父の老い。苦労を見せない父の隠された努力。
父が68歳の誕生日を迎えた。
今年の4月22日、父は心筋梗塞で救急病棟に搬送された。
いつも気丈な母が、震えた声で連絡をしてきた。
「パパもう助からないかもしれない。今すぐ戻ってこれる…?」
こんな弱気な母は見たことがない。よほど心細かったのだろう。
広島市内から新幹線で1時間。
早朝連絡があったこともあり、お昼前には地元姫路に着いていた。
姫路駅から10分ほどのところにある国立病院までタクシーを走らせる。
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