映画「暗闇にひとりぼっち」について


「アローンインザダーク」とも呼ばれる昔のホラー映画。

同名のゲームが存在するのでごっちゃになりやすいですね。

これ当時、「宇宙船」か「スターログ」で知って、
ビデオ屋で借りて観たワケです。

内容はほとんど忘れたんですが、ラストシーンのセリフ、
ヒロインが殺人鬼に向かってこう言う。

「あなたは生きているのよ」と。


当時これを聞いた瞬間、自然に涙が出てきて止まらなくなった。
子供心に何故こんなに刺さったのか、今なら言語化できる。

つまりこの殺人鬼は「自分が何をしてるか」すら理解せぬまま、
他人を害してまわっていたという事でしょう。

主体性をどこかで奪われ、自分が自分でなくなっていたと。
だから他人を求めた、他責他罰の行き着く先が連続殺人鬼であると。
つまり例によってこれ、

「ユダ」の原理が働いている、


カルト洗脳により自分の外部に主体を求めた。
アイディンティティを喪失し、自分が何なのか判らなくなった。
だから自分を確認する為、生贄が必要になったと。

この殺人鬼もまた、神戸の少年A同様、

「透明な存在」


だったんでしょう。

どこかで主体を奪われ続け、とうとう自分が存在しなくなったという事。
だから殺人鬼になってしまった。

強いられた鵜呑みと拒絶の教育システムはこういった異常者を量産する。
スパルタ式の正体がこれ。

カルトである権威主義の行き着く先は人間性、主体性を失うワケですよ。

自分が何なのかを他人に求めてしまう、
内側ではなく「外側」に自分が存在すると。

自己確認の為、承認欲求の追求がこうした形で現れる。

現在、多くの人間がなんらかの依存体質となり、他責他罰で生きている。
上と下に責任が集中していき、中央の人間は人間性を喪失する。
トップダウンで王と奴隷を求め、何も考えずにひたすら流されてゆく。

これが人間がケモノになる原理。

何が原点か知りませんが、当時聞いたこのセリフは凄かったと思う。
だから今でも記憶に残っている。


おしまい。

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