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#SAMI2023 感想文。 #専門医制度  と潜在マーケットについて。主に、 #順天堂大学 #青木茂樹 先生の専門医制度の講義から。 #寺田次郎 #ディオバン事件 #関西医科大学 #京都大学 #小寺一矢法律事務所 #六甲学院 #栄光学園 #広島学院 #上智福岡 #イエズス会 #東大寺学園 #関西大学 #枚方市



専門医、指導医を守護する立場と、そうでない人、専門医すらない人間で立場が変わる。
ケンカするのではなく、上手に放射線科の影響を強くすることを考える。

医療崩壊、医療事故、地域医療枠問題。
ドライな目線でいえば、全ては材料。
現在、放射線科の都内のシーリング外専攻医は数名だそうだが、潜在的にはその限りではない。
多くの医師はそこまで考えて進路を選んでいない。
非専門医のアラフォーとしては、個人的にはスクリーニング専門医資格を作成してほしいが、それを露骨にやると他科や役所に睨まれるなら、上手に失敗の結果の焼け太りをやっても良いと思う。

例えば、某社フォトンカウンティングCTは理論上は10秒レベルで連射できるらしい。
もちろん、患者の移動や移乗その他でそれがボトルネックになることはない。
けれども、既存病院の狭い撮影室での買い替えではなく、健診センターを郊外に立てれば、2-5部屋での効率的な撮像とかも理論上はあり得る(既存のCTなどでも、同じ設計思想は可能)。
日本のCTの台数に対し、何割かの施設の実質の稼働はそれでもないと思う。
また、CTと一口に行っても、いつの時代のどんなCTを指すのかにもよる。
と言う事であれば、新規のCTなどの売り上げは、途上国ほどなくても、潜在的に存在する。
そして、高精度の画像が増えれば、放射線科専門医指導医を中心とした画像診断チームの仕事ボリュームは大きくなる。
AIやITが導入されても、放射線科医あるいは放射線科医に準じた人員がもっと必要になる。
ここに、休眠資格医師や専門医を最初から半分放棄した医師を持ち込む。

読影コストは国外移管の方がたぶん安いが、中露との新冷戦問題もあり、インテリジェンスに同盟無し、の原則が適応される。
日本人の健康データと日本人医師の雇用を守る意味がある。
そして、フィーや名誉のリバランスの問題は発生するモノの、スクリーニングを分担してくれる医師が出現すれば、優秀な先生がフレッシュな状況で、より、その先生にしかできない仕事に集中できる。
臨床、研究、教育の医学の中で一番守り抜くべきは臨床のコアの部分。
科学を捨てれば、それは祈祷師と変わらない。
放射線科の特徴として、良い臨床=画像診断レポートがそのまま教育でもあり、先進的な研究や高難度の読影をこなす先生方のQOLは守らないといけない。
もっと効率よく奴隷労働させるため(笑)。

キャリアとノンキャリアのケンカの問題は医師に限らず難しいが、たぶん、共倒れになるよりはいいんじゃないかと思う。
バイト医師も美容外科医もライトな方からいずれ飽和するし、他の医師も含めて脱落組から素養がある人間をB級放射線科医として間接的に救急医をサポートするのであれば、社会的な大義名分も立つ。
その中で、診断や統計などのセンスのある医師があれば、遅れて専門医や指導医なんかに引き上げても良い。
ゆるふわ専門医が問題なら、ゆるふわ準専門医にして抱え込めばいい。
基礎ができていればあとはやる気次第。
教育コストやポストをどうするかは、組織や地域のポリシーで良い。
そして、これは賛否両論だが、他科医の子弟(特に女医)の受け入れにより、他科医の賛同も得やすくなる。
これは、田中角栄の新幹線の技法の応用。

もっぱら専門医のやむを得ない適応を変形して制限付きで適応する。
と言い換えてもいいかもしれない。
それは、AIやIT産業と協力すれば、彼らのバックにいる工学部も協力的になるかもしれない。

そして、画像診断データのプライオリティにおけるシェア率を高めれば、治療やIVRの先生方も、自分たちで処理できる症例数の問題だけでなく、放射線科から内科にパスしてあげる立場になるのが良い部分と思う。
それは、既存の健診の団体や企業との距離感が難しい部分もあると思うが、適正診療という大義名分と各施設ごとの政治的なやり取りで多少は距離が近くなると思う。

地域医療の崩壊も、地域に医師を持っていって、妊娠出産の問題が生じるなら、関東やその郊外に診断センターがあれば、その地域に離れても貢献できる。
もちろん、その件の大学や大病院に診断センターを併設するほうが本道だが、実効支配を考えて、それはもう既得権益次第。
医療のサイズや個人や組織の意図によっては地方に小さな拠点を作るのも良いと思う。

医師がある程度臨床の力をつけるには時間がかかる。
地域や上司同僚との相性もある。
ゆるすぎても、きつすぎても、壊れてしまう。
僕自身も似た部分があって、要するには廃材やB級品のリサイクルと割り切ってもらっても良い。
大問題を起こすなら、窓際で何もしない方が良いし、小さな問題ならライトワークでも、デスクワークでもできることをしたらいい。
現行の一部臨床の崩壊はすさまじく、新人の社会的死亡率が高いのが問題であるから、それを拾い上げて、本物のエリートの方々の負担減に使う。
地域医療の問題の中でも、地域に完全派遣でなければ、人間的な問題が外されるので、レポートに集中できたら、研修医の壊れる確率は減る。
犯罪の確率も減る。

僕は目が良すぎて、地方医療でやるにはハマりどころがない。
救急にシフトした神戸なんか何をどうしていいかわからない。
現場は雑でもタフな先生で回っている。

話変わって、保険診療のハコは限られているので、寄付金による変形の混合診療も始まっているし、VIP健診も含めて、自由診療や混合診療のシェアを広げていくことで、溢れた優秀な人材の給与待遇を保証することにもなる。
上のポストや高級ポストが増えれば、学年上の優秀な人材が前向きに教授職など譲りあえるだろう。
上のストレスが減れば、下も働きやすい。

SAMIの意義も関係があって、この知識や運用は現行の標準医療でない。
一方で、これらの知識や人のネットワークがあれば、お金が払えて、かつ、うまく行ったはずの人も沢山いるはず。
こういう学会に誰を順繰りに連れてくるかは医局の内部で話し合って決めればいい。

ここまで書いてから、プラスマン社の3冊のパンフレットを読んだ。
だいたい狙いは重なる。
フォトンカウンティングCTのシーメンスもそうだが、余りに露骨な独占体制だとあとあとややこしい。
なので、基本的には、各社合同と言う形を大事にした方が良い。
結果的に先行者優位のデファクトスタンダードが発生するのは問題ない。
僕が学会の外の人だから言えるが、文句がつけられない先行者優位。
でも、対外的には、平等性を公表しないといけない。

パンフレットは、離島沖縄の名誉教授、陸の孤島を保有する三重の現役教授、そして、東大から順天のトップに君臨する現役教授のラインナップなのは非常に良いと思う。
それぞれの地域や組織に抱える想いは微妙に違う。
しかし、それぞれに、それぞれの共通あるいは異なるニーズを満たすAIの開発に向かうことは公益性として意味がある。
この時に、AIのコストをどこに求めるかだが、現行ではエクストラ扱い。
しかし、医師不足の地域、放射線科医不足の地域(都心で臨床も研究も高いものが求められる東大や順天堂大学も相対的医師不足かもしれない。)、そういう事であれば、公費や寄付を要求する理由になる。
あるいは、都心部であれば、自由診療や実質の混合診療のマネー。
それなりに真面目な医療とお金のバランスは誰だって考えないといけない。

もし仮に、準専門医制度を持ってくるなら、やがて進化するAIと専門医のハイブリッドでのコスト設定だろう。
勿論、現場では柔軟で良い。
変な話だが、青木茂樹教授の奥様が、僕よりもよほど日本の論文に間接的に貢献しているのに似ている。
重要なのはその場の雰囲気だと思う。
とりあえずは、カレーの味変スパイス扱いで、スパイスが中心になるかどうかは店しだい、客しだい、という感じだろう。
だけど、たぶん、青木茂樹先生は自分の業績の一つに残したいはず。
その辺の政治的バランス。

というか、ほおっておいても、値付けとサービスの上手な個人や組織がリードすると思う。
僕が診断やっても誰も金を払わないが、もし仮に、大阪公立大学の下野太郎先生が脳腫瘍の診断を自由診療でやったら誰がいくら金を払うかを考えたらいい。
アメリカやアラブのカネも取り込めるのではないだろうか?

一方で、地域医療のリアルとの兼ね合いも難しい。
どっからどう見ても、何か事件を起こした奴を無理やり卒業させて、救急医にするために放射線科枠を使って育った放射線科もどき医師をどう扱うか?
たぶん、どうしようもない。
皆さまには関係ないが、十数年その手の問題と対峙して、どうしようもないと気付いた。
むしろ、まだましな専門医集団とその下に強固なグループを作るほうがベターだと思う。
後者は非専門医としての私利私欲の側面もあるが、逆らいようがない中間層の準専門医ブレーンを抱えた方が、専門医もそのご家族も得をすると思う。
海外の心臓外科医とテクニシャンの関係に近いだろうか?
まだましな、画像診断と商業的影響の比較的少ない医学のニーズはあるし、そこを中心に肉付けするほうが、真面目な放射線科医の性格と利益に合う。

オシム監督の言葉にクラブと代表は同じ皿の料理を食べる関係であり、誰かが唾を吐けば料理が台無しになってしまうというものがある。
その辺、上層部同士、役所や政治家との交渉は僕がするわけではないが、結果的に交渉で譲る場面があっても、こんな提示をして、8つのうち、3つでも、勝ち取ってきましたと言えば、相手の面子も立つし、放射線科やその候補生としては、頼れる放射線学会になるのではないかと思う。
虚像かもしれないが、そもそも、実像が見えている医師や医学生がどれだけいるか?
そして、それは、様々な事情で求心力を失う医師会の横に、診断のキモである画像診断とPACSの連携システムを可視化する意味合いもあると思う。
僕みたいななんちゃって海外フレンドリーがアレだけど、Seeing is Believing!

だから、プラスマンの表紙の言葉に加えるなら、AIと仲の良い放射線科医とその仲間しか生き残れない、の方が良いと思う。
壁を一つ設定して屈服を迫るより、その外側にもう一つ壁を作って、隣のグループに来てもらう。
で、世代を経ると、スペックの足りない医師もできる世の常の中で、放射線科に友好的になって頂く。

もちろん、これは絵空事であって、なんら強い説得力も実行力もない。
一方で、科研費なり余剰資金なり、あるいは論文や教育の実績でスポンサー企業に応援してもらった分のお返しをすれば、放射線科の各部門をそれなりに支えていただけるのではないかと思う。
信用とかしがらみとかは時に諸刃の剣ではあるけれども、お互い無理のない範囲でやって行けばいいと思う。

生臭い話で申し訳ないが、第三次世界大戦の一つの戦端として、旧ソ内戦=ロシアウクライナ紛争をやっている以上、シーメンスのドイツはUKと並び、日本の大事な交渉先。
過去には東西分裂の歴史を持ち、旧大日本帝国と同じく東西陣営に分かれた。
その事の負の歴史と共に、リアリズムとして、ドイツとの付き合いは他の国よりも濃いと思う。
あるいは、ブラッコのイタリアもそうかもしれない。
日本の最大の同盟国は欧州各国の移民の集まりのアメリカであり、そういう繋がりは表に裏に存在する。
シカゴなんかイタリアマフィアで有名なエリアで毎年RSNAをやる。
そんなこんなで、感想文も手仕舞い。
業者や商社のトップも旧華族とかそんなんばっかだろうが、今の地殻変動の中で、医療業界も上も下も、左も右も、双方にそこそこ義理を果たす必要があるのではないかと思う。
2023年7月30日22時18分 元 関西医科大学 放射線科 寺田次郎

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