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私の育休取得記(後編)

 こんにちは。ミライ研の中山です。私の育休取得記(前編)につづき、育休を振り返って感じること、取得推進に向けた課題等についてお届けします。

育休取得を振り返って

お宮参りの一コマ

 日々の子育ては、大人が二人いてよかったと思う場面の連続です。例えば赤ちゃんをお風呂に入れる時、大人が一人しかいない場合は自分が洗う最中赤ちゃんが泣こうがわめこうが置いておくことしかできませんが、大人が二人いれば赤ちゃんを洗い次第お風呂の外にいる大人にパスすることが可能です。また、夕方赤ちゃんが泣き続ける、いわゆる黄昏泣きのときにも、夕飯を作る人と赤ちゃんをあやす人で手分けをすることで、赤ちゃんも大人もストレスをかなり抑えることができたと感じます。

 今回二人目の子育てですが、夫婦が分担・協力して育てることによる体力的・精神的余裕が赤ちゃんにも伝わっている(気がする)ようで、のびやかに育っているように感じられます。今の時期しかない、例えば寝返りの瞬間を目撃したときなど、赤ちゃんの成長を日々見守ることができた喜び、自分も一緒に育てているという実感、授乳以外のすべてを自分もできるのだという自信につながりました。そして、子育てと仕事を両立する社員の大変さが今まで以上に共感できるようになったと思います。

 自身も様々な場面で実感したように、子育ての負担はまだまだ母親に偏っているという実態があります。そのような偏りが少しでも平準化され、子育てがしやすい環境を作ること、ひいては職場において子どもを抱えるママ・パパがより活躍できる環境を作るうえでも、女性と比較して育休取得率、期間共に伸びしろがある男性の取得推進が求められます。

 今回、半年間家庭中心の生活をする中で、自分の幸せの基盤が家庭にあること、そしてその安定した基盤の上に仕事に向かうモチベーションがあるのだなと気づかされました。育休が終わっても育児は続きますので、今後は仕事と生活のバランスの調和が求められます。業務の優先順位付け、効率化に最大限務めていければと思います。

まとまった時間があればこその、子育て+αの経験

料理に腕を振るう

 元々私は料理が好きな方でしたが、育休期間中今まで以上に料理の回数を重ね、腕を磨いてきました。仕事をしながらではどうしても時短料理になりがちなところ、少しだけ手間のかかる料理にも挑戦することができ、やはり料理は手をかけて作るとより美味しくなるなと感じられました。

 長男が不登校ということもあり、このテーマに関してはセミナーに参加したり、書籍を読み漁ったり、ここ数年多くの時間をかけてきました。不登校・引きこもり支援を約20年にわたって行う「耕せにっぽん」という組織が行う石垣島での3泊4日の研修受講は、不登校の子どもやその親御さんへの接し方について多くの気づきを得られました。また、不登校を一家庭の問題に留めることなく、世の中全体の問題と受け止め、学校に行く・行かないに関わらず子どもたちが生き生きと育つことができる環境づくりにも、公私ともにチャレンジしていければと考えています。

 自身の関心の赴くままに、資格取得等を通じて様々な学びを深めることもできました。ひとつは、グリーフケアアドバイザー(2級)の取得です。2年前に父を亡くし、自身の気持ちの整理につなげたいとの思いと、今後多死社会を迎える日本において誰かの支えになれればとの気持ちで取得しました。また、父の相続でお世話になった行政書士の仕事に関心を持ち、一念発起して人生初の法律の学習に取り組み、今年資格を取得したところですが、その延長線上で相続や成年後見の業務にも関心を持ち、司法書士の学習にも取り組んでいるところです。

(参考)育休取得前後に取得した資格・受講した講座等
行政書士、赤十字幼児安全法、赤十字救急法基礎、不登校ひきこもり支援人材育成協会相談指導員、グリーフケアアドバイザー(2級)、フライドポテト・アンバサダー検定(ブロンズ)

妻から一言

妻と長男

 第二子誕生後、あっという間の半年間でしたが、夫と共に育児、家事などを協力しあいながら過ごせたことで、心にも体にもゆとりをもった日々を過ごせました。夫が育休を半年間取得してくれてよかったことは、赤ちゃんの成長を二人で楽しめたこと、長男がさみしい思いをしなかったであろうこと、家事・育児を二人で協力できたこと、そして自分の外出の機会を快諾してくれたことです。そのおかげで、何よりも1人目の出産後のように追い詰められることがありませんでした。

 育休を半年間取得すると聞いたとき、正直、制度上可能なのであれば一年間とってほしいと思いましたが、これは今後取得される男性の皆様へ期待したいと思います(笑)夫への今後の希望としては、仕事と家族、趣味などとのバランスを考えながら、健康第一で生きてほしいと思います。

 最後に、この度育休を快諾し、取得させて頂きました会社の皆様のご理解、サポートに心より感謝申し上げます。

育休推進の効能とその課題

子育ては続く

 私自身も、まずはこのような貴重な機会を与えてもらった職場のメンバーと会社に恩返しをしたいという気持ちがあります。特に、自身の業務を引き継いだ同僚や後輩にはやはり負荷をかけてしまったなという思いと、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、ある意味これからが育児の本番です。コロナ渦をきっかけに当社でも制度が充実したリモートワーク、フレックス制度を活用し、仕事と家庭/子育ての両立を図っていければと思います。

 パーソル総合研究所の調査において、男性の育休取得によって、企業は「女性活躍推進」や「従業員のモチベーション向上」「企業イメージの向上」「優秀な人材の定着」「優秀な人材の採用」といったさまざまな効果を実感しているといいます。”地域循環型社会の共創”をパーパスとして掲げる当社においても、その土台となる価値観・行動基準のひとつに「ワークインライフ 多様な働き方で、幸福感アップ」を掲げており、引き続き男性の育休取得推進が図られているところです。

 まずは微力ながら、このような記事を通じて自身の育休経験を発信し、これから取得を検討する方の後押しをできればと思います。社内はもちろんのこと、世の中的にも男性の育休取得が加速し、少しでも無理のない、夫婦ともに心穏やかな子育て環境をつくることが、もっと子どもを産み育てたいという人々の気持ちにもつながっていくのではないでしょうか。

 人的資本開示が進む中、男性の育休取得状況は従業員の多様性を示すひとつの指標になります。厚生労働省委託事業の調査でも、高校生・大学生らの約9割が育休を取得したいとの意向を示しているように、優秀な人材の獲得や女性の活躍推進に向けて男性の育休取得の推進は、欠かせない戦略になると考えます。

 一方で、育休の取得により、同僚に負荷がかかることも事実です。前述のパーソル総合研究所の調査でも、部下が育休を取得するうえで気になることの上位として、「他のメンバーの負荷増大」、「代替要員の確保」、「仕事の分担の仕方」が挙げられています。育休を取得する社員が所属する担当内での業務の見直し・再分担に加えて、部門・組織全体での業務のリバランスやスポット的に代替要員を派遣するスキームの創設等、現場だけに任せるのではなく、会社全体として対応することが、実効的な取得率の向上、及び、取得する側・送り出す側双方が気持ちよく取得することにつながるのではないかと考えられます。また、社外の事例ですが、損保大手の三井住友海上保険株式会社が育休を取得する社員の同僚に最大で10万円の一時金を支給する制度なども、様々な立場の社員に配慮する一つの方法として参考になるかと思われます。

 育休の取得は、間違いなく人生にとって様々な面でプラスになると確信しています。夫婦でしっかりと話し合い、勇気を出して育休を取得してみませんか。

(出典・参考)
・パーソル総合研究所 男性育休に関する定量調査
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/paternity-leave.html

・三井住友海上保険プレスリリース 
~育休を取得したら同僚に応援手当 最大10万円~ 育休職場応援手当(祝い金)の創設
https://www.ms-ins.com/news/fy2022/pdf/0317_1.pdf

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