2月に観た映画・お芝居
2月、慣らし勤務でヘロヘロになり、その上ネームばかり描いていたので、全然みる時間なかったなぁ。
「アパートの鍵貸します」(1960)
映画マニアからおすすめされた一本。「映画を語るならやはり古い映画を観るべし」とのこと。
昇進と引き換えに、上司の不倫デートのために自分の部屋を貸し出す主人公。意中のエレベーターガールがその上司とデキてることを知ってショック。でも周囲には、上司の秘密を漏らさないよう徹底する。
明るく振る舞うけど、やはりどこか無理してる感。切ない…
最後まで彼女に対して献身的で、本当に彼女のことを思って身を引く、一方通行な愛の深さがまた切ない…
「転」はそこまで派手ではないけれど、それまで野心を捨てきれなかった自分をひっくり返す、スカッとした展開。ハピエン絶望視してたけど、しっかりハピエンでよかった。さわやかなエンド。
ODの胃洗浄とかビンタとか、お医者さんの対応がなかなかに力技すぎて引いた。昔の治療ってあんな感じなの?!笑
あといろんなところでオマージュされてる「テニスラケットでパスタの湯切り」の元ネタはここ。衛生的にはええんか…?
「サンシャイン・ボーイズ」(加藤健一事務所)
かつてコンビでコントをしては笑いを掻っ攫っていたが、今では険悪な仲でずっと顔を合わせていない2人のコメディアン。すっかり年老いたころに、テレビ番組で何十年ぶりにコントを披露することになるがはたして…?
久しぶりのコメディ。
途中音響トラブルで、マイクがONになったままだったのか、スタッフの話し声?が流れた。しかし舞台上の役者さんたちは平然と演技をする。すごいものを見た。さすがです。
ラストのオチは「あれ、もしかして…」と思ったけど笑っちゃった。腐れ縁だなぁ。喧嘩したって、なんやかんや、最高の相棒なんだなぁ。
「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994)
「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けて食べてみるまでわからない」
風に吹かれて飛んで行く羽根のように、強い希望があるというわけでもなく、ただ母や友人の言葉のとおりに動く。人生は運命によって決まっているのか?それとも風に吹かれるようなものなのか?
それなのに、自分が深く愛している人に関してはうまくいかない。フォレストがジェニーをどれだけひたすらに愛しても、なかなか結びつかない。ジェニー自身は自分を愛することができず苦しみ続ける。だから並んで歩いていても、2人とも対岸に立っているような感じ。
風に吹かれてたらなんとかなる、わけではなかった。
ベトナム戦争での回想はなかなかに胸にくるものがあった。
絶対絶命の中、負傷した仲間とダン中尉を担いで、弾丸の雨の中何往復もする馬力、火事場のクソ力ですね…
親友バッバの最後の言葉「うちに帰りたい」。どれだけの人が思ったことでしょう。そして親友との約束をちゃんと守ったフォレスト、なんていい奴なんだ…
「名誉の戦死」を望んでいたのに、両足を失い、思わぬ形で生き残ってしまったダン中尉。生き残った人間の後の人生に暗い影を落とす。どれだけ辛いか想像を絶する。一生の呪いになる。
フォレストとの出会いが良くも悪くも人生を変え、「神様と仲直り」をする。海に飛び込んだシーンはまさか…と最悪の事態を想像してしまったが、大海原を自由に泳ぐさまは呪いから解放されたように見えた。
音楽が特に良かった。
よく耳にするこの音楽は、この映画のテーマ曲だったのか〜!
3月はいっぱい観よう!
(追記)もう一本見たの忘れてた!
「The Strange Thing About the Johnsons」(2011)
「ミッドサマー」や「ボーはおそれている」のアリ・アスター監督の卒業制作(?!)
なんでこんなエグいテーマを卒業制作に選んだんだ?!
父親を愛する息子、息子を恐れる父親、見て見ぬ振りをする母親
近親相姦、性加害が描かれてます。寝る前に観ちゃってゲボ出そうな話でした。地獄!
不特定多数を加害しているのではなく、息子からすると「愛する(恋愛的な意味で)父親ただ1人に向けられたもの」で…
父親が「息子をどう受け入れるべきか」葛藤するさまがかなりキツいです。
見て見ぬ振りをする母親に不気味さも感じたが…
どうすりゃよかったんだろう。出口が見つからない迷路にいるような感じでした。
おわり。