大山田

1999

大山田

1999

最近の記事

(7)友人Kについて

友人K神奈川県南部。海の風が吹く町に住む高校時代からの友人Kの家にいる。彼が美術大学出身でグラフィックデザインを専攻していたとかいう話は置いておいて、彼は一時間くらい前に会社に行ってしまった。月曜日の朝である。時計を見ると時刻は10時15分を指している。なんと中途半端な時刻に起きてしまったんだろう。せめて8時台に起きていれば「早起きムーブ」に入れていたものの、11時以降に起きてしまった「明日からがんばっていきましょうムーブ」にも入れず仕舞いである。 他人の家にひとりの状態で

    • (6)感傷旅行

      東京都八王子市という立地が自分には性に合っていた。クラクションが鳴り止むことなんてない都会でも、コンビニエンスストアが街の中心になっているような田舎でもない、言ってしまうならば中途半端な環境にいる方が楽だった。 もう会うこともない人もいるだろう。後悔はない。最後に皆の顔を一度だけ見たい。顔を見るだけでいい。そのためには、できるだけ早くファッションショーを終わらせて、歩いて二十分弱もかかる成城学園前を発車する唐木田行きの多摩急行に乗り込まなければならない。 大事な人から

      • (5)来るべき言葉のために

        2021年1月19日の午後2時、甲州街道にて車を走らせていた。相方が新宿のヨドバシカメラに用事があるというらしかった。ポジフィルムの現像が済んだらしい。レンタカー車のコックピットに乗り込み、甲州街道まで出てからそのまんま東へ法定速度くらいで動いていると、バックミラー越しに目視できる車たちが、何の躊躇いもないスピード感で自分たちを追い越していく。先ゆく車たちは、だいたい80%くらいの確率で同じ赤信号に足止めを喰らっている。その追い越すという行為に意味はないだろう。 「左からの

        • (4)2020

          大晦日大晦日という語感は好きである。どう考えても、「日」を「か」とは読むことはできない。少なくとも私のアタマでは。漢字の読み方くらい例外的な日、ということなのだろう。久しぶりにSNSを眺めてみると、今日だけは、誰に対しても平等に「元気にやっているのならよかった(いいね!)」といった、一種のお父さん的な感情を憶えてしまったようだ。まだ二十代前半だぞ。 破片たちつい、毎年つぶやいてしまっている可能性もあるが、今年は本当に速かった。しかも正直なところ、コロナ前は遠い昔のように感じ

          (3)第三京浜

          第三京浜から連想するどうでもいいことについてまず初めに申し上げておくと、3回目だから、第三京浜というわけではありません。第三京浜とは、世田谷区の玉川から横浜市街地まで繋がっている自動車専用道路であり(高速道路ではない)、23区の最西端を主な生息地としている私としては、鎌倉や横浜に遊びに行く時や、新横浜から京都へ向かう際にしか利用することがないこともあって、第三京浜自体には楽しいイメージしかない。 理想的な第三京浜の走り方となると、やはり午前5時あたりをオススメする。玉川IC

          (3)第三京浜

          (2)競馬場通りにて

          府中暇潰し最適コース先日、訳もなく府中にいた。訳もなく並木道を歩き、訳もなく大國魂神社を訪れた。東京五社(本神社に加えて、明治神宮・靖国神社・山王日枝神社・東京大神宮)に数えられるこの神社、こんな時期なのに結構な人が参拝しに来ていた。初詣時期の参拝者数は東京で4位らしい。すげえなオイ。 とまぁ、ここまでは府中暇潰し最適コース(コースというほど大それたものではない)であるのだが、後続に悩む。分倍河原のブックオフまでも、近いようで微妙に距離があるし、府中街道(R9)を南下したと

          (2)競馬場通りにて

          (1)NO PANTS ARE THE BEST PANTS

          はじめまして砧(きぬた)って名前でやってこうと思う。 どこで生まれたかとんと見当がつかないはずがなく、今から21年前くらいに京都あたりで生を受け、"ナンダカンダ"で自分よりツイてない誰かを見て安心して大人になってしまった。藤井隆ではない。 noteを始めるにあたって、わざわざ「はじめまして」なんて挨拶する必要はないかと思う。新品のiPhoneじゃあるまいし。見出しのタイトルのアイデアが浮かばなかっただけです。すみません。 どのパンツもベストではないタイトルにもさせて頂いた

          (1)NO PANTS ARE THE BEST PANTS