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長編文学小説・MとRの物語

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Mというのは、あの、三島由紀夫さんのことです。三島由紀夫さんが現代によみがえり、女子高生とともに小説を書いていく、というお話です。ファンタジーっぽいですが、純文学です。
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2017年5月の記事一覧

01「MとRの物語」・序章 「シチショウホウコク」

(目次はこちら) 序章  シチショウホウコク シチショウテンセイ  アラヤサウナリ マクマノメイドウ  俺は漂うおびただしい光の粒を、ただただ見つめていた。  寄せては返し、寄せては返すその波は、  俺の心を洗い癒した。  眼前に広がる、ただただ白い、光の空間。  俺は今ここで、何をしているのか。  俺は以前ここで、何をしていたのか。  そして俺はこれから、何をなすのか。    焦燥は、あった。  だが今は、それを隠すのだ。  俺は右手を上げ、光の粒を慈しむ。  彼