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48「MとRの物語(Aルート)」第三章 11節 麻婆豆腐と餃子
今回はちょっと記述を省いた部分があります。
どこかと言うと、「Mはなぜ、重要人物なのか」についての説明です。
それは私がこの「M&R」という小説で、
「M」をモチーフに選んだ、理由でもあります。
有料版ではちゃんと説明する、かも? お楽しみにーー(汗
(目次はこちら)
「MとRの物語(Aルート)」第三章 11節 麻婆豆腐と餃子
「R。たまにはMさんも、食事にお誘いした方がいいかな?」
母親は言った。
「ううん、たぶん大丈夫だよ。Mさんいつもコーヒーしか飲まないし」
「そう……、それならいいんだけど、ちゃんとしたお礼もしないとね」
「お礼?」
母親は、麻婆豆腐をすくっていたスプーンの手を止めてRを見た。
「うん。私の知らない間に、Rをしっかり見てくれる、お父さんが出来てた。
そのお礼」
「え、お父さんじゃないよ? どちらかというと、お兄さんみたいなものかな」
「そう……、じゃあお兄さんになってくれた、お礼かな」
Mさん、どうする?
うん、まあ、お礼は考えておいてもらって、
今は食事はいい、と伝えておいてくれ。
わかったよ。
Rはそう伝えた。
「残念だなあ。私もMさんに、すごく興味あるんだけどな」
「それって、お仕事的な興味?」
「うん、正直いうと、お仕事的な興味も、ないことはないよ。
オカルト的にも、スピリチュアル的にも、文学的にもだけど、
それだけじゃなくて、政治的にも世界平和的にも、外交的にも、
Mさんは、いろんな分野に影響を与える可能性を持った人だからね」
「Mさん、重要人物なんだね」
Rは思う。Mさんと合体したこと。それは私にとっては大きなチャンスだろう。私がもしマスコミに出れば、仕事なんていくらでも入ってくる。お金もいっぱい入ってくる。私は、暗いボッチから一気に平成のヒロインになるだろう。21世紀の、シンデレラだ。でも、Mさんはそれで、幸せなのでしょうか?
もぐ、とスプーンにのっけた豆腐を食べるR。いい味付けだ。Mさん、あなたはどう思うの? 私がマスコミに出て、この状況をばらして、ひょっとしたらそれで、日本が変わるかもしれなくて、私はお金もちになって、お母さんも楽にしてあげられて。でも、そんなことをして、Mさんは神様に消滅させられたりはしないの? Mは黙っていた。Mのかわりに、女神が答えた。
そんなことを考えたら、Rちゃんがそれを実行する前に、
Rちゃんの(ピーーー)を(ピーーー)して、(ピーーー)してやるからね。
わかった?
ひ、ひぎいいいい!! わかりました~~~。
「転生のことがばれると、Mさん消えちゃうんだって、たぶん駄目だね(汗」
「そうなんだ、まあ、そうでしょうね。しょうがないね」
最大のお金儲けのチャンスを逃し、Rは悔しかった。でも母親は、そうでもなさそうだった。母は再びおいしそうに、麻婆豆腐と餃子を食べ始めた。細くなった目が、いつもの3倍くらいかわいい。
そうだよね。お金だけじゃないよね、大切なのは。
ああ。
食事が終わり、お風呂に入ってパジャマに着替え、Rは母親に、「ちょっとMさんと相談がある」と言って、早めに自分の部屋に引きこもり、布団に横たわった。脳内会議(?)の準備が整った。