アオスジアゲハの蛹化
我が家の庭の南西の角に、シロダモの木が生えている。
植えたのではなく、勝手に生えてきたものだ。
じゃんじゃん繁るし、どんどん伸びる。
しかも、ちょうど街灯の横に生えているので、
枝が張ると光を遮ってしまい、近所迷惑である。
毎年、剪定の手間が要る。
けれど、伐ってしまわないのには、理由が有る。
クスノキ科の仲間である。
アオスジアゲハの幼虫の食樹なのだ。
アオスジアゲハはきれいだ。
翅に、大きくブーメラン型の鮮やかな青の紋が有る。
とっても美しい。
4メートルくらいの高い所を飛ぶのは、
クスノキで幼虫が育つからだろう。
家にクスノキ科の木が有れば、
アオスジアゲハが庭に来てくれるだろう。
だから、手間の要るシロダモの木を伐ってしまわないでいる。
※
人通りの少ない、細い砂利道である。
けれど、この道が多いに賑わう夜も有る。
ハロウィンだ。
数年前に、近所にたくさん家が建った。
幼い子のいる若い夫婦がたくさん越して来た。
界隈に小学生が増えた。
ハロウィンが盛り上がる。
なんだか知らんけど、
ハロウィンのたっぷり一週間前の週末にやっていたりする。
日付ではなく、曜日でやっているのだろう。
砂利道が暗いのもよろしくないと思う親もいるかもしれない。
私は平気な暗さでも、問題にする人はいるかもしれない。
街灯を覆ってしまう枝は、早めに切り落としておく。
※
てなわけで、高枝切り鋏で枝を切る。
街灯の周りを切ったついでに、
下のほうの枝も切っていく。
鬱蒼とした感じを解消しておこう。
すると、
目の高さの葉の上に、むっちりとした幼虫の三角の背中が見えた。
おお!
アオスジアゲハの幼虫だ。
しかも、もう蛹になろうとしている。
葉の表で蛹化するのか。大丈夫か?
けっこういる。
パッと数えても、6,7匹か。
もっといるだろう。
葉の裏で、もう蛹が完成しているものもいる。
この擬態ぶり。
羽化が楽しみだ。
枝を払ったことで目立ってしまって、
鳥に食われやしないか。