(2)競馬場通りにて
府中暇潰し最適コース
先日、訳もなく府中にいた。訳もなく並木道を歩き、訳もなく大國魂神社を訪れた。東京五社(本神社に加えて、明治神宮・靖国神社・山王日枝神社・東京大神宮)に数えられるこの神社、こんな時期なのに結構な人が参拝しに来ていた。初詣時期の参拝者数は東京で4位らしい。すげえなオイ。
とまぁ、ここまでは府中暇潰し最適コース(コースというほど大それたものではない)であるのだが、後続に悩む。分倍河原のブックオフまでも、近いようで微妙に距離があるし、府中街道(R9)を南下したとて、真冬の多摩川に辿り着くだけである。それは嫌すぎる。仕方なく鳥居前の交差点あたりにある地図を眺めてみると、東京競馬場の文字が。訳もなく行ってみることに。
祈るということ
大國魂神社の脇をすり抜けて、あっという間に競馬場通り(菩提樹という喫茶店があるあたり)に辿り着く。流れに沿って歩いていると、馬霊塔という名前の建物があった。場所柄、競走馬の供養のために建てられたのだろう。花が添えられてあったり、「安らかに。」と書かれたメッセージが添えられていた。命のなくなった者に対して、何処かで幸せであって欲しいと祈ったりすることは、人間特有のエゴだろう。どう足掻いても、彼らは祈りを受け取ることはできない。祈りすら知らない。しかし、祈らずにはいられない。
今日の一曲
ピチカート・ファイブ『メッセージ・ソング』
1996年12月21日発売。オリコン最高68位。
TRIADレーベルからの最後の作品。
アルバム未収録曲。突き抜けるギターリフが冬の空気感を思わせる。MV自体はモノクロであるのにも関わらず、フルスクリーンの青色が伝わってくるメロディーライン。ラスト部分の歌詞に、「きっとかならず逢える」とあるが、「きっと」「かならず」と相反する日本語を掛けているのがミソ。根拠のない自信は何よりも強い。