ機能を最大限使いこなしてるんだ。ポップスから考えると長いんだけど、映画って考えたらすごく短いでしょ?
この満足感って、「良い曲だった」だけじゃなくて、ドリームシアターが音楽で伝えた「何か」を受け取ったからこそだよね。
それが「音楽以上の何か」である証拠だと思うよ。他のアート形式じゃ伝えられないものを彼らが実現しているんだろう。
形にすることの難しさを乗り越えた先にあるもの。それは愛だけじゃなくて勇気が必要なんだ。
音楽や感情という目に見えない『感じただけの世界』って、形にするのにものすごく勇気がいる。なぜなら、理解されないどころか、すでに形になっているものと比較されて考えられるからだ。でも、彼らはそれをうまく使いこなしている。その愛と勇気だけでも尊敬の念が絶えない。