北海道 鉄道残照~失われた鉄道の遺産あれこれ
その1 陸別の林鉄客車
1.はじめまして
ご訪問ありがとうございます。
ことしからnoteをはじめ、「北海道の廃線跡探訪」なる、国鉄地方交通線の廃線跡を主にした記事を投稿しています。
こちらは、元々雑誌掲載を前提としていたので、文章や写真が多く、
noteでは当然ながら、構成、割付から写真選定、地図作成、文章校正まで、掲載時は編集者にしていただいていたことを、すべて自分でやらなければなりません。
note初心者である身には、ちょっと、しんどいこともあります。いきなり、長大路線の天北線からはじめたのも、無謀だったかも・・・
そこで、ここでは車輌や遺構のことなど、つれづれなるまま書いていこうと思います。
同世代のかたや先輩諸氏にとっては、ご存じのことが多いでしょうが。
なるべく短編成化、軽量化します。
気軽に、読みとばしていただければ・・・
2.陸別の森林鉄道
道東の陸別町は、日本一寒い町として知られています。
鉄道好きにとっては、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線廃止後、動態保存されている「りくべつ鉄道」が有名です。
かつては、この陸別から、西へ斗満森林鉄道、東へ陸別森林鉄道が出ていました。
これらの森林鉄道の写真も残されており、西 裕之さんの本などで見ることができます。
3.林鉄の客車
営林署、貯木場や土場は駅の西側にあり、林鉄の中枢となっていました。
駅裏の公園に林鉄の客車が保存されているという話をきき、1999年7月に行ってきました。
かつては貯木場や土場だった、広大な空き地の一角に、ようやく見つけました。
公園とは名ばかりの草原に放置され、朽ち果てる寸前でした。
片側の妻板はなく、扉も失われています。
側板は、窓枠はおろか窓下の羽目板すらなく、内部の構造材が見えていました。
まばらになった床板の間から、草木が突き抜けていました。
幕板と妻板上部に残る塗装は、オリジナルなのでしょうか。
とても保存とはいえないような状態でしたが、細部写真を撮り、心おきなく寸法を測ることができました。
4.林鉄の客車 その後
最近、現況が気になり、グーグルの航空写真を見ると、どうもそれらしいものがありません。
2020年、記憶をたどり、ずいぶん探してみましたが、見あたりません。
まあ20年前でも、あの状態だったから、ついに朽ち果てたか、廃棄処分されたか・・・。
ところが翌年、現物は別の場所にあって、しかも、留辺蘂町で復元する計画という報道があり、びっくりしました。
こちらは有料記事ですが、写真あり。塗装もまだ残っているのが奇蹟的!
記事の写真を見ると、20年前より一層荒廃が進み、ほとんど屋根と骨組だけになっています。
屋根には鉄板が貼ってあるので、腐らなかったのでしょうが、逆に、それにつもった雪で、よくつぶれなかったものです。
これでは、新製したほうが早いのではないかとも思いますが、歴史的価値からすると、たとえ骨組だけでも活かすのは、有意義でしょう。
5.模型をつくる
帰宅後、1/48の図面をおこしてみました。
どうやら、台車が運材車ではない、木曽森林鉄道にある、本格的なボギー客車と同型のようです。
簡単な模型も制作しました。はずかしながら、ご紹介。
ご本家も立派に復元され、おひろめされる日が待ち遠しいです。
初回はここまでです。
おしまいまでお読みくださり、ありがとうございました。
ご意見・ご感想、そしてご要望など、どうぞお寄せください。
次回は超マイナーな話題、殖民軌道の倉庫:道北篇です。こちらも、どうかよろしく。