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【小説】トイレットペーパーで死亡(1242文字)
「やばいやばいやばい! 漏れるぅぅぅ!!!!」
自分は今にもうんこが漏れそうになっていた。とにかく自分のダムが決壊してしまう前に急いでトイレへと向かった。
「こんな冗談ありかよ! なんでどこもトイレが空いてないんだよ!」
トイレに行こうと思っても、行く先すべて鍵が閉まっていた。
「このままだとマジで漏れるぜ。もう限界だ! うわー! お母さーん!」
「ひぃーーーーー!」
「おっ、なんだ!?」
自分がまさに漏れそうになっていた時、目の前の扉が開いてだから人が血相を変えて出ていった。
ものすごい青白い顔をしていた。
「やっべぇー、マジで危なかったー。とにかく運よく人が出てきてくれて助かったぜ」
何とかダムが決壊する前にトイレにたどり着いたのであった。
「くそ、マジで腹がいてぇーよ。これは当分止まらないかもしれねえな」
ぽちゃぽちゃぽちゃ…
とりあえず出すものすべて出し切ってすっきりしたのであった。
「やべぇー、そういえばこの後仕事で今は遅刻しそうになってたんだった! 早くトイレから出ないと!」
自分は何重にもトイレットペーパーを巻いて急いでお尻を拭いていた。なんか妙に材質が硬いような気もするけど、遅刻をしそうになっていたのでそれどころではなかった。
「よし、拭くぞ! えい!」
プッシューーーー!
トイレットペーパーでケツを拭いた瞬間に何かが勢いよく噴き出した。
「えっ、なにこの音…」
自分は恐る恐る便器の中を見てみることにした。
「おいおい、嘘だろ…」
プッシューーーー!
なんと便器の中は赤一色になっていた。これは間違いなく自分の血だっていうのはすぐに理解できた。
そして先ほどトイレットペーパーの材質がちょっと硬かったことを思い出して、ケツを拭いたトイレットペーパーを見る。
「えっ、やっぱり…」
そこにはキレイな鮮血がべっとり付いていた。
「うっ、うわぁーーー!!!」
自分の血だと完全にわかった瞬間にものすごいケツが痛くなってきた。それにしてもまったくと言っていいほど血が止まる気配がない。
「えっ、俺このまま死ぬんじゃね? うわぁーーー!!! 死にたくないよー! お母さーん! 神様ぁー! 足いくらでも舐めるから助けてぇー! レンロレンロレンロレンロ…」
一発で肛門を切る硬いトイレットペーパーを使ってしまったらしく、出血多量でトイレの個室の中が血まみれになっていて、まるで殺人現場のようだ。
トイレットペーパーはサンドペーパーよりも多分硬かった。血が噴水のように噴き出してトイレの中は血まみれだった。
「あっ、そういえば…」
さっき自分がトイレに入る前に血相を変えて中から誰かが出てきたが、あの人も自分と同じでケツから血が噴出していたからこそ出てきたのだろう。
「うっ、もうダメだ…。意識が遠のく…」
そしていよいよ最後の時を迎えるのであった。
「残念…。無念…。また、来世…!」
そのまま気絶をした。その後、発見が遅れて帰らぬ人になってしまった。みんなも硬いトイレットペーパーには気を付けよう。