心理学|ポリヴェーガル理論
今回は、1994年にアメリカの神経生理学者であるステファン・W・ポージェス博士が発表した「ポリヴェーガル理論」について考察してみたいと思います。
この理論が発表されたとき、すごく驚いたんだけど、当時は半信半疑だったんですよね。
人の精神が、実は人間の神経だったっていう訳ですから。
メチャクチャな理論だと思いません?
でも、この理論を考察すると、人間の精神って目に見えないものなんじゃなくって、実は神経っていう目に見えるものだっていう事が分かるんですよ。
そんなことある訳ないと思うじゃないですか。
わたしもそう思っていたんですよ。
この理論を唱えたステファン博士も、色々な実験を繰り返しているうちに、人の精神と人間のニューロンの結びつきを無視できなくなったんです。
人間の神経って、「運動神経」「感覚神経」「自律神経」の3つじゃないですか。
運動神経って、中枢神経系からの指令を全身の筋肉に伝えて体を動かすんですが、心臓や脳、目や耳などにも影響を与えるので、この神経がストップすると心肺停止になっちゃうんです。
感覚神経は、見たり聞いたり触れたりした感覚を察知するもので、この神経がやられると何も感じなくなっちゃんですよね。
最近の例でいうと、コロナの影響で味覚がなくなったって言う話聞いたことがあると思うですよ。
これは、感覚神経の味覚部分が何らかの影響で切断されてたんですよね。
舌が悪い訳でも脳が悪い訳でなくって、それを繋ぐ神経がダメになっちゃってたという訳です。
だから、治療がすごく難しいんですよ。
神経のどこが切れて、どうやったら治せるかなんて誰にも分かりませんからね。
その人の自然治癒力に頼るしかないんですよ。
現在の医学ではどうしようもないんですよね。
自律神経は、呼吸や体温の調節とか人間が無意識に行ってる、生きるために絶対に必要な活動を支えてる神経です。
これがやられると、生命活動に支障が出るので、かなり辛いんですよ。
体温の調節が上手くできないとか、食べたものを消化できなくてすぐに下してしまうとか、尿意が近いとか、症状としてはっきり現れるんですよね。
例えば、体温調節ができなくって体が冷えてるとするじゃないですか。
そんなとき、体を温めようとたくさん着込んでも、全然温まらないことがあるようです。
これは、肌の感覚がおかしいとか、脳に問題がある場合もありますが、ほとんどの場合、それをつなぐ自律神経が切れちゃってるんですよ。
切れるというと言いすぎかもしれませんが、機能してないという訳です。
人間の神経ってこの3つなんですが、この3つが人間の精神だというんです。
それがどいう事なのかを書いてみたいと思います。
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