絵本探究ゼミ3期スタート!
ミッキー絵本探求ゼミ
東洋大学准教授 竹内美紀先生のミッキー絵本探求ゼミの第3期が始まりました。
よい絵本とは? この問いは、子どもたちに、大人に、絵本を届けている私にとって大事な問い。問い続けて深めていきたいこと。第1期からミッキー先生の講義で絵本の定義を学び、ジャンル別、絵本の技法など多方面から絵本を探り、絵本の楽しさ、魅力、絵本の力を再確認しています。
絵本は子どもが幼くして出会う文学で芸術でもある。
出会うものが優れていれば子どもは幸せである。
子どもだけでなく、どの年齢の方にも心に寄り添い、響くものがある、絵本がきっかけとなり興味関心が広がる、絵本の時間を共有する喜び、実践の場を通して感じている。
ミッキー先生の講義の充実した内容に惹かれ第3期も受講決めました!
第3期絵本探求ゼミ
絵本を目利きしていく観点から「絵本の賞」を学び、絵本を探求していく。
「絵本の賞」名前は聞いたことがあっても賞ができた背景や関わる人物像は分かっていなかった。賞からの絵本探求もとても興味深いところだ。
1 コールデコット賞(アメリカ)
2 グリーナウェイ賞(イギリス)
3 国際アンデルセン賞
4 その他の絵本賞
第1回講座
【コールデコット賞】
アメリカの優れた絵本に贈られる賞、
「コールデコット賞」
その名前の由来となったランドルフ・コールデコットとは?
ランドルフ・コールデコット
1846年イギリスのチェスターに生まれる。
幼少期に兄弟、母を亡くし、自身は病弱ではあったが楽しみをあきらめることなくスポーツや野外での活動を好み、6歳頃から絵を描き始める。少年期、時間が許せば自然の中で遊ぶことを好み、学校では友人たちから信頼される。
青年期は、マンチェスターで銀行員として働く一方、絵を描き続け、新聞の挿絵を描くようになる。
マンチェスターからロンドンへ。
この頃に『不思議な国にアリス』作者のオックスフォード大学数学教授(ルイス・キャロル)、挿絵を描いたジョン・テニエルコールデコットに出会っている。
コールデコットは、挿絵を描いた絵本が出版となり、次第に名声を確立し好評を得て数回増刷となる。
1878年初出版となった絵本2冊は、
『ジャックがたてたいえ』
『ジョン・ギルピンのこっけいな出来事』
好評を得て増刷となる。
なぜ、そんなにコールデコットの絵本が褒め称えられたのか?
ランドルフ・コールデコットが描く絵本の特徴を知る。
コールデコットの描く1枚1枚が流れるようにつながって、1冊の本がひとつの物語をなしている。
コールデコットの絵本は字を読まないでも、ページを綴って絵の流れを追っていくだけで物語を十分にあじわうことができる。
(コールデコット以前の絵本の絵は、物語のひとつの場面を切り取って見せるものだった。)
アメリカの批評家 ヒルダ・ヴァン・ストッカムは、「コールデコットはいつも次の絵とのつながりを考えながら描いていました。彼の描く人物や動物の姿をみると、よくわかります。読者は早くページをめくって次に何が起こるか、見たくてたまらなくなるのです。」 と語る。
この一文から、
今までの絵とことばの関係から一新、絵本がとても面白く皆に受け入れられたことを感じる。
コールデコットの作品は絵本を考える時に重要となる。
絵とことばが融合して物語世界が創り出されていて、現代絵本の源流と位置付けられているコールデコットの作品。
モーリス・センダックをはじめ、現代の画家への大きな影響力を持ち、米国で年に一度
最も優れた絵本に贈られるコールデコットの賞に、その名が残されている。
コールデコットに影響を受けた画家
モーリス・センダック
センダックは、コールデコットの絵本における文と絵の関係を、音楽の対位法に例えている。
文が終わるとすぐに絵が語り始め、その絵が語り終える間もなく次の文が後をついで語り出す、と絵とことばの関係を音楽で感じとっている。
センダックは、著書の中で「私が子どもの本の絵に欠くことのできないもの、最もうまく言い表しているのは、"生命を与えるquicken"という言葉だと思います、と語り、そして、
"生命を与えるquicken"
これは、リズムがあり、ぐいぐいと進んでいくものへの連想。心臓の鼓動、音楽の拍子、踊りのはじまりへの連想でもある。として、「音楽的に発想する」というのは、まさに絵本に生命をあたえることに他ならないという。
センダックの言葉は、コールデコットの一枚一枚の絵が流れるように物語を成す、という言葉につながっているように感じる。
絵本のページをめくり、声に出して読んだ時の感覚、ぐいぐいと物語にひかれ先を知りたくなる感覚、いい絵本にはこの面白さが感じられると思う。
コールデコット賞受賞作品リストを見て
今まで読んできた絵本、この絵本はコールデコット賞を受賞していたのだと改めて知ることになった。
やまねこ翻訳クラブ コールデコット賞受賞作品リスト
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/caldecot/
コールデコット賞の作品を、また見返したいと思う。
何度も子どもと読んでいたことを思い出した絵本の中から
『ヨセフのだいじなコート』
穴があいたコートはページをめくるたびにどうなっていくのか?とだんだん変化するコート、繰り返しのパターンから次が楽しみになる展開。小さくなるコートに愛着を感じた。コラージュにも興味を持った。
ミッキー絵本探求ゼミの良いところ💞
🥕絵本を深く知ることができること。
🥕チームで学べるところ。チームフォローがで補い合えるところ。
🥕社会人になって、大学のゼミのような体験をできるところ。
🥕気づきがあること。
🥕人、絵本、ことば、出会いがあること。
3期の始まりに当たりチーム名を決めました!
チーム3
チーム名は、Rabbit
アイコンは にんじん🥕
1,2,3!
ホップ! ステップ! ジャンプ!
Rabbitは、🥕めがけてジャンプ!
ゼミの学びを通して皆で切磋琢磨して
それぞれの目標を目指します。
Rabbit チームメンバーは6名、チームで紹介したい絵本を持ち寄りました。個性を感じる選書、こんな風な紹介もいいなと気づきがありました。
それでは、チームで紹介のあった絵本から
Rabbit チームの目標ビジョンとなる絵本
【チームの目標】
みんな違ってみんないい、強いところも弱いところもあるけれど、チームで補い学び合い、自分なりの表現、アウトプットができるようになる。
チームのビジョンにぴったり!
誰もが遊べるじゃんけん。
グーもチョキもパーも、強いし弱い。
勝ったり負けたりする。
同じがあれば違いもある。
みんなそれぞれにいいところを持ってる。
歌絵本で皆で口ずさめる絵本、
それも楽しい。
それぞれの観点から選んだ絵本
育った土地の紹介、絵本でよくわかりました。
アリの生態を絵本で知る。タイムリーな番組放映で作家さんのお話を聞くことができた。
アリに興味を持ったきっかけは、お子さんとの会話からだったことに親近感を覚える。
番組につながり特別なアリを知ることもできた1冊。
わたしが咲く日は わたしがきめる!
カッコイイ決め台詞!頑張ろう!という気持ちになります。
そして、私が
Rabbitチームの皆さんに紹介した絵本は
江國香織さんのことばに、松田奈那子さんの鮮やかな絵で情景が広がる絵本。
どこにでも行って、なりたいものになってみる。指輪になってみたり、靴紐になってみたり、そしてにおいや、色、形を感じている。そんな、ちょうちょはどこにでも止まります。
私もこんなふうになりたい、もっと知りたい、と好奇心を持ち続けていたい。
時に立ち止まってじっくり考えたり、やってみよう!と行動力を持ち、ミッキーゼミでの学びを実践に活かしていきたいと思います。
「ごきげんですとも ごきげんさ ごきげんよ だって ちょうちょは どこにでもいかれる
そして せかいを あそびつくす」 (引用)
本や絵本で、いろいろな人や生き物に出会えたり、体験ができたり世界のいろいろな国へ行くことができます。
いい絵本と出合う架け橋になれるように!
ごきげんなチームで、何でも話しやすい雰囲気で学び合っていきましょう!
3期ゼミの始まりに、こんな思いを込めて選んだ1冊。
第2回も楽しみです!