詩・非業の死者たち

　１日前、１か月前、１年前
　君は彼らの側にいた
　彼らと同じように死を傍観し
　同じように生を支配していた

　なぜ　こんなことになった
　なぜ　体は離れていった　
　なぜ　過去は苦痛と化した　
　未来は恐怖に覆われた?

　死神は突然やってきた　
　血と痛みとともに
　君の理性を打ち砕いて
　君の余裕の隙をついて

　運命は　君の原罪を
　明らかにしたのか　
　それとも　君の無欲に
　腹をたてたのか
　
　峻烈な後悔と　
　失われた時への恋慕が
　君を今、引き裂いている
　君は試されているのか

　善を全うできるか　　
　生に立ち向かえるのか
　自己を捨てられるのか
　他者を信じられるか

　来世と転生だけが
　もう君の救いになったのか
　鏡にうつる亡者のような君は
　一体　誰だ?

　一瞬にして奪われた筋肉
　消えていった安心感
　二度とよみがえらない充足
　決定された終末